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【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

尖閣沖事件 中国国内は静かな反応

2010年09月25日 | 情報一般
財部誠一の「ビジネス立体思考」
尖閣沖事件、中国国内は静かな反応

 尖閣諸島沖の東シナ海で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突、船長が逮捕された事件は、中国国内でどのように受け止められているのだろうか。

 丹羽宇一郎中国大使を夜中に呼びつけ、閣僚の訪日予定を一方的にキャンセルし、旅行客1万人の日本ツアーまで中止。9月21日には国連総会出席のためにニューヨークを訪れた温家宝首相が、中国人船長の「即時、無条件釈放」を日本政府に迫った。報道される中国政府の対応だけを見ていると、中国国内の反日感情はいまや燎原(りょうげん)の火となり、中国全土を覆いつくしているかのように思いがちだが、事実はまったく違う。

■上海の日本食レストランは若い中国人で店はいっぱい

 「上海の日本領事館にペンキや石が投げつけられた2005年の反日デモの当時と比べものになりません。一般庶民レベルでは反日運動など何も起こっていない。静かなものです」

 中国滞在30年の日本人ビジネスマンによれば、少なくとも上海では反日感情の高まりなどまったく見られないという。

 「中国人船長の拘留延長が決まった晩に、食べ放題飲み放題の日本食レストランに行きました。さすがに今日は中国人客がいないだろうとの予想に反し、若い中国人で店はいっぱいでしたよ。北京の日本大使館前に集まったデモ隊も参加者は100人程度だったうえに、公安によって完全にコントロールされていたし、05年に起こった反日デモの当時と比べたら無風といってもいい」

■デモはしっかり押さえ込んだ北京政府

 05年、中国各地で起こった反日デモのすさまじさは私自身も現地取材を通じて良く知っている。デモ隊の投石やペンキの投げつけで破壊された上海総領事館や、店内を完全に破壊された日本食レストランなど、暴徒化した中国人の悪辣(あくらつ)ぶりには度し難い怒りを覚えたものだ。また、日本製品不買運動を呼びかける携帯メールが大量に送りつけられ、巻き添えを恐れたタクシー運転手が日本人の乗車を拒否するなど、上海在住の日本人が身の危険を感じるような場面が少なからずあった。

 だが21日現在、当時と比べたら、上海は無風だ。05年と今と、いったい何が違うのか。

 最も大きな違いは北京政府の対応だ。表向き、中国共産党の幹部は船長の逮捕、拘留延長など、日本の対応を厳しく非難しているものの、反日デモについてはしっかりと押さえ込んでいる。そもそも05年に起こった反日感情むき出しのデモは間違いなく組織化されていた。中国共産党青年団が組織した「官製デモ」という理解が一般的だ。繰り返すが、共産国家である中国では、自然発生的にデモが起こり、破壊活動をしながら街を練り歩くなどという行為は起こりえない。反日デモも政府の意思がなければ成立しない。それが共産国家、中国である。

 05年とは対照的に、中国政府は反日デモをしっかりと押さえ込んでいるし、日本製品不買運動の呼びかけメールなども、現時点では一切ないという。05年には日本食レストランを破壊した中国人の若者が、今回は日本食レストランの食べ飲み放題に興じているという現実を知るべきだろう。

■日中の経済的な相互依存関係は抜き差しならない

 もちろん、だから今回の事件は簡単な話だと片付けるわけにもいかない。中国漁船による海上保安庁の巡視船に対する体当たりに対して公務執行妨害を問うだけの話で終わるのか、それとも日中の領土問題にまで広げてしまうのかで、この事件が日中関係の今後に与える重大性はまったく異なるものになってしまう。

 それは中国も承知しているはずだ。日本国内の報道を見ていると、ややもすると日中関係の悪化で日本ばかりが経済的損失を被るかのような発言も見受けられるが、そんなことはない。いまや日中の経済的な相互依存関係は抜き差しならないところまできている。政治問題の取り扱いしだいで双方が経済的ダメージを被ることくらい中国政府は百も承知だ。ただ国内世論への配慮もあり、振り上げた拳を簡単には下ろせない状況にある。

 落としどころをどう作るか。

 まさに菅政権の外交手腕が問われている。

2010年9月22日 日経BP

「尖閣は日本領」認めていた

2010年09月24日 | 情報一般
中国のウソ決定的証拠!「尖閣は日本領」認めていた

 沖縄・尖閣諸島付近で発生した中国漁船衝突事件をめぐり、中国側による執拗かつ理不尽な挑発が続くが、中国政府がかつて、尖閣諸島を「日本領」と認めていた歴史的文書が注目されている。国際報道で活躍、ここ20年近く「国境の島々」も取材対象としているフォトジャーナリスト、山本皓一氏(67)が、恫喝と策謀で自国領土を拡張してきた中国の、「黒を白」と言い張る背景にも迫った。

 「中国は、フィリピンから米クラーク空軍基地などが撤退した直後から、海底資源の宝庫、南シナ海の南沙諸島を次々と実効支配している。漁民に化けた軍人を送り込んで既成事実を積み重ねてから、最後は軍事的に制圧した。今回も似ている。公務執行妨害で逮捕された中国人船長の正体も怪しい」

 こう語る山本氏が、沖縄県石垣市役所で探し出した歴史的文書は、中国政府(中華民国)が1920年(大正9年)、魚釣島や石垣島の島民らに送った「感謝状」だ。

 前年冬、中国福建省から船出した中国漁船「金合丸」が暴風雨に遭遇、魚釣島に漂着座礁した。船長以下31人は魚釣島の島民に救助され、手厚い保護を受け、一度、石垣島に送られた後、約半月後に台湾経由で福建省に帰ることができた。

 尖閣諸島は1895年、日本政府がどの国にも属していないことを確認して領有を宣言した。漂着事故発生当時、魚釣島では海産物の缶詰・加工やアホウドリなど海鳥の羽毛採取などで栄えていた。最盛期、同島には99戸、248人もの日本人が暮らしていた。

 事故翌年の20年5月、中華民国駐長崎領事・馮冕から、海難救出に尽力した魚釣島や石垣島の島民ら7人に感謝状が届いた。山本氏が見つけたのはその一枚。そこには、「深く感服する」といった感謝の言葉とともに、海難発生場所としてこう記されている

