中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

茶道の会

2012年10月19日 | 日記
今日は昼からバスで10分位のところにある破店という福建料理の店でS先生と昼食。
アサリと豆腐のスープに、豆腐と野菜のスープ、ニンニクの芽とシャコ?の炒め物。
スープ系を二つも頼んでしまった。どれもなかなかのお味だが、この店は店員さんの雰囲気がとてもいい。
北京の一流店に行っても、接客が無愛想だったりするがこの店は店員の教育が行き届いているようである。

食事を済ませてから、中国国際旅行社の支店がすぐそばにあったので、福州~関空の航空券を購入。
31日から11月2日まで運動会があり、その間授業がないので一時帰国することにした。

現金を持って来なかったので、カードで払おうとしてパスワードを入力したらエラー表示。
この国では3回エラーするとカードが使用不能になる。ついに3回目もエラー。
商工銀行カードに続いてまたしても使用不能かと思ったら、
なんと店の端末が故障していたのだった。
スムーズにいかないことの多い国である。

結局、新生銀行の海外対応現金カードからお金を降ろして支払う。
燃油代、空港使用料等込4820元(約63000円)だった。
来たときにくらべてかなり値上がりしている。
しかし、昨日の予想外の賃上げ告示の後なので、少々高かろうと全然気にならぬ。太っ腹なんである。
それに空のトランクを持って帰って、来るときに食材など生活必需品をしこたま持って来れば、
かなり取り戻せるだろう。持病薬ももらってこよう。

賃金大幅アップで気は大きくなっているが考えることはせこい。

チケットを購入してから、GANSO(元祖?)という台湾系のお菓子屋さんで、和菓子もどきを購入。
当地では和菓子は手に入らないが、この店ではどら焼きなども売っていて上海で製造しているそうだ。

夕方、和菓子もどきを持ってS先生と2人で大学に向かう。
今日は2年生が主宰する日本語倶楽部の茶道の夕べがあり、出席してほしいと依頼された。
2人とも不調法で茶道も華道もダメだと言ったが、座っているだけでいいからと懇願するので
せめてお菓子くらいは差し入れてあげることにした。

金曜日は学生も楽しそうで、学外にこれから繰り出す学生や帰ってくる学生が行きかって
ゲートはごったがえしている。なんせ2万人もの学生が住む町のような大学なのだ。

学生に案内されて教室に着くと、100人ほどの学生が待っていた。
日本語科の1年生や日本に関心のある他学科の学生たちだ。
2人とも一番前の特別席みたいな席に座らされる。かなり遅刻したのだが、
どうやらみんな私たちが到着するまで会を始めずに待ってくれていたようで、
ちょっと覗いてみるくらいの軽い気持ちで来たのが申し訳なくなった。

今日は日本茶道と中国茶道の競演がテーマのようで
派手なチャイナドレスの中国茶道クラブの学生2名と、浴衣を来た日本語科の学生が
お点前を始めた。中国茶道は複雑な手順で茶碗をひっくり返したり、端をこすったり、
とても忙しい。日本の茶道の単純でゆったりとした作法と対照的なように思えた。
もちろん畳などないので、テーブルの上でごく簡単に茶を立てて飲むだけのことなのだが
それでも両国の文化の違いは、チャイナドレスと浴衣も含めて明白なようである。

浴衣の学生、Rさんは立ち居振る舞いがまるで日本人のようで、色の白い楚々とした美人である。
彼女は声の大きい中国人学生の中では、珍しくふだんから声が小さくておしとやかなのだが、
浴衣がとてもよく似合う。浴衣はアニメクラブの学生の手作りだそうだ。
生地が良くなく着くずれしているので帰国した折に、中古の浴衣を一つ土産に買って
日本語倶楽部に寄付してあげようと思う。

この会の盛況ぶりと学生の熱心さは、尖閣で険悪になった日中関係とはまるで別世界だ。
ネットの持つ文化伝播力がいかに大きいかということだろう。
このような若者たちがこれからの日中関係を支えてくれていくことを願ってやまない。
彼らを大事に育んでいけるような環境を、日本でもっと作っていけないものだろうか。

会の終了後、学生たちは私たちの遅い食事に付き合い、外事処が予約してくれた大学のゲストハウスまで送ってくれ、チェックインするのを見届けて帰って行った。ほんとうに丁寧でこのうえなく親切なのだ。

宿泊費は大学の負担で3人部屋。拘置所のようなテレビもない我が陋屋に比べれば天国だ。
うれしくなってテレビをつけたらつかない。故障している・・・ああ

やっぱりスムーズにいかないことの多い国である。。






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