goo blog サービス終了のお知らせ 

nonocanonoco

お久しぶりです。またよろしくお願い致します。

「海水魚カタログ」

2009年05月06日 | 好きな本
 また魚の本を買ってしまいました・・・。冬の間は寒いのでペンギンも熱帯魚もあんまり見る気がしないのですが、ちょっと暖かくなってくると私の心は海へ飛びます。

 この本は以前書いた「海水魚ガイドブック」と同じように見えますが、違うのです。あちらはスキューバダイビングをする人用のもので、海の中の浅瀬とか岩場とかどういうところにいるのか?何を食べるのか?自然下での生態について書かれてあったのですが、こちらは飼育下での生態について書かれてるのです。飼い易さとか、ペットショップでの相場の値段とか、何を餌にあげればいいのか、他の魚との混泳はできるのか・・・などなど。

 たとえばハリセンボン。あの魚を知らない人はいないけれど、ペットとして飼えるかどうかって知ってました?正解は飼育のレベルは「飼いやすい」、値段は15000円くらいが相場ですって。そういうのを「へぇ~」と思って読むのが楽しいんです。

 あとはペット用の小型のサメとかね。小型とは言っても1メートル50くらいにはなるし、それに耐えられる水槽も用意しないといけないそうなんだけど、「サメって飼えるんだ・・・飼う人いるんだ・・・」と驚きます。

 体長1メートル50センチってほとんど私と同じくらいだし、それに対応する水槽っていうのもお風呂より大きくないと駄目ですよね。プールとまではいかなくても、銭湯くらいの大きさはないとねえ。うっかり水槽に落ちて噛みつかれたら死にそうです。餌も人間並みに食べそうだし。しかもおそらくは生餌・・・。駄目駄目!想像しただけで怖ろしいです。

 写真も綺麗で、クマノミばかり7種類も紹介されているのもポイント高い!気性が穏やかで協調性があるのから、気性が激しく他の魚とは一緒に飼えないのまで、同じクマノミとは言っても種類によって性格がかなり違うそう。色々想像ふくらんでおもしろい本です。

井上慎也「海であいましょう」

2009年04月22日 | 好きな本
 東方出版2003年。私は海の生き物や野生動物が好きで、そういうドキュメント番組や写真集を見るのが趣味なのですが、「写真家」として好きで、「この人の写真集なら現物見ないでも予約して買う!」と思えるのは、井上慎也さんだけです。

 もうどの本も好きだし、写真だけでなく添えられている文章も優しいお人柄が透けて見えるようで大好き。どの著書も好きでお勧めの一冊がとても選べないのですが、「海であいましょう」「smile」「ぼくが海からもらったもの」などがオススメです。

 今まで「ルックスが可愛い魚」というのは、色々知ってましたが(例 クマノミ、ミドリフグ、ミナミハコフグの幼魚)、この本はどれもこちらと視線が合っていて表情があって「顔が可愛い魚」なんです。「魚」としては小さくて地味なものでも、表情が顔の造作が可愛い魚をとらえている。ここまで何度も「カワイイ!」と叫びたくなる魚の写真集は今までなかったように思います。

 見ていると、魚の一匹一匹にも、心があって人生があって生活があって、きっと毎日の楽しいことも幸せなこともあって・・・と考えてしまいます。私と同じで確かに生きていて、他では置き換えの効かない一己の存在なのだ、と。なんかもう気軽に殺生できない気持ちになります。とか言って、シシャモを美味しく食べたりするのですが・・・嗚呼自己矛盾!!

 特に井上さんの写真は「ハリセンボン」が可愛いです。ご本人もハリセンボンが一番お好きなのだそうですが、ハリセンボンがここまで可愛い生き物だとは知りませんでした。

 ヒーリングでもあり、トキメキでもあり、そして地球環境についても考えさせられる素敵な写真集です。

イーサン・ホーク「ホッテスト・ステイト」

2008年11月17日 | 好きな本
 桑田健訳。1997年ソニーマガジンズ。ハリウッドスター、イーサン・ホークの自伝的恋愛小説。芸能人の書いた小説ということで辻〇成っぽくおもわれるかもしれませんが、全然違います。小説として純粋におもしろい!イーサン自身が監督して「痛いほど君が好きなのに」という日本タイトルで去年映画化されました。

 私はあまり恋愛小説を読まないのですが(だから縁遠いのか・・・)これは夢中になって読みました。20歳から21歳になるまでの、夢を追う男女の出逢いから蜜月期、そして気持ちのすれちがいと別れと新たなる一歩が綴られています。恋愛小説ではあるんだけど、根底にあるのは少年から大人への成長とアメリカの家族の問題。

 原題の「最も熱い場所」とは青春時代のことでもあり、心臓のことであり、物語の舞台のひとつであるテキサスのことでもあるのでしょうけどちょっと分かりにくいですよね。内容はまさに「痛いほど君が好きなのに」って感じで、この日本タイトルは見事!