 《日本帝国沖縄縣八重山郡尖閣列島》

 まさに、中国政府が尖閣諸島を日本領土と認識していた決定的証拠といえる。山本氏はこのほか、当時、漂着事故に対応するため、沖縄県と内務省、外務省、在支那日本公使館、在長崎中華民国総領事館などが交わした29通の公電記録も発見。漂着事故の全貌を明らかにした。

 中国が尖閣諸島の領有を主張し始めたのは、それから約50年後の1971年。「天然ガスなど海底資源の存在に気付いたため」(外務省筋)といわれている。

 山本氏は、尖閣をはじめ国境の島々の取材を続けてきた経験から、「中国は、この感謝状にも難癖をつけてくるはず。彼らは尖閣諸島を自国の領土にする企みのため、あらゆる手段を講じてくるだろう」といい、こんなエピソードを披露した。

 「中国は尖閣周辺海域に『尖閣は中国の領土』と文字を掘り込んだ石を何個も投げ入れている。数十年後、100年後に発見された際、『これこそ、尖閣が中国領土という歴史的証拠だ』と主張するためだろう。中国は常に政府と軍、民間が一体となって攻勢を仕掛ける。日本が弱体化しているため『チャンスだ』と見たのだろう」。

 確かに最近、日本の領土絡みで看過できない出来事が続いている。

 ロシア連邦議会は今年7月、9月2日を「対日戦勝記念日」とする法案を可決した。ソ連(ロシアの前身)は、日本が第二次世界大戦で降伏した1945年8月15日の3日後から、千島列島侵攻を開始し、南樺太や北方四島を占拠した。

 日本降伏後の軍事行動は国際法上認められないが、ロシアは9月2日を対日戦勝記念日とすることで、北方領土占拠を正当化しようとしているとみられる。

 また、韓国も現在、日本固有の領土である竹島を不法占拠。大規模改修しているヘリポートが完成すれば、海洋警察1個部隊(約40人)の緊急派遣が可能になるという。

 山本氏は「中国やロシア、韓国が同時期に攻勢を仕掛けるのは、日本の民主党政権が軽く見られている証拠。鳩山由紀夫前首相は『日本列島は日本人だけの所有物じゃない』と信じられない発言をした。外国人参政権もゴリ押ししている。各国とも『日本は何をやっても大丈夫だ』と思っているのだろう」と話す。

 さらに、戦後60年間、政治家もマスコミも国民も、領土や国境、国防に無関心過ぎたツケが回ってきたとして、こう指摘する。

 「外交では『相手が引けば押す』のが常套手段。断固とした抗議・主張をしなければ、既成事実を作られ、どんどん入り込まれる。菅首相らが『お互い冷静に』などと言っている場合ではない。戦略を持って世界に決然とアピールすべきだ」

 菅政権はどう対応していくのか。まったなしの決断が迫られている。

 ■やまもと・こういち 1943年、香川県生まれ。フォトジャーナリスト。日本大学芸術学部写真学科卒。出版社勤務を経てフリーに。東西ドイツ統一、ソ連崩壊、湾岸戦争など、国際事件を取材する一方、アマゾンやシベリアなどの極地取材も行う。「田中角栄全記録」(集英社)、「日本人が行けない『日本領土』」(小学館)、「国境の島が危ない!」(飛鳥新社)など著書多数。2004年講談社出版文化賞写真賞受賞。日本の国境の島すべてに上陸した唯一の写真家。

2010.09.24 ZAKZAK

1995(平成7)年9月22日

2010年09月22日 | 情報一般
【写真で見るきょうは何の日】自民党総裁に橋本龍太郎通産相

 1995(平成7)年9月22日、自民党総裁に選出された橋本龍太郎通産相が対立候補の小泉純一郎元郵政相と握手。304票対87票の大差がついた。

 自社さ連立の村山政権下で河野洋平総裁の後任に。派閥のリーダーでない2人の戦いは世代交代を促し、橋本氏は翌年1月に村山内閣退陣を受け首相に就任した。

 発足した橋本内閣は官房長官に重鎮の「軍人」梶山静六(第二次内閣では村岡兼造)という布陣。行財政改革に積極的に取り組んだが、98年の参院選で大敗し、総辞職した。

 2001年、ポスト森を争う総裁選では再び小泉氏と対決した。当初は橋本氏の再登板が有力視されるも、全国に巻き起こった「小泉フィーバー」に押されて敗北。橋本氏は06年7月、敗血症性ショックによる多臓器不全のため68歳で死去した。

2010.09.22 ZAKZAK

「中国バブル」はこれからが本番だ

2010年09月21日 | 情報一般
「中国バブル」はこれからが本番だ

■人民元切り上げと米国のプレッシャー

 かねてより中国バブルのピークは北京オリンピックから上海万博にかけて、というシナリオを描くのが大勢を占めていたこともあり、今後の中国景気に対して疑心暗鬼という雰囲気が漂っている。中国バブルはピークを迎えたのか? 結論を先に申しあげれば、中国バブルがピークを迎えるのはこれからであると考える。その根拠として、為替レートと国際情勢、そして歴史的経緯と相場の特性という点を踏まえ、考察をしてみたい。

 2010年6月19日、中国人民銀行は第二回目となる人民元相場の弾力性を高める方針を表明した。具体的な方法としては、それ以前の2005年7月に行なわれた第一回目の切り上げの際に採用した通貨バスケット方式となる。これは中国の貿易相手国の複数通貨を加重平均して基準値を算出、一日の変動幅は基準値の上下0.5%を限度として、それ以上の動きがある場合は通貨当局が市場介入を行ない、限度内に留めるというオペレーションである。当然のことながら、市場で圧力がかかるのはドル(他通貨)売り・人民元買いなので、通貨当局はドル(他通貨)買い・人民元売り介入をひたすら行なうしかない。たとえ0.5%と小幅といえども、前回、三年間継続された結果、元は20%切り上がった。

 その後、人民銀行は2008年7月から1ドル=6.83元水準で一時的にドルペッグ制(自国の貨幣相場を米ドルと連動させる固定相場制)に戻していた。サブプライム危機以降、悪化する世界経済に鑑み、とくに加速するドル安に歯止めをかけるべく、協力していたというのが中国側の言い分である。にもかかわらず、気を遣った相手の米国は産業界を筆頭に、そして各国からも人民元切り上げ要求は強さを増していった。

