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民主党新執行部 「小沢支配」脱し開かれた党に

2010年06月08日 | 社説
民主党新執行部 「小沢支配」脱し開かれた党に

 鳩山首相―小沢幹事長の「小鳩」体制で失った民主党の信頼を回復するには、「小沢支配」と言われる党の体質を根本から改める必要がある。

 菅・新首相は、党執行部人事を決定した。

 幹事長には、新党さきがけ時代から行動を共にしてきた枝野幸男行政刷新相を起用した。

 選挙対策委員長には、枝野氏同様、小沢氏に批判的だった安住淳衆院安全保障委員長を充てた。

 小沢氏が掌握してきた選挙と国会対策を、枝野、安住両氏を通じて自ら指揮するためだろう。

 小沢氏の「政治とカネ」の問題に多くの民主党議員が沈黙し続けた背景には、公認候補の選定や選挙資金の分配などの権限が小沢氏に集中していたことがある。

 枝野幹事長は「党運営の徹底した透明化を進める」と表明した。小沢氏の影響力を排除しつつ、参院選に向けて党を立て直すことが求められる。

 菅新首相は、小沢氏主導で廃止された政策調査会の会長ポストを復活させ、小沢氏に距離を置いてきた玄葉光一郎衆院財務金融委員長を起用した。

 玄葉氏は公務員改革相も兼務するという。この異例の人事は、玄葉氏を内閣と党の橋渡し役とし、鳩山政権で目立った内閣と与党のギクシャクした関係を再構築する狙いがある。

 小沢氏は、政調を廃止する一方で、地方や業界からの政策陳情の窓口を幹事長室に一本化した。

 今年度予算編成では、ガソリン税などの暫定税率廃止の撤回が、小沢氏の鶴の一声で決まった。高速道路料金の割引制度見直しでは、政府が決めた方針を党が覆す事態も起きた。

 異常な「党高政低」を是正することが重要だ。

 国会対策委員長には、民主党代表選を争った樽床伸二衆院環境委員長を充てた。代表選で一定の票を獲得した樽床氏を遇した格好だが、実際の狙いは、小沢氏直系の山岡賢次氏を国対委員長から外すことにあるとみられている。

 国会運営でも、小沢氏の強引な手法に対する批判は強かった。

 民主党は、「政治とカネ」の問題について、小沢氏ら関係者の国会招致を野党から重ねて要求されながら、無視してきた。

 野党が求める米軍普天間飛行場移設問題などの集中審議にも、応じてこなかった。

 「数の力」に頼り、審議を軽視するような国会運営のあり方も見直す必要がある。

2010年6月8日 読売新聞 社説


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