 私はウィリアムの気持ちもサラの気持ちもよく分かる。サラはウィリアムという王子様が現れて「好きだよ、綺麗だよ」と言われ続けることによって自分に自信が持てるようになる。そこまでは所謂「シンデレラストーリー」なのかもしれないけれど、愛されることに幸福を感じる一方で独立した人間でありたい、一人の時間を大切にしたいという気持ちも強くなっていく。ウィリアムが重荷になり距離を置きたくなってくる。

 ウィリアムは夢も恋も両方叶えられるよ、という考えで、それゆえ愛して、一度は心が通いあったはずのサラの気持ちがなぜ離れてしまったのか理解できず、執拗に追いかける(このへん、ストーカー的でちょっと怖いシーンもあるのですがウィリアム=イーサンの顔に脳内変換して読むとしのげます。ハの字の眉毛をした純情系美青年。大好き)。

 ウィリアムがそれほどサラに執着して結婚をせまるのは、母子家庭に育ち、出て行った父は再婚しもう何年も連絡をくれないから。根本的な部分に欠落感を感じているからこそ、サラに愛されれば自分の心の隙間を埋められるような幻想をもっている。サラも同じような家庭環境で育った人で、ウィリアムのそういう部分に気づいているからこそ、受け入れられない。

 最後ウィリアムは父に電話し、父へのこだわりを乗り越えます。サラとも話し合い友好的に別れ、「少年」から「青年」へ成長します。このラストがなんとも切なくて良いです。

 イーサン・ホークは「恋人たちの距離」「ビフォア・サンセット」の主演映画の脚本も担当していて、アカデミー脚本賞にノミネートされたこともある、とても文才のある人。この本にもまさに「痛いほど」な名セリフが色々出てきます。訳も良い!

「ときどき思うんだ。サラが僕のことを愛してくれるようになったら、自分の中にあるいやな面が全てなくなるんじゃないかってね」p80

「私は自分の時間が必要なのに、あなたはそれを時々奪ってしまうのよ」p144

「いいこと、ウィリアム。お父さんはあなたの誕生日に電話をよこさないけれど、ある時期からそれはあなた自身が解決すべき問題になるのよ。お父さんの問題じゃないわ」p164

「これからの人生、誰もが君に向かって、弱くたっていいと言うはずだ。~~だけど口ではなんて言おうと、みんな本当は君が強い男であることを期待しているんだ。そのことは憶えておけよ」p213

 この映画化は10年ほど前に映画化権を買ってくれた会社がモタモタしているのにしびれを切らしたイーサンが自分で映画化。でももう30代後半になるイーサンがハタチの青年役はおかしいということで、本人は父親役で出演(泣)。ウィリアム役はイーサンしか考えられなかった私は映画館に行きませんでした・・・。もうDVDになったかな?今度勇気を出して観てみようと思います。

ーーーーーーーーーー

 この本を読んだ後の最大の疑問は「なんで妻がウマ・サーマンだったんだろう?」ってことです。全然サラと違うじゃない・・・。最近ベビーシッターだった女性と再婚したそうで、うん、そういう普通な感じの女性の方がイーサンには合うと思います。


大方洋二「海水魚ガイドブック~サンゴ礁の魚たちの全てがわかる~」

2008年09月02日 | 好きな本
 沖縄に行ったこともないし、スキューバダイビングもやったことのない私の愛読書がなぜこの本なのかというと、見ていて和むからです。私にとってはヒーリングの一冊。

 小さなサイズの本なのですが、色とりどりの魚がカラーで紹介されていて、とっても綺麗です。「ハコフグの幼魚」「カクレクマノミ」という(これに「ミドリフグ」を加えたら)私の3大好きな魚類のうち2つが紹介されているのもポイント高い。

 ハコフグの幼魚は黄色に黒い水玉模様で、ちっちゃなヒレをピラピラさせてプカプカ浮かんでとってもキュート。カクレクマノミも目元と口元が可愛い。どうしてこんなにカワイイ形に生まれるんだろう?こんな綺麗な色に生まれるんだろう?自然界って不思議です。