 今回の弾力化について、中国当局はあくまでも裁量は自分たちにあり、自国で判断した結果という立場を崩してはいない。しかしながら実際のところは、6月下旬に控えたG20の直前の6月16日に、オバマ大統領が人民元切り上げを要求した書簡を参加各国の首脳に送付し、その事実を18日にホワイトハウスが公表した経緯がある。人民元レートの調整をG20という国際協調の場でメイン・トピックにすれば、米国から中国への一方的なトーンを牽制しつつ、為替操作国指定の可能性をちらつかせながら、中国にプレッシャーを与えることができる。

 それ以前になるが、米国は昨年の秋口以降、あの手この手を使い中国の弾力化への基礎を築いてきた。強行策に打って出たいのはやまやまだが、戦略国家の中国が、自国経済にとってマイナスとなる急激な元高を米国の思惑どおり受け入れるわけがない。突如として米国は中国製品に関税をかけ、台湾への武器輸出を行ない、ダライ・ラマ14世との会談まで間髪入れず仕込む入念さであった。そこには中国国内の反米感情を焚き付け、貿易戦争や米ドル・米国債の不買運動といった中国世論の形成を試みる、米国の姿が浮かびあがる。中国世論が嫌米化すれば、中国当局が人民元の切り上げにも動きやすいという点で、米国には非常に有効である。国内世論を誘導し、外圧には屈しない中国を囲い込むことで即座に動かせた、ということになる。

 段階的な切り上げのために、そしてドルペッグ制を維持するために実施された元売り・外貨買いの介入で、中国の外貨準備高は2010年6月末時点で2兆4500億ドルにまで増加している。ちなみに、わが国の外貨準備高が1兆ドルを超えたのが2006年末であり、あっという間に世界最大の外貨準備保有国となった経緯がグラフからも認識されよう。

 中国当局の買い込んだ外貨に相対する元は、市場に大量に放出されたわけである。第一回目の元切り上げの時期と重なる2005年から2008年までの上海の変貌ぶりをご存じの方も多いであろう。それは余剰資金が市中に流れ、確実に人びとがそれを手にしている背景があればこそ、ということになる。さしずめ日本が米国の借金棒引き政策をのまされた1980年代のプラザ合意で過度の円高が進んだのち、日銀による為替介入が実施された結果、市中に円が放出されバブル景気を生み出した様相とまったく同じだ。つまりペッグ制にしろ、切り上げにしろ、元買い圧力に対して段階的な水準訂正しか中国政府が認めず、通貨当局が大量の元売り介入を継続するかぎり、これからも内需を拡大するバブルの原資は大量に市中に出回り続けることになる。2005年以降、大量の為替介入が行なわれた期間の中国経済の隆盛を考えれば今後、数年にわたって元の為替レートの水準訂正が終了するまでのあいだが、中国バブルがピークを迎える時期となる可能性はきわめて高い。

■欧州は“ユーロ安を演出”したのか?

 為替レートと国際情勢という点について、米国の中間選挙と為替政策とのあいだには強い相関関係がある。現職大統領の支持率が景気後退と重なって低下してくると、支持率回復を狙って米国内企業に配慮したドル安政策が11月の中間選挙に向けて採用される、というのが変動相場制以降のパターンである。サブプライム危機の影響を引きずるオバマ大統領は本年年初の一般教書演説にて、向こう5年間での輸出倍増計画を打ち出しているわけであるから、米国の輸出増のためのドル安を推進、いつものように中間選挙に向け、ドル安のシナリオは容易に描けよう。あえて極論と承知のうえで単純計算すれば、輸出を倍にするならドルの価値を半減すればいい、ということにもなる。

 話はやや飛躍するが、じつはEUも年初から始まったユーロ安に目をつぶった、あるいはユーロ安をむしろ好感していたと考える。景気後退期の中間選挙年にドル安を目論む米国の通貨戦略が常套手段であるなら、事前にある程度のユーロ安でバッファーをつくっておかなければ、ユーロはとんでもない水準まで上がっていってしまう。ギリシャ危機が発生する以前が1ユーロ=1.6ドル、そこからドルの価値が半減すれば1ユーロ=3.2ドルとなり、これでは欧州の輸出製品の国際競争力が低下してしまう。サブプライム危機以降、むしろ米国以上に痛手を被っている欧州としても、やはり輸出で域内景気を底上げするしかない。ましてや米国が輸出ドライブをかけると宣言したのだから、それより前に手を打たなければならない。

2010年9月21日 VOICE
岩本沙弓 経済評論家/金融コンサルタント

「中国船長の逮捕・勾留は当然」 識者

2010年09月21日 | 情報一般
「中国船長の逮捕・勾留は当然」 尖閣沖衝突で識者

 沖縄・尖閣諸島周辺の日本の領海内で、海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、中国側が一層反発を強めたのは、公務執行妨害容疑で逮捕された漁船船長の勾留(こうりゅう)が10日間延長されたからだ。ただ、捜査すべき点が残っていれば、勾留延長の請求をするのは日本側からすれば当然の措置。検察当局は「法と証拠に基づいて厳正に処分する」(検察幹部)として、船長を起訴する方向で検討しているとされる。

 海保関係者によると、日本の領海内で起きた外国漁船の違法操業の場合、巡視船による警告で領海外へ追い払うのが一般的。外国人漁業規制法違反容疑などで立件したとしても、略式起訴・罰金刑で終わるのが大半で、勾留されるケース自体が極めて異例だ。

 なぜ今回、漁船船長は逮捕、勾留された上、10日間の勾留延長となったのか。

 海保の巡視船「よなくに」は7日、中国漁船に対し、領海から立ち去るよう警告したが、漁船はよなくにに接触して逃走。海保は漁業法に基づく立ち入り検査を行おうと無線などで再三にわたり停船を呼びかけたが、漁船は逃走を続け、さらに別の巡視船「みずき」に船体を衝突させた。これが意図的な海上保安官の立ち入り検査妨害だとして公務執行妨害容疑で漁船船長は逮捕された。

 証拠となったのは接触の様子を撮影した映像だ。左前方を走るみずきに対し、漁船が徐々に左へ寄せていき、衝突する様子が映っているという。海保関係者は「少なくとも避けようとした様子はない」と説明し、漁船の行為が悪質だったことを強調。中国への反論や国際社会にアピールするために映像を公開すべきだとの声もあがっている。

