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4年目・田中太一。同期3投手との差を埋める為のポイント。

2014-06-26 23:57:31 | ファーム

交流戦、最後の決戦を前々日に控えた19日。
中井、横川、小林誠司ら一軍に登録されている選手が、
あいだの空いた日程を利用してイースタンリーグの試合にスタメン出場した。

6月19日、イースタンリーグ、ライオンズとの第9回戦は、
一軍でなかなか出場機会に恵まれない捕手・小林誠司や中井大介らが合流。
先発はこのところファームでの調整が続いているセドン。
イースタンリーグで4試合に先発登板しているセドンは、ここまで2勝1敗の成績。
5度目の先発となったこの試合、初回から小林とのサイン交換がしっくりいかず、
小林の出すサインにほぼ首を振ってから投球に入るリズムの悪さ。

解説の吉村禎章氏は一軍から来た小林誠司とのコンビで準備不足は仕方がないとしながらも、
試合が始まる前にそれなりのコミュニケーションはとれるはずと指摘。
初球の入り方、どのタイミングでどの球種を投げたいかなど、
もっと小林が積極的にセドンの意思を聞き出しておくべきと苦言を呈した。

これが影響したかどうかは判らないが、3回に制球を乱し大量失点。
結果、4回を投げ5安打4四死球の7失点で降板。
小林は回が終わるたびにベンチで通訳を介し確認を取り合っていたが、
降板後のセドンの表情は終始、曇ったまま。
初登板の投球があまりにも鮮烈だっただけに、
原監督も復帰を心待ちしているに違いない。
なかなか復調のきっかけを掴めないセドンのモヤモヤが、
少しでも早く解けてくれることを願う。



5回以降を引き継いだ投手の中で、4番手でマウンドに上がった4年目の田中太一に注目してみた。
2010年のドラフトでジャイアンツから3位指名を受けた田中太一は大分工業高出身。
澤村拓一、宮國椋丞、田中太一、小山雄輝の順で、その年のドラフトは投手ばかりを選択したジャイアンツ。
球団の彼への評価は、宮國に次ぐ三番目。当時は小山よりも高い評価を受けていた。

高校からのプロ入りとあって、2年ほどは体づくりと技術向上に時間を費やし、
その間、登板機会もあまりなかったようだが、3年目の昨シーズンはイースタンリーグで16試合に登板。
G+のファーム中継でも何度か先発、中継ぎと彼のマウンドを目にする機会はあった。

田中の名前が目立ったのは昨シーズン終了後のフェニックスリーグでのこと。
韓国チームとの試合で中継ぎ登板し快投を演じた。
フェニックスリーグでは常に安定した内容のピッチングを披露し、成長の証を見せていた。

スリークオーターから投げるストレートは、常時145キロくらいは記録しており、スピードは安定して速い。
この試合でも140キロ台後半のストレートを何度も投げていた。
持ち味はこのストレートに高速スライダーとカーブを織り交ぜた攻めのピッチングだ。

前回見た時は制球に苦しみながらも詰まった打球を打たせる力のピッチングでまずまずの印象だった。
この試合ではその制球難が露呈してしまった。

スピードは出ていてもストレートは抜け球が多く、四死球でランナーを溜めたところにヒットが絡んでの失点。
この試合で解説を務めた吉村禎章氏は 「リリースポイントがうまくハマった時と思ったよりも抜けてしまう時がある。
ボール先行で四球を出し、そこから崩れてしまうのはその辺りが原因。
投球ごとにバラつくリリースポイントの調整が必要。」

さらに投球フォームのバラつきについても触れた吉村氏。
「上半身と下半身が合致したときはいい球がいく。
逆にバラけた投げ方になったときは球の押さえが利かなくなる。
そこを修正できればもっとコントロールもよくなってくる。」

また、ライオンズの右打者が送りバントをするとき、
食い込んでくるような内角へのストレートにやや腰が引けていたのを引き合いに出し、
球筋を活かした投球術の習得を説いた。
吉村氏 「田中太一のストレートはナチュラルにシュート回転するので右バッターには脅威になるはず。
得意のスライダーも含めてだが、しっかり腕を振った中で内外に投げ分けられるようになれば、
このクセ球は大きな武器になる」。
持ち味を充分に活かせればかなり楽しみなピッチャーと大きな期待を寄せた。

中継ぎとしての役割を主に果たしながら、谷間を埋める先発も頻繁にこなすタフな面も兼ね備えている。
現在の一軍でいえば、中継ぎ、ロングリリーフ、先発と大車輪の笠原あたりが最大のライバルになるだろうか。
入団以降、まだ一軍での登板は果たしていない田中だが、同期の三人は、4年目となるここまでで、
何かしらの結果を一軍のステージで出している。
今季、ファームでもうひと回り成長し、来シーズンあたりは一軍枠を争える立場にまで昇りつめたい。



一軍メンバーらがスタメン出場をする中、7番ショート・辻東倫、
9番セカンド・奥村展征のフレッシュ二遊間コンビもスターティングオーダーに名を連ね、
辻は2安打、奥村も1安打1四球と奮闘を見せた。
「このメンバーの中でしっかりスタメンに入ってくるということは、
どうあってもこの二人は使いたいという岡崎監督の思いが伝わってくる」 と、
元・二軍監督ならではの吉村氏の分析。

以前から奥村のバッティングに高い評価を与えている吉村氏は、
この日も奥村の放ったヒットを賞賛。独特なタイミングの取り方でいい間を持っていると褒める。
「ボールを捕らえにいくとき、足を長く上げる分、下半身は少し動くが、上半身があまり動かない」 と、
上半身の軸がブレないことを特徴に上げる。

今季、ファームの試合を見ていて、奥村のバッティングを眺めていると、
春のキャンプで言っていた原監督の言葉が思い出す。
「高校を出たばかりでこんだけ強いスイングが出来るというのは本当に大したもの」。
若手選手のバッティング練習を視察中、奥村のスイングを見た原監督の感想だが、つくづくそう感じる。
結果の良し悪しに係わらず、強いスイングは常に目を引く。


辻は、今季、確実に成長を見せている。
ルーキーイヤーの昨シーズンから守備は堅実だったが、さらにスピード感が出て磨きがかかった。
この内野守備のスピード感というのは一軍の試合と比較して見るとけっこう差があることが判る。
ボールに追いつくまでの速さ、捕球から送球までの動き、併殺のときの一連の動作のスピードなど、
辻のレベルは一軍でも決して見劣りしないスピードを感じる。今季ここまで見ていて、
守備のときの動作の流れが、昨年よりさらに軽やかに映る。

雨でノーゲームになった11日のイースタンの試合。
前日の試合をVTRで振り返りながら、速いストレートに振り負けせずしっかりボールを捕らえていると、
辻の右中間へのヒットをそう解説した二岡智宏氏。
中止になったこの日は、実況アナウンサーによる恒例の選手インタビューでも辻のVTRが流れ、
その中で辻は、昨年よりもスイングスピードが上がっている実感があると自信を覗かせ、
その成果として昨シーズンまったく打てなかった引っ張った打球が今季は打てるようになったと胸を張った。

現在はインパクトの位置に意識を置き、練習に取り組んでいると話す2年目・19歳の辻東倫。
目に見えて成長している姿がまぶしい。




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