 不思議といえばコガシラベラ(体が蛍光色の緑、ピンク、黄色、水色の混じったレインボーカラーの魚。有り得ないくらいカラフル)の紹介文に「メスからオスに性転換するが、生まれながらのオスもいてグループ産卵する。性転換をへたオスはペア産卵する」とか凄いこともサラッと書いてあります。こういう生態が書いてあるのも想像力を掻き立てられて良いです。魚っておもしろい・・・。ついぼんやり眺めてしまいます。

 残暑厳しいこの時期に読むのはオススメです~。熱帯魚、飼いたいなあ。

雨宮処凛「バンギャルアゴーゴー 上巻」

2008年08月26日 | 好きな本
 前から読みたかった本。一気に読みました。

 う~ん、これが「バンギャル」なのか!私の「バンギャル」の定義とは結構違うなあ・・・。 私は「バンドが好きで、黒服着てライブ行ったりする少女」が「バンギャル」で、ホテルの前や移動の駅で待ち伏せしたりするのが「追っかけ」、メンバーと肉体関係をもつ人たちは「ファッ〇隊」・・という風に分けて考えていたのだけど、著者はその3つ全て合わせて「バンギャル」と表現してるみたいなのね。

 この本では学校にも家にも居場所のなかった少女が、バンドにのめりこみチケット代のために万引きしたりカツアゲしたり、ライブ見るたけじゃ飽き足らずメンバーと肉体関係をもったりプチ家出して東京まで追いかけていく姿が描かれているのだけど、バンドに夢中であることより結局は親子関係の問題なんじゃないのかなあ、と思った。

 幸い、私の両親は私が中高生の頃、ビジュアル系バンドを好きでいたことに対してとっても寛容だった。「ライブに行きたい」と言っても「そんな不良の集まるところへ行ってはいけません!」とは全く言われなかった。「気をつけて行っておいで~」と快く送り出してくれて「行ってきま~す」と答えて出かけてた。大抵夜は9時か9時半のバスになるから、心配かけるといけないと思ってライブ終わってバスに乗る前に「これからバスで帰ります」って電話入れてた。帰ってからは「ryuichi、かっこよかったよ~。イノは可愛かった!」「そーかい、良かったね。早く寝なさい」みたいな。

 こういうことが私には当然のことだったけど、恵まれていたんだなあと思った。そもそも学校に居場所がなくてとか、苛めに遭ってという経験もなかったし、ビジュアル系は「逃避」というより、映画を観たり美術館に行くような趣味の中のひとつという感じだった。

 だから「ライブハウスに集まる少女は皆学校にも家庭にも居場所のない子だ」みたいに書かれると「うーん」と思う。そういう人もいるのは薄々分かってた。でも少なくとも私の周りは学校にちゃんと行ってたし、学校では学校の友達と付き合って、放課後や日曜日はバンドの友達と付き合って、と両立してたように思う。無断外泊とか万引きとかカツアゲはなかったなあ。

 きっとバンド好きな娘をもつ親がこの本を読んだら卒倒しそうになると思う。「うちの子もこんなことになってしまうんじゃ・・?」と不安になったりして。でもこれはものすごく特殊な例。普通の子はお小遣いやお年玉の範囲内でCD買って黒い服着てライブ会場に行ってライブ見て、たまに入り待ち出待ちして、それで満足してると思う。そして18かハタチか22か、そのくらいの年齢になれば自然と興味を失って、バンギャルを「上がる」はず。それまで静観してても大丈夫だと思うけどねえ。

 かえって禁止したり露骨な嫌悪感を示したりする方が良くないように思う。好きなのに反対されたら反発して親子関係が断絶しそうだし、学校に居場所がなかったらのめりこむだろうし、で余計に反対されて・・・の悪循環にもなるよね。私も親に禁止されてたら反動でもっとのめりこんだのかもしれない。

 私の周りでも実際にあった!という話も沢山あって懐かしくて楽しくて一気に読めた。登場するバンドマンも実在するあの人とあの人を合わせたんだな、と分かる人には分かるような設定でそれもまた楽しい。

 でもやっぱり私に言わせると、この小説は「ファッ〇隊アゴーゴー」であって、「バンギャルアゴーゴー」じゃないよ。おもしろい本であるのは確かなんだけど、(ああ、これでまた「バンギャル」のパブリックイメージが悪くなった・・・)と残念にも思った。  

 (下巻の感想につながります)