 元最高検検事の土本武司筑波大名誉教授(刑法)は「漁船を衝突させる行為は最悪の場合、巡視船が航行不能に陥る危険性もあり、公務執行妨害の程度が大きい。悪質性の観点からも逮捕・勾留は適切で当然の判断。日本は法に基づき毅然(きぜん)とした措置を取るという姿勢を示した」と指摘する。

 勾留延長については「延長したということは捜査すべき点が残っているということであり、検察当局は略式処分ではなく、公判請求(起訴)を視野に入れている可能性がある」とみる。

 一般的に、容疑者が取り調べに非協力的であったり、完全に黙秘するなどした場合、捜査すべき点が残るケースは多い。

2010.9.21 産経新聞

1978(昭和53)年9月15日

2010年09月15日 | 情報一般
【写真で見るきょうは何の日】人が空を“飛んだ"

 これは合成写真ではない。本当に人が空を“飛んだ”決定的瞬間だ。

 1978(昭和53)年9月15日、台風18号が直撃した福岡市に強風が吹き荒れ、最大瞬間風速46メートルを記録。日中親善陸上競技大会が開かれた北九州市・三萩野陸上競技場では、走り高跳び用のマットが強風にあおられ、押さえていた高校生が空中に舞い上げられた。

 ただ、台風18号そのものの被害は小さく、この年は日本列島が巨大台風に直撃されることもなかった。

 ところが翌79年。10月に870ヘクトパスカルという海上での中心気圧が観測史上、世界で最も低い台風が列島を襲った。同19日に和歌山県白浜町付近へ上陸した際には中心気圧965ヘクトパスカルまで勢力を落としていたものの、大型のため全国を暴風域に巻き込み、北海道で漁船の遭難が相次ぐなど110人が死亡した。

2010.09.15 ZAKZAK

1992(平成4)年9月14日

2010年09月14日 | 情報一般
【写真で見るきょうは何の日】JR成田線踏切事故で66人死傷

 1992(平成4)年9月14日、その後の安全対策が見直されるきっかけとなった鉄道事故が起きた。

 JR成田線の久住-滑河で、遮断機が下りた踏切に突っ込んできた大型ダンプカーの側面に、千葉発佐原行きの普通列車が衝突。先頭車の前面が大きくつぶれ、運転士が死亡、乗車65人がけがを負った。

 当時、大型車の過積載による重大事故が多発していたため、93年に道路交通法が改正され、過積載に対する取り締まり、罰則が強化された。また、運転士の安全を確保するため、車両の前面をさらに分厚い鉄板などでガードする補強工事も実施。事故後に製造された車両では事故時に運転士を救出できるよう、スペースの拡大など運転室の構造が見直された。

 現在、事故現場は道路が線路上をまたぐ陸橋になり、踏切はなくなっている。

2010.09.14 ZAKZAK

経済政策の観点から民主党代表選を考える

2010年09月13日 | 情報一般
菅氏と小沢氏、どちらが首相にふさわしいか?
経済政策の観点から民主党代表選を考える

 民主党代表選もいよいよ終盤となりましたが、やはりどうしても気になるのは経済政策を巡る論争の稚拙さです。

■望ましい経済政策の姿

 論争のひどさを明らかにするためにも、最初に、どちらが総理になるにしても本来どのような経済政策が必要かを考えてみましょう。

 短期的には円高への対応とデフレの克服が最優先課題になるはずです。

 そのためには、需給ギャップが20数兆円もあることを勘案すると、10兆円くらいの財政拡大が行なわれて然るべきです。また、インフレ・ターゲットを導入するとともに、日銀法を改正して日銀に目標達成の責任を負わせるべきです。デフレで実質金利が高止まりしていることを考えると、これは円高対策ともなります。それなしに為替介入を行っても、ほとんど効果はないでしょう。

 中期的には、経済の活性化、財政再建、地方分権という3つの課題を同時解決することが必要になります。

 経済の活性化については、法人税の大幅な引き下げが必要になります。5%という官僚的な小出しの数字ではなく、10%は引き下げるべきです。また、思い切った規制改革も不可欠です。

 財政再建については、成長による増収、増税による国民負担増、政府のムダ削減が均等に貢献する形を追求しなくてはなりません。また、地方分権については、財源と権限を霞ヶ関から徹底的に引っぱがせるか、地方の首長に責任を持たせられるか(自治体の破綻法制)が重要になります。

 最後に、長期的には、社会保障の問題を解決しなければなりません。何でも手厚く国が面倒をみることは不可能なので、何をどこまで面倒みるかという社会保障の体系の再整理が不可欠です。

■短期の視点の欠如

 このように考えると、両候補の主張や意見には不十分な点が多いことが分かります。もっとも腹立たしいのは、両候補とも最大の課題であるデフレの克服にほとんど言及していないことです。そのために必要な手段である財政拡大にも及び腰です。菅総理はたった9千億円。小沢氏の方が財政拡大には前向きですが、それでも明言している規模は2兆円に過ぎません。

 こうした控えめな主張の背後には、900兆円を超える政府の累積債務の規模を考えると国債発行は極力控えるべきという思い込みがあるのでしょうが、それはちょっと違うのではないでしょうか。

 2020年にプライマリーバランスの赤字を解消するまでに300兆円は新規国債を発行することになるのですから、極端な言い方をすれば、10兆円分の国債を今発行することはそこまで深刻な問題ではありません。むしろ、デフレ脱却を実現できれば、税収増により今後10年でのトータル国債発行額も少なくなるかもしれません。ついでに言えば、探せばまだ10兆円くらいの“埋蔵金”はあるはずであり、国債以外の原資もあり得るのです。

 財政再建至上主義の論調が広がり過ぎた弊害とは思いますが、短期の経済運営での攻めの姿勢が両候補とも弱いと言わざるを得ないと思います。

■両者の認識の誤り

 次に悩ましいのは、両者とも基本的な認識のレベルで間違っているということです。

 菅総理について言えば、雇用を強調していますが、そもそも雇用は経済成長の結果として生み出される“派生需要”であるという基本的なことを理解していないのではないでしょうか。

 また、菅総理は財政再建も強調していますが、政策の順番としてはまずデフレを解消し、その次に財政再建に取り組まないとうまくいかないことも理解していないように見えます。

