【時事(爺)放論】岳道茶房

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躁うつ病

2010年10月26日 | 健康
【1分で判明!病気チェック】躁うつ病 数年間で交互に発症…難しい診断

 専門的には「双極性(感情)障害」と呼ばれ、数年の長い期間に“うつ”の時期と気分がハイになる“躁(そう)”の時期を繰り返す。発症数は多くないが、増大するうつ病の中に、躁うつ病が隠れているケースもある。治療内容が異なるので要注意だ。

 【長いスパンで診断】

 環境やストレスなど外部からの影響は発症に直接は関係なく、もともと素因があって本人の内部に起因する“内因性精神病”のひとつだ。発症率は人口の0・2-0・3%ほどといわれている。

 日本精神神経学会理事で池上クリニック(川崎市)の池上秀明院長は「発症してもうつと躁の間の期間は平常に戻るので、正常な精神状態にみえる。数年の間に数週間ないしは数カ月単位でうつに入ったり、躁に入るので、専門医でもそれまでの経過を把握していないと診断が難しい」と説明する。

 うつの期間の抑うつ症状は心因性うつ病より強く、躁の期間より長いとされる。

 【「ハイ」で問題児に】

 一方、周囲の人が変調に気づきやすいのは躁の期間だ。いわゆる「ハイ」の状態で気が大きくなり、できそうもない壮大な事をいい出し、自分の能力を過大評価する。周囲の人が無能に思え、態度も偉そうになるので、会社では上司や部下との衝突が絶えない。

 池上院長は「浪費傾向が出るのも特徴で、収入の多くない普通の人ではトラブルが頻発する」と話し、「躁の期間に不動産などの大きな買い物をしてしまい、一転、うつの期間に入ってからひどく後悔して自殺にまで至ってしまうケースがある」と警告する。

 ただ、「バブル時代に躁状態が重なり、マンションを買い漁って大儲けした人もいる」と、経営者などのセレブでは“大物ぶり”で見過ごされている可能性があるという。

 【症状が治まっても維持療法が必要】

 躁状態があまりにも強すぎる場合には入院も必要だが、治療の基本は気分安定薬である炭酸リチウムの服用がベースになる。そして、うつ状態では三環系抗うつ薬を中心に併用し、躁状態では抗精神病薬を併用することが多い。

 薬の服用を続けていれば、うつ状態や躁状態の出現は数カ月で治まってくる。が、非常に再発しやすいのも特徴だ。

 「再発予防の維持療法として、炭酸リチウムの服用はかなり長く続ける必要がある。同時に血中濃度や腎機能をチェックする定期検査も必要です」と池上院長。

 抗うつ薬の服用で絶好調と思っても、「ハイ」が進めば社会的信用を落としかねない。抑うつ気分は専門医を受診しよう。

★「躁うつ病」チェックリスト

《うつ状態》
□いつまでも憂うつな気分が続き、気分が晴れない
□何をやっても楽しくない
□まったく生活意欲がなくなる
□自分は価値のない存在だと思う

《躁状態》
□気分が高揚して爽快になる
□眠らずに物事に熱中する
□多弁で早口になる
□次々アイデアが浮かぶが、一貫性がなく、話が飛ぶ
□「自分は大物だ」という誇大妄想をもつ
□浪費によるトラブルが頻発する
 ※数年の間にうつ状態の項目が多く該当して、ときどき躁状態の項目が現れるようなら疑いがある。
 池上クリニック(川崎市)/池上秀明院長作成

2010.10.25 ZAKZAK


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