Life in Tokuyo_71_食事の席

2007-11-21 | Care Work



 私たちの施設では、入所者の皆さんが食事を召し上がるときは、基本的には1階の食堂にお集まりいただいて、皆さん一緒に召し上がっていただきます。
 60名の皆さんが集合する食堂に4人がけのテーブルを19箇所に置き、一部の方は補助的なテーブルを使用していただきます。
 ほとんどの方が車椅子を使用している方々で、車椅子に乗車したままテーブルに着きます。普通の椅子を使用する方は現在は3名だけです。
 着席する場所は、ご自分で召し上がることができる人たち、私たち職員の介助や見守りが必要な人たち等、ある程度ゾーンを分けています。最近その着席場所について、いくつかの問題が起こりました。

 まず、自力で食事を摂ることが可能な方々のゾーンの中で、摂取する際に咽込みが激しい方がおり、食べ物は飛び散り、向かいに座った方にその被害が及んでしまっています。加えて隣の席の方もその行為に不快感を訴えていました。

 それとは別に同席したテーブル内で特定の方が他の方から不快な干渉を受けてもいます。食べる速さが遅かったり、認知症から食事を終えてからも佇むだけで居室に戻ろうとしない状態を侮蔑されたりと、周りへの悪影響も懸念されてきました。
 
 私たち職員の介助や見守りが必要なゾーンでもいくつかの問題が起きていました。
 新しく入所された方を暫定的な位置に配置したところ、身体の拘縮が激しく、その体勢から着席位置を通路側と内側を反転させるべきであったことや、他の入所者のお膳にまで手を伸ばして食べてしまうようになった方への配慮も必要になっています。
 
 いくつかの問題を解決するために会議で解決案が出されました。会議のメンバー各自が案を出し合っていったのですが、細かい点で一人一人が違った解決案を出しています。問題点の認識は共通していても解決策は複数あります。集まった案を取捨選択しながら新しい席が決まりました。
 新しい席が必ずしも成功とは言えない場合もあります。変えてみて改めて解ることも多く、微調整がこれからも計られるでしょう。

 現段階での問題解決は私たちが苦慮していることですが、それに加え将来への不安もまたあります。それは食堂のスペースの問題です。
 60名を収容している食堂ですが、そのサイズは今までの入所者に合わせています。
 近い将来、戦後生まれの方も入所してくることになるのでしょうが、その方々の体格は、今の入所者の体格よりも大きくなることは統計上も明らかです。
 また、既存の入所者の方々でも身体の状態によっては、より安楽な大型の車椅子を必要とされる方も増えています。
 限られたスペースを有効利用していくにも工夫が必要になるでしょうし、新たなスペースを確保することも必要かもしれません。
 
 施設での食事というのは、入所者の皆さんにとって一日の中でも大切な、数少ない楽しみの場でもあります。食堂で皆さんが座る位置というのは、できるだけ快適に過ごしていただけるように配慮していかなければいけない私たちの大事な仕事の一つです。
 
 画像は、愛犬が満腹になってお気に入りの場所で寝てしまった姿です
 


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2 Comments

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チビタンママさまへ (non_B)
2007-11-21 23:02:28
ホントに食事の席は、ジグゾー・パズルのような感じなんですよ。
アチラを立てればコチラが立たずという感じです

職場の上司・同僚に恵まれていることは確かなのですが、私が好影響を与えているなんてコトはまだまだ...です。
肉体的に辛く感じることはありますが、仕事自体が辛いと思ったことはまだ無いですね。それが救いかなぁ...と思います。

母のこともお気遣いいただいてありがとうございます。
昨日・今日と担当医師や看護師さんから母の状態について詳しく説明していただき、丁寧に対応していただいていることがよく解り、少し安心しています
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Unknown (チビタンママ)
2007-11-21 15:58:22
(*^。^*)こんなポッテリしたルーちゃんの姿は初めて見ました♪

ホームでのお仕事には、私などには想像もつかないナイーブな問題が山積みなのですね。
こんな表現は失礼かもしれませんが、まるでパズルかシミュレーション・ゲームのような緻密な配慮にいたく感心いたしました!!!
nonちゃんのホームのように人間性溢れる対応をされている所が多いことを願うばかりですが、現実はどうなのでしょうね。
伯父さまが所属していらした部隊でもそうですが、上に立つ者やその部下の人間性と人間力が全体に及ぼす効果は、人の生死さえ分けるものです。
nonちゃんのお仕事は非常に辛く大変ですが、職場の人々に恵まれていることはいつも感じていますし、きっとnonちゃんの優しさが伝染しているおかげかなぁとも思っています。
お母様のことも大変気がかりで心配な毎日を過ごされていることでしょうが、どうかそういう時こそご自身のお身体にも気をつけてくださいね!!!

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