 財政再建は経済成長の観点からはブレーキとなります。かつ、デフレの継続と今の政府の対応(雇用規制の強化、厳しい環境基準、高い法人税の放置、円高の放置)は、企業に対して「海外に出て行け」と言っているに等しいのです。つまり、雇用と叫ぶ一方で、その大元となる経済成長に対してはネガティブなことばかりしているのです。それなのに雇用を叫び続けるのは、自己矛盾も甚だしいと言わざるを得ません。雇用創出策と失業対策は違うのです。

 小沢氏について言えば、財政拡大を含む経済の活性化に前向きなのはいいのですが、法人税を減税したら従業員への配分を増やせという発言を聞くと、経済成長や企業行動という基本的な部分を理解していないのでしょう。

 また、小沢氏の地方を重視する姿勢は評価できますが、単に地方向けの補助金を一括交付金化するだけでは、霞ヶ関と永田町に権限が残るので真の地方分権にはつながりません。ついでに言えば、マニフェストの完全実施やその財源として政府のムダを強調していますが、残念ながら観念論のレベルを脱していないように感じます。

どちらが総理にふさわしいか?
 このように、経済政策の観点からは両氏ともなかなか及第点をつけられるレベルにないというすごい状況になっています。それでもどちらかを選ばないといけないのですから、民主党員やサポーターの方々は大変ですが、具体的にはどのような基準で選べばいいでしょうか。

 私は、経済政策はいずれにしても間違っており、マニフェストの微修正という小手先のレベルを超えた修正がいずれ必要になることから、政策の中身よりも、どちらが政策立案のプロセスを変えてくれるかで考えた方がいいのでは、と思い始めています。

 そして、それを見抜くための試金石は“総理になって絶対に実現したい理想と政策は何か”を見極めることではないでしょうか。

 これまで民主党は気安く“脱官僚”、“政治主導”と言ってきましたが、政策全部が政治主導で決められることはあり得ません。むしろ、多くの政策は官僚にある程度任せて、政治家が絶対に実現したい部分だけは政治主導で決める、というのが現実的と思います。逆に言えば、そういう部分について官僚が作るB級の政策で満足できるはずはないので、その実現のためには政治主導をやらざるを得ないのです。

 それはちょうど、小泉政権時代に、多くの政策で官僚に任せた部分が多かったけど、不良債権処理や郵政民営化などの少数の政策課題は完全に政治主導で実行され、それが結果的に政策プロセスの変更の成功例となったのと同じです。

 したがって、政策の中身にあまり多くを期待できない中では、政策プロセスの変更につながり得る“思い”はどちらが強いかに注目するのも大事ではないでしょうか。

2010年9月10日 ダイヤモンドオンライン
岸 博幸 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授

レアアース問題に見る政府のお粗末な交渉力

2010年09月10日 | 情報一般
大前研一の「産業突然死」時代の人生論
レアアース問題に見る政府のお粗末な交渉力

 日中両政府の経済閣僚による「日中ハイレベル経済対話」が8月28日に北京で開かれた。そこで話し合われたテーマの一つが中国産レアアースの輸出制限をめぐるものだった。

 レアアースは、「希土類」とも呼ばれ、スカンジウムやイットリウムといった17種の元素のことだ。二次電池や磁石、コンデンサ、蛍光体などに使われ、最近ではハイブリッド車の電池や省エネ家電の部品生産にも使用されている貴重な材料である。

 “希”土類と書くだけあって流通量の少ない元素であり、しかも中国が生産量の97%を占めている。その中国が環境保全を理由に挙げてレアアースの輸出を大幅に絞り込んでいる。採掘の際に環境に大きな被害を与えることが懸念されるため、と中国は主張している。

■体よくあしらわれる日本政府は非常に情けない

 中国からのレアアースが不足すると、日本の産業が大きなダメージを受ける。特に、ハイブリッド車の分野では世界を牽引してきたのだから、レアアースの調達は深刻な問題になる。そこで日本政府はレアアースの輸出制限を緩和するように中国に求めた。当然の要求と言えよう。

 日本政府の言い分は「中国のレアアースの輸出が制限されると、日本だけでなく世界全体が影響を受ける」というもので、これも当然の指摘なのだが、しかしその交渉はとてもお粗末なものだった。

 日本政府は、直嶋正行経済産業大臣や岡田克也外務大臣が直接規制緩和を申し入れた。だが、中国の返事はゼロ回答だった。あっさり断られたのである。交渉のやり方は戦略も戦術もあったものではない。体よくあしらわれているザマは、非常に情けない。

 政府はよその国や地域の交渉術を見習ってほしい。レアアースが不足すると産業に影響が出るのは日本ばかりではない。中国の輸出規制は、日本同様に他の国や地域にとっても回避したい問題のはずだ。

■商談と絡めてレアアースを回してもらう台湾の戦略

 では、どのように対処しているのか。

 例えば、台湾は中国に合弁事業を持ちかけた。そして、「合弁事業を進めるにあたって、このようなモーターを製造したい。ついてはその原料となるレアアースをこちらに回してほしい」と交渉しているのである。台湾は「輸出してください」と依頼するだけでは中国が動かないことを知っているのだ。そこで、商談と絡めて必然的に合弁相手にレアアースが回ってくるような戦略を立てている。見習うべきではないか。

 実は私は台湾の人々と、この件について話し合う機会があった。彼らは「商談と絡めれば、何の問題もなく輸入できる」と断言していた。今回輸出制限をかけられたことに台湾の人々は、何ら痛みを感じていないのである。

 実は、レアアースが輸出規制されたとしても、日本の産業界がパニックになることはない。確かに生産量だけ見れば、ほとんどが中国産だ。しかし埋蔵量を見ると、カザフスタンなどのCIS(独立国家共同体)、米国、オーストラリア、インドなどにもレアアースはある。したがって、中国から輸入できなくなったとしても、他国のレアアースを採掘して使えば良いだけのことではないか。

■「秋葉原鉱山」を狙い、リサイクルのシステム構築をせよ

 もう一つの方法は、古くなった電機製品からのリサイクルである。いわゆる「都市鉱山」というやつである。携帯電話やテレビなどレアアースを使用している製品はたくさんある。それらから回収・再生すれば容易にレアアースが手に入る。

