故障から、着々と復帰に向けて調整を続ける投手がいる一方で、
連戦が続く夏場の大事な時期にケガをして登録を抹消される投手もいる。
6日のスワローズ対タイガースの一戦は11対20という何とも大味な展開だったようだが、
そのキッカケをつくったのは僅か19球で1回途中降板となった先発の八木投手。
左足太ももの違和感でマウンドを降りた八木は、その後の診断で左大腿部の肉離れであることが分かった。
球団の発表では実戦復帰まで6週間から8週間かかるとのこと。
あいだをとって7週間かかったとしても、ほぼ今季は絶望だろうか。
前回の7月29日に登板したタイガース戦での好投、
9回途中まで4安打無失点という折角のいい流れをケガで費えてしまうのは本当にもったいない。
しかも打球があたったとか誰かと接触したとかそういうことではなく、投げている中で突然感じた違和感。
プロの選手だからケガをしないような身体づくりやトレーニングなどにも当然、取り組んではいるだろう。
それでも突然、ケガに見舞われる選手は多い。
ケガの多い選手がいる一方で、ケガの少ない、ケガに強い、大きなケガに及ばない選手もいる。
それぞれの持っている身体の強さや練習方法などにもよるだろうが、
故障してプレイが出来なくなっては元も子もない。
スワローズの場合、それでなくても手薄な投手陣である。
ここにきての若い先発サウスポーの離脱は痛いだろう。
先週は赤川が一軍登録抹消という記事をスポーツ紙で見かけた。
先日、スワローズのことを書いたとき(※)、
村中と、この赤川、八木の左腕・三投手の躍進に大きな期待を寄せたが、
小川に続き、村中が戻った矢先に、赤川、八木のふたりが順を追って抹消である。
赤川の抹消は、やはり調子の問題なのだろうか。
一軍での成績もそうだが、ファームでの成績もあまり良くないようだ。
ベンチや、ファンが思い描くようには、なかなかいかない。
先日、ホークスからトレードで移籍してきた新垣渚はもうファームで何登板かこなしているようだが、
小川監督か担当コーチかのコメントで、獲得したからには一軍で使いたいという発言も記事にでているから、
初登板も間近かもしれない。
そんな中、佐藤由規の一軍復帰への準備は着々と進んでいるように見える。
昨日6日のイースタンリーグ、東京ドームで行われた対ジャイアンツ戦に先発登板した佐藤由規。
6月14日に2年ぶりの実戦復帰を果たしたフューチャーズ戦以来、
球数、投球回数をワンステップずつ上げながら、この日は5回を投げきった。
立ち上がり、ボールをコントロール仕切れていないところで隠善に2ラン、
大田に3ベースを打たれ3点を失うが、その後は内野安打を1本許したのみで、
結局、打たれたのはこの1回だけ。5回を3安打2奪三振4四球。
74球を投げて復帰以来、初の勝ち投手となった。
4四球が象徴するように、制球が定まらず、全体的にボールが高めに浮く傾向にあったが、
相変わらずストレートはスピンのきいたノビのあるボールがいっていた。
ジャイアンツ打線に内野ゴロが多かったのはこのストレートに詰まらされてのことだろう。
全体的に腕もよく振れていて、リキみなく投げていた。
初回からストレートも147,8キロは出ていたが、最後の5回に150キロ、151キロを連続して投げた。
力を込めて投げる感覚を試すかのような2球だった。
その時の2球に関しては、それまで以上の腕の振りに見えた。
故障前から佐藤由規は細かなコントロールで勝負するようなタイプのピッチャーではない。
2010年にはリーグ・ワーストの四球数を記録している。
調子自体の問題もあったろうが、この日もところどころで制球に苦しむシーンはあった。
だがこの日のピッチングには、そこから崩れていくような気配はまったくなかった。
まだまだ本人的には調整段階という意識だろうから、100%の力で投げていないことが幸いしているのか、
少し抑え気味に投げることで身体に無駄な力が入らずに済んでいるのかもしれない。
それでも現状でストレートはコンスタントに140キロ台の後半に達する。
さらに要所では150キロを越すストレートも投げきれた。
以前のように、ガムシャラに豪速球を投げるのではなく、
この試合での投球のように、りきみが抜ける程度に力を抜いても150キロ近い速球は投げられる。
そのぶんコントロールに意識が注げれば、この日のようにピッチングに余裕が出る。
災いもうまく転じれば福を得る。
2年半の故障期間も決して無駄ではない。
今季、最後の最後くらいで、佐藤由規の姿を一軍のマウンドで見ることが出来るか楽しみである。
その佐藤由規の後を継いで6回からマウンドに上がったドラ1ルーキーの杉浦稔大もキャンプで右肘靭帯を断裂し、
ここまでリハビリに費やした。
この日が回復後、2試合目の登板だったようだが、4回を2安打4奪三振1四球と見事なピッチング。
140キロ台中盤のストレートも球速より速く見えるタイプでキレがある。
コントロールもいいので、彼は佐藤由規よりも先に一軍に上がってきそうだ。
故障者さえ戻ってくれば、スワローズも投手の駒は揃っている。
佐藤由規とルーキー・杉浦に押さえ込まれたジャイアンツ2軍打線だったが、
ジャイアンツのルーキー・奥村と和田恋は、実によく振る。
思い切りのいい、強いスイングが見ていて気持ちいい。
解説の二岡智宏氏も1球目からフルスイングする奥村の姿勢とそのスイング自体を褒めた。
その奥村、和田恋の両選手はこの試合、スタメン出場。
和田恋は3打席無安打に終わったが、奥村は1安打2四球で起用に応えた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます