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nonocanonoco

お久しぶりです。またよろしくお願い致します。

the junejulyaugust「深く潜れ」2

2011年12月30日 | 好きなもの
 このアルバムは歌詞がとても良くて改めて「頭の良い人だなあ」「正直な人だなあ」と再確認したんだけど、それよりなによりアルバム全体から漂う幸せ&安心感はなんなんだろう・・・。

 こんなに幸せそうなアルバムって今までなかったよねえ。「深く潜れ」ってタイトルから暗~い重~い世界になってるんだろうなあ、と思ってたのに、聴いた印象も歌詞カードを読んだ印象もこれまでで一番ソフトで優しかった。

 「大きな空の下 大いなる意思のもと
 時に迷いさまよっても 時に願い叶わなくとも
 もう離ればなれにならないと言おう」

 とか(「僕らは試した」)、完全にラブソングだ・・・。哲くんの歌は何を歌っているのか、友情なのか恋愛なのか、映画や物語なのか実体験なのか、ちょっと分からないところがあって、そこがおもしろいところでもあったんだけど、これは完全にラブソング・・・。しかも強気・・・。

 「偶然です」も、「偶然」を「奇跡」に言い換えたらこれもすっごいラブソング。

 「奇跡が 積み重なって 喜びがたまに挟まって
  奇跡と今気づいた 
  全てはそう 奇跡なんだ 今気がついた」
 (本当の歌詞は奇跡でなく偶然が入る)

 「風が吹いて 鐘が鳴って 合図と共にみんなあつまって
 抱き合って ただ抱き合って 別れの時までただ抱き合って」

 とか、もう(哲くん結婚式挙げちゃったの?!)という勢いでびっくりしました。googleで「高野哲」と検索かけると「高野哲 結婚」が一時期一番上に出てたんだけど、それで検索しちゃった人の気持ちが分かる・・・。deepsid producerがexctive producerに思えてくる・・・(コラー)。

 今までずっと「私哲くんに恋愛感情ないし」と思ってたんだけど、ちょっと羨ましくなった・・・でも現実問題面倒そうだから私は遠慮しとくけど(どこまでも無礼!!)

 BUCK-TICKといい哲くんといい、30代後期になると落ち着いてくるのかなあ。私はまだ20代だから色々なことに色々焦っちゃうけど、あと10年位したら周りの生き死にや自分自身の人生を達観して「これからはゆっくり楽しく生きていきましょう」って気持ちになるのかなあ。

 そうなれればいいなあ、と改めて思いました。

 哲くんはすごい!このアルバムは素晴らしい!ツタヤでかした!って感じでした。

 他にもレビューしたい曲満載なので、コレを読んで興味お持ちになった方がいらっしゃったら、お近くのツタヤかタワレコに是非是非足を運んでみてください~。

 質素だけど優しい暖かい感動が待ってますよ!

THE JUNEJULYAUGUST 「深く潜れ」

2011年12月25日 | 好きなもの
 お久しぶりです。
 更新のない間も来てくださっていた方々、長らく申しわけありませんでした。


 私がこのブログを更新しなくなったのは、2009~10年に同世代のバンドマンが相次いで亡くなっていったからでした。私は人の生き死にに過敏な方なので単純に怖かったし、嫌だった。「なんで?!」と思ったし、残されたバンドのメンバーやご家族、年若いファンの子たちの気持ちを思うといたたまれなかった。 バンド業界を見ていたくなくなった。

 元々kamiくんの10回忌で辞めるつもりだったブログだし、MALICE MIZERにかかわりのあるkamijoやhitomiのバンドのメンバーが亡くなって、悲劇が繰り返されている気がして、もう見守るのはやめよう、と思いました。

 それからもう1年以上音楽は聴かなくて、情報も探すことなく過ごしていたのだけど、たまたまツタヤで哲くんのTHE JUNEJULYAUGUSTのCDを見つけて手にとって、そういえばいつから聴いてないんだろう、哲くんはあれからどうしてたんだろう、と思って、先日借りました。

 THE JUNEJULYAUGUSTは哲くんのnilとは別活動。ドラムとピアノとギターという変則的な構成になっていて、nilが近年歌詞が無意味に、ノリ重視になっていったのと対極に、静かでメロディアスで哲くんらしい文学的な歌詞を全面に出したバンド。

 元々楽しみにしていたCDだったし、期待していたバンドだったんだけど、その後はずっと忘れてた。偶然手に取って、聴いて、いいなあ、と素直に思いました。やっぱり好きだなあ、と思ったし、私が09~10年に抱えていた、抱えきれなくなってしまった「なんで?」への答えもあって、満足のCDでした。特に気に入ったのは「少年兵」「あなたの子供」と「生きてる実感さ」の流れ。

 「色々あって 色々知って 命を知って ありがとうを知って
  また僕たちはあなたの子供になるのだろう」

 「約束を守るんだ 順番を守るんだ 手土産を探すより 順番を守るんだ」

 という歌詞が「あなたの子供」にあって、分かるな~と思った。「色々あって」が哲くんにとって何を指しているのかは、私には分からない。でも私は09~10年のことを思い出しました。

 あの頃は自分と同世代のバンドマンが次々亡くなっていくニュースを毎月のように見聞きしてた。色々あったし、色々考えさせられたし、色々知った。命の重さ、人は一人で生きているのでないのおだな、これほど沢山の人が自身の死を辛く思うことを分かっていて去る決断をしたんだろうか、とか、ロックな生き方への疑問とか色々思った。

 私はそこで見守ることも嫌になってしまったんだけど、哲くんは「ありがとうを知っ」たんだねえ。さすがだなあ、強いなあ、と思います。


 「順番を守るんだ」は「あなたの子供」のタイトル通り、「親より先に死なない」ということでしょう。あんまり会いに帰れなくても、不安定な仕事で心配をかけても、絶対先には死なないよ、という約束をご両親にしたのでしょう。

 えらいなあ、毎年自分の誕生日にご両親に「生んでくれてありがとう」と電話している哲くんだからこそ歌える歌詞だなあ、と思った。改めて哲くんの凄さを知った気がした。なかなかこういうことを胡散臭くなく歌える人はいないよ。

 「心からの言葉として歌っている」と思えるのは、哲くんがそういう生き方をしてきたのをファンとして見てきたからだし。またこのブログにも戻ろうかな、とも思えました。


 良いアルバムでした。歌詞も素晴らしいけど、哲くんの歌唱がとても良い。声量も性質も色んな声を使い分けて歌っていて、とにかく飽きさせません。個性的な声質につい耳が行ってしまうけど、改めて上手いボーカリストだな、と納得させられました。


 それにしてもツタヤにレンタルで入ってたとは・・・見つけた時はちょっとびっくりでした。

 次はこの続きか、Versaillesのアルバムについて書こうかな。また必ず書きます。