 狙いどころは世界有数の電気の街・秋葉原である。ここで取引される電機製品の量を考えれば、世界で最もレアアースが「埋蔵」されているのは日本の秋葉原にほかならない。しかも、この「秋葉原鉱山」のレアアースは製品の形で、ある程度まとまって存在しているのだから、土の中から掘り起こして精製することに比べればずっと効率がいい。

 特に、テレビの地上波デジタル化に完全移行する来年には、古いブラウン管テレビが大量に廃棄される。その画面にはイットリウムなどのレアアースが使用されているのだから、しっかりと回収・再生できればイットリウムに関しては心配する必要はなくなる。

 だから、日本政府が行うべきことは、中国との交渉よりも、リサイクルのシステム構築のほうではないか。家電リサイクル法やPCリサイクル法によってテレビやパソコンモニターの回収が義務づけられているが、リサイクルに回る比率はまだ決して高いとは言えない。海外に売られたり不法投棄されたりしているものもある。それらをしっかり回収できるよう、見直しをかける必要がある。

 要するに、レアアースの入手先は中国ばかりではないのだ。カザフスタンやウズベキスタンなど他の国から持ってくることもできるし、国内の古い電機製品にも相当量が「埋蔵」されている。中国と交渉すること自体は問題ないが、それ以外に他の国や国内にも目を向けて産業界に被害が及ばないような戦略を考えるべきある。

■完成品を中国から輸入する手や代替品の開発も考える

 さらに違う戦略を考えてみよう。

 原料としてレアアースを輸入するのではなく、レアアースを使用した完成品(あるいは部品やモジュール)を中国から輸入する手がある。日本企業が中国の企業にレアアースを使用した製品を作ってもらい、それを輸入すればいいのだ。

 製品の輸入となれば、機転の利かない日本政府の交渉もだいぶ楽になるはずだ。これは先ほど紹介した台湾流交渉術に近いもので、極めて無難で実行力のある方法と言える。

 また、今回の輸出制限を機にレアアースを使わない技術を開発する手もある。中にはどうしてもレアアースでなくては困るという製品もあるだろうが、他の材料に切り替えても問題ない製品もある。

 今まで日本企業はプラスチックや希土類ではない元素で代替することに成功してきた経緯がある。

 例えば、独立行政法人物質・材料研究機構は、ハイブリッド車の駆動モーターに使われるネオジム磁石の高保磁力化に必須の重希土類ジスプロシウム(Dy)を用いずに、原料粉の保磁力を高める方法を開発している。また、三菱電機は電磁石を応用し、レアアースを使わない高出力自動車用モーターを開発した、と発表している。

 つまり、日本の得意な極限の性能を突きつめる研究開発を展開すれば、今のように“安易に”希土類を使わなくても代替品で間に合う場合が多い、ということである。

■大臣が出て行って醜態をさらすのはやめてもらいたい

 このように「中国以外から輸入する」「日本国内の廃棄物から回収・再生する」「中国から完成品の形で輸入する」「レアアース以外の材料へ転換を図る」といった様々な選択肢がある。

 こうした“抑止力”を背景に中国側と交渉するのも一つのやり方である。

 多くの場合、政治家が出ていくより、したたかな民間企業が商談を絡めていくか、パートナーの中国企業に汗をかいてもらうほうが有効である。

 (陳情を受けた)大臣が行って、あっさり先方の大臣に断られる、という醜態だけは避けてもらいたい。

2010年9月7日 日経BP

気がつけば、タイが自動車王国に

2010年09月10日 | 情報一般
気がつけば、タイが自動車王国に

円高下で、日本の自動車メーカーがタイへの生産投資を急加速している。世界への輸出拠点としての期待から、国内とは対照的に大型投資が相次ぐ。税優遇、FTA(自由貿易協定)の優位性は、日本の無策の裏返しでもある

 「タイのバンコクでは日本食レストランがどこも驚くほど混雑している。自動車業界の関係者が多くて、安心して仕事の話ができないほどだ」。最近タイに出張した日本の自動車メーカーのある幹部はこう話す。

 日本の自動車産業が総出でタイに引っ越しする。そう思えるほどに、タイへの日本メーカーの投資は急増している。日産自動車が新型「マーチ」をタイから日本に逆輸入し始めたことは有名だが、それは氷山の一角にすぎない。

 8月26日、マツダは米フォード・モーターとの合弁会社、オートアライアンス・タイランド(AAT)に、3億5000万ドル(約300億円)を投資すると発表した。2011年半ばから次世代ピックアップトラックの生産を始める。

 マツダは昨年7月にもタイで最新鋭の乗用車工場を稼働させており、既にAATで「マツダ2(日本名デミオ)」と兄弟車の「フォード・フィエスタ」を生産している。道路事情が悪い新興国では、ピックアップトラックの需要も高いことから、新規投資を決めた。

 「タイは国内市場が好調なだけでなく、輸出拠点としても魅力的。工場の稼働から10年以上が経ち、技術レベルも高まっている。追加投資のチャンスをずっと探っていた」(マツダの古賀亮・執行役員)

 三菱自動車も2011年度に投入を予定する排気量1000~1200cc程度の世界戦略車をタイで生産する。約400億円を投じ、年間20万台の生産能力を倍増させる計画だ。日産と同様に、次世代の小型車を、日本などに輸出することも計画している。

■トヨタは「プリウス」を現地生産

 これまでタイで生産していなかった自動車メーカーも積極的だ。スズキは2012年春の稼働を目指して、タイに新工場を建設中。200億円を投じて、日本で9月に発売する新型「スイフト」などを年間10万台規模で生産する。

 最先端のエコカーを現地で生産する動きさえある。トヨタ自動車はハイブリッド車「プリウス」の生産を年内にもタイで開始する見込みだ。トヨタはタイで、新興国向けの戦略車である「IMV」を100万台以上生産して、輸出した実績がある。高度な生産ノウハウが必要なハイブリッド車も量産して、海外にも輸出する。

 完成車メーカーの現地生産が拡大すれば、自然な流れとして、部品メーカーも投資を積極化する。

 ブリヂストンは、タイやインドネシアにおける生産投資を急ぐ。2010年末までに、タイの生産能力を2割、インドネシアの生産能力を5割増やす計画だが、それだけにとどまらない。