雨宮処凛「バンギャルアゴーゴー 下巻」

2008年08月26日 | 好きな本
 明るく楽しい青春物語が描かれた上巻とうってかわって、重く暗いトーン。上巻では文通で知り合った友人との初対面、ライブハウスへ初めて行ったときのドキドキ感、インストアイベントでの爆笑エピソードなど、私にとっても懐かしく楽しい話が描かれていたけれど、下巻に出てくる二つの実話を基にしたエピソードは読み進めるのがつらかった。今23~30歳くらいの元バンギャにとっては思い出すたびに苦しくなる事件だと思う。これを避けて通らずにバンド業界の話を書いた雨宮さんは勇敢だと思う。

 ラストの一行、「この曲があれば生きていける。たとえルナティックムーンが解散しても、TOSHIKIが死んじゃっても。この曲さえあれば、どんなに辛いときも、この曲さえ聴けば、生きていける気がするんだ」には涙・・・。私も14~17歳くらいの頃、同じこと思ってました。

 「バンギャルアゴーゴー」では14歳~18歳になるまでの少女の成長と友情、そして日本のビジュアル系業界の軌跡が描かれている。輝くような充実した日々。

 でももう二十代の半ばになった私にはこの物語の続きも分かってしまう。きっと私と同様、主人公たちもバンギャ仲間とはいつしか疎遠になり、ライブハウスやバンドからも遠ざかっていく。そしてバンド中心に回らなくなっている自分の生活に気づいて、そしてその瞬間までそのことに気づきもしなかった自分に驚くことでしょう。だからこそこの時代は心の中で輝き続ける。

 私が今になってこんなブログ始めたのも、雨宮さんがこの本を書いたのと同じ理由なのかもしれない。「青春の輝く瞬間を忘れたくない」っていう・・。忘れたくないと思うこと自体、既に忘れかけてきている証拠なのかもしれない。

 主人公たちは破天荒すぎて「これ、バンギャルじゃなくてファッ〇隊じゃないの?」と上巻を読んだときはそこに引っかかった。けれど私みたいに無難に日常生活送っているバンギャを主人公にしてもつまらないし、このくらい派手にぶっ飛んでいる少女を描いた方が、物語として起伏があっていいのかも・・・と思うようにもなりました。共感する部分は沢山あって、私の青春がまるごとここに収められている・・・と思った。切なく愛しい本です。

中村庸夫「赤ちゃんペンギン」

2008年08月12日 | 好きな本
 皇帝ペンギンの赤ちゃんの写真集。まさに世のペンギン好きのバイブルのような一冊。これが絶版なんて世の中間違ってます・・・。

 雪や氷の上をよちよち歩いている姿、親の足の間から顔を出す姿、可愛すぎます。特に夏の暑い日に眺めると微笑ましさと清涼感が同時に味わえて一石二鳥です。表紙のデザインは特に可愛い。本当になんでこんなに可愛いんでしょうねえ・・・。

 赤ちゃんペンギンファンは土曜7時からの「志村動物園」も必見ですよ!DAIGOがイワトビペンギンの赤ちゃん「ペンペン」を育てています。こちらも毎回「はぁぁ~かわいい~」と溶けそうになります。先々週見逃したら先週はかなり大きくなってて驚きました・・・。今週も楽しみです~。

三浦しをん「悶絶スパイラル」

2008年06月13日 | 好きな本
 読みました。これまでに比べて笑える部分は少ないかな?作家として多忙な生活をしているだろうからしかたないのだろうけれど。表紙は可愛かった!

 しをんさんは30歳になっても中学生のころから好きだったBUCK-TICKのおっかけをしているそう。

 私は中学生の頃からMALICE MIZERにずっと夢中だったのだけど、マリスは残念ながら19歳になった途端、解散してしまった(ああ、年がバレル)。なので私は19歳以降「バンギャル」ではなくなってしまった。私自身が「もう上がろう」と決めたというより、おっかける対象の方がなくなってしまったので上がるしかなかったという感じだった。Moi dix Moisも聴いたけど、そんなに夢中になれるものではなかったし。それでBUCK-TICKのように、もしマリスが長続きしていたら私はおっかけしていたんだろうか?とか色々思った。

 あとは私も好きな映画、オダギリジョーの「メゾン・ド・ヒミコ」のオダジョーの「シャツがイン」が良かったとか。「シャツがイン」か・・・私はあの着こなしを「パンツイン」と表現してたんだけどな。BUCK-TICKのボーカルの櫻井敦司も筋金入りのパンツインなのだけど、映画のオダジョーを「理想的シャツがイン」と表現するあたり、しをんさんからみても、あっちゃんのパンツインはやばいのか・・・とも思った。