 「タイでの自動車生産の拡大は予想以上だ。追加投資を検討中で、今年秋までに詳細を固めたい」と、ブリヂストンの荒川詔四社長は意欲的だ。

 さらに、ベアリング大手のミネベアなど、様々な部品メーカーの大型投資が目白押しになっている。

 猛烈な勢いで進むタイへの投資の背景には何があるのか。

 急激な円高への対応が一番の狙いであるのは言うまでもない。国内生産のコスト競争力は低下しており、自動車メーカーは日本に代わる輸出拠点の確保に動いている。日本メーカーは中国、インド、ブラジルなどへの投資にも熱心だが、それらはあくまで現地市場での販売拡大に主眼を置いている。

 一方、人口が6000万人強と市場規模が小さいタイへの投資は、世界各国への輸出が前提だ。従来、日本の完成車メーカーは、海外での需要の増減には、日本の工場からの輸出を中心に対応してきた。しかし日本の役割を代替する条件が、タイで整いつつある。

 とりわけ、タイ政府による優遇策が、投資の呼び水となっている。

 タイ政府は自動車を現地生産する際に、税の減免など様々な優遇措置を用意している。その代表格が「エコカー・プロジェクト」だ。ガソリン1リットルで20km以上走る排気量1300cc以下の小型車を生産する場合、実に8年間という長期にわたって、法人税と機械輸入税が免除される。

 「投資額は50億バーツ(約135億円)以上」「エンジンの主要部品はタイ製を使う」「5年以内に年間10万台以上を生産する」などハードルはあるが、リターンは大きいと考えて、多くの自動車メーカーは投資を決断した。

 既に触れた技術の蓄積も予想以上だ。日本メーカーは1980年代からタイに進出しており、今では熟練した生産技術者が育っている。さらにトヨタ、日産、ホンダなど主要メーカーは現地に開発拠点を設けており、技術者を養成している。


■タイ政府のFTA推進が後押し

 「タイの設計会社は、急速に実力をつけている。欧米の技術者には英語しか話せない人が多いが、タイ人は日本語を熱心に学んでおり、日本人技術者とコミュニケーションする能力が極めて高い」。トヨタで生産を担当する新美篤志・副社長はこう評価する。

 日産でも新型マーチなどの開発に、タイのテクニカルセンターで雇用するタイ人の技術者が活躍している。「日本人や他のアジア地域の技術者と協力しながら、開発の極めて重要な部分を担うようになった」(日産の役員)。

 部品メーカーも地力をつけている。鋳造品、樹脂成型品、エンジン関連など多くの部品は、現地で調達できる。日産やホンダでは部品の現地調達率が既に9割程度に達しているほどだ。

 「タイはアジアのデトロイトになった。自動車産業が集中しており、海外のほかの地域と比べて生産拠点としての魅力が高い」と言うのは、三菱自動車の黒井義博・執行役員だ。バンコクを中心とする狭い地域に、自動車関連の企業が集中的に立地していることは、物流面でも有利になる。

 もう1つ見逃せない強みがある。タイ政府が、貿易相手国との間で関税を撤廃するFTA(自由貿易協定)の推進に熱心なことだ。自動車販売が急拡大している東南アジアはもとより、オーストラリアなどともFTAを締結。インドとも交渉中で、自動車部品や電子部品など80以上の品目で、先行的に関税を引き下げている。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国としては、中国、韓国ともFTAを結んだ。

 FTAはタイから完成車や部品を輸出する際に有利に働く。日本から輸出すると関税がかかる国でも、タイから輸出すれば無税になるケースがある。

 急増する日本メーカーのタイへの投資は、日本政府の無策の裏返しでもある。円高対策の遅れ、国内への投資を促進する魅力的な政策の不在、なかなか進展しない主要国とのFTA交渉…。

 「こんな国に誰がしたのか。今のままじゃ日本が沈没する。企業が生き残るには、海外で生産するしかない」(スズキの鈴木修会長)といった意見が、産業界では目立つ。政府の新たな経済対策に対する期待も空振りに終わった。逆風が続く中、自動車業界を先頭に、モノ作り企業の日本脱出計画が着々と進行しつつある。

日経ビジネス 2010年9月6日号10ページより

菅内閣は“奇兵隊"ではなく“新撰組"!?

2010年09月09日 | 情報一般
菅内閣は“奇兵隊"ではなく“新撰組"!?
首相が失ってしまった「政治主導」の精神

■政権交代への期待を裏切った菅首相の重大な変節

 本欄で何度も強調してきたように、私が昨年の政権交代に期待した理由は2つあった。

(1)税金の無駄遣い、特に行政内部の無駄遣いを根絶して、一方で中・長期の成長戦略を打ち立てて、財政再建への道筋を開くこと。

(2)官僚人事の人事権を、官僚から政治に取り戻し、“官意”ではなく、“民意”を反映させる政治主導の仕組みに転換すること。

 民主党はこれらをマニフェストでは明確に打ち出したものの、本気でこの公約を実行するかどうかは、正直言って半信半疑であった。

 それにもかかわらず、なぜ私がいささかでもそれを信じて期待したかというと、それは、このテーマをライフワークにしてきた菅直人氏が民主党の幹部として存在したからであった。

 しかし、何と彼は、鳩山政権下においても全くその努力をしないどころか、自民党よりもひどい官僚主導の方向に転ずる主役となった。それが最後には、参院選前の消費税10%発言になり、自ら志を捨てた姿を明らかにした。

 菅内閣は、自らを高杉晋作の「奇兵隊」と称して出発した。

長年、彼は自民党政権を「霞ヶ関政権」と断定して攻撃の先頭に立った。それなら幕府に挑戦した奇兵隊と言ってもよい。

 ところが、菅奇兵隊は、何といつの間にか“霞ヶ関幕府”を警護する“新撰組”に大変身してしまったのである。

 私はかつて、これほどひどい政治家の変節を見たことがない。私の期待は失望に変わり、今では絶望を経て、退陣要求に至っている。

民主党代表選は一騎打ちの激戦に
菅・小沢両氏とも降りるべきだが…
 民主党の代表選挙も後半戦に突入。一騎打ちの激戦が続いている。

 先日私はテレビで、「菅・小沢両氏とも降りるべき」と発言した。

 特に、菅首相は、既に参院選で、首相に不適格と判定されている。“脱官僚”どころか“没官僚”になっている。

 ここまで来ると、とても原点回帰はできないし、その気持ちも感じられない。

 半信半疑であることは、小沢氏に対しても同じである。

 しかし、ダメだとはっきりした人と、ダメかも知れないが、そうでない可能性が残っている人と、どちらかを選べというなら、棄権するか後者を選ぶ他はないだろう。

 小沢氏は、首相になったら、無駄遣いの根絶に大ナタを振るう期待ができる。「逆立ちしても鼻血が出ないほど無駄を絞る」と公言して変節した菅氏とは違うだろう。

 問題は、公約を忠実に実行すると言って、バラマキ政策をマニフェスト通りにやるのかという不安である。あくまでも、原点回帰は、政権交代時の精神であり、政治主導の姿勢ではないか。この点では、バラマキ政策の修正を掲げる菅氏に分があり、小沢氏支持に二の足を踏む人が多くなる。

 ただ、代表選の結果がどうあれ、「大政局」の号砲は鳴った。この中で新しい政治と行政の構図が展望できれば、歴史的にも有意義なものになろう。

2010年9月9日 ダイヤモンドオンライン
田中秀征 元経済企画庁長官、福山大学客員教授

1945(昭和20)年9月8日

2010年09月08日 | 情報一般
【写真で見るきょうは何の日】進駐軍第1陣8000人が東京入り

 1945(昭和20)年9月8日、国会議事堂前を進むのは連合国軍の水陸両用車だ。

 進駐軍の第1陣として米陸軍第8軍の約8000人がこの日、ジープやトラックで東京に入り、代々木練兵場などに幕営した。日本の占領統治に向けて、マッカーサー最高司令官は米大使館に星条旗を掲げ、入所式を行った。

 マッカーサーは8月30日に専用機で厚木海軍飛行場に到着してから、しばらく横浜のホテルへ滞在。ホテルで最初に出された食事は冷凍の魚にキュウリ、鯨肉のステーキで、鯨を一口だけ食べると無言になって他の皿にも手をつけなかったという。それから3日後、横浜港に停泊していた軍艦から、大量の食材が荷揚げされたといわれている。当時の日本は、卵1個ですら調達に苦労する状況だった。

2010.09.08 ZAKZAK

1947(昭和22)年9月7日

2010年09月07日 | 情報一般
【写真で見るきょうは何の日】皇太子さま、古橋広之進を激励

 1947(昭和22)年9月7日、水泳の学生選手権(東京・神宮プール)を観戦された皇太子さま(現在の天皇陛下、当時13歳)が、古橋広之進選手(日大)を激励された。

 古橋は自由形400メートルと800メートルで優勝。日本選手権でも世界新を上回る好記録を連発したが、日本が国際水泳連盟を除名されていたため、記録は公認されなかった。

 49年6月、日本は国際水泳連盟に復帰。古橋や橋爪四郎ら6選手は同8月に米ロサンゼルスで開催された全米選手権に招待され、自由形の400メートル、800メートル、1500メートルで世界新記録を樹立し、米紙は「フジヤマのトビウオ」とたたえた。渡航前には昭和天皇、GHQのマッカーサー元帥にも励ましを受け、国民の期待を一身に背負った中で見事に記録を打ち立てた。

2010.09.07 ZAKZAK

1959(昭和34)年9月6日

2010年09月06日 | 情報一般
【写真で見るきょうは何の日】エネルギー革命で石炭不況到来

 エネルギー革命が生み出した残酷なひとコマといえるだろう。1959(昭和34)年9月6日、住宅の廃墟で食事をとるのは福岡県、筑豊炭田・田川地区の炭鉱離職者家族だ。

 石炭不況が押し寄せ、炭鉱労働者が生活にあえいでいた時代。燃料の主役が石油に取って代わられ、日本の産業を長年支えていた各地の炭鉱が次々と閉山に追い込まれていった。

 筑豊炭田では室町時代に石炭が発見され、江戸時代には製塩の燃料として使われた。明治に入って1901年、八幡製鉄所が操業を開始したことで需要が一気に高まり、日本最大規模の炭田へと成長していった。

 しかし、戦後はエネルギー革命の影響をまともに受け、76年、貝島炭礦の閉山で、すべての炭鉱が閉山した。

2010.09.06 ZAKZAK

中国式「失われた10年」 米シンクタンク

2010年09月06日 | 情報一般
中国式「失われた10年」、その苦痛は日本以上になる―米シンクタンク

 2010年8月31日、米ハドソン研究所は公式ウェブサイトに、中国も間もなく日本と同じように「失われた10年」に突入するが、その苦痛は日本以上になると論じた記事「中国が日本のようだったら良かった」を掲載した。2日付で新華網が伝えた。以下はその概略。

 中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国となったことを受け、米中の経済専門家がこぞって「中国は間もなく自らの『失われた10年』に苦しむことになる」との予測を示している。日中両国の成長モデルは非常に似ており、今の日本の姿が未来の中国の姿だと見る向きは多い。だが、経済衰退が緩やかで政府も国民もそれほど大きな痛手を感じなかった日本と違い、中国共産党と中国国民が受ける苦痛は日本以上になると考えられる。

 輸出と固定資産投資に過度に頼る日本の成長モデルに対し、危険性を指摘する声は以前から聞かれていた。だが、日本には持続可能な成長モデルに切り替えるための有利な条件が揃っていると考えられてきた。例えば、執政党が頻繁に変わる西側諸国は長期的な展望に欠けるが、日本は自民党の一党支配(55年~09年)が長く続いた。加えて日本人は聡明で責任感が強く、勤勉だ。

 一方、今や「中国の特色ある資本主義」と揶揄される中国モデルだが、独自の道を歩みながらも日本との共通点が多々見られる。だが、大きく異なる点は日本経済が低迷を迎えたころ、日本はすでに安定した法治国家だったということだ。官僚主導型と言われながらも、大多数の日本人は食うに困らない生活を送り、年をとればそれなりの財産も得られる。

 それに比べ、中国はいまだに法律や知的財産権などの制度が整っておらず、富の分配がうまく出来ていない。国有企業の生産高は全体の4分の1から3分の1を占めるにとどまっているが、懐に入ってくるカネは全国の75%以上だ。中国では富のほとんどが国有企業12万社(および数え切れないほどの子会社)に流れていく。その中から驚くほどの金持ちが生まれるが、ほとんどの人は豊かになる機会を奪われている。

 国民の大多数が経済成長の恩恵を受けられないでいる。この事実は社会の安定を揺るがし、最終的には政治の安定をも脅かすだろう。現在、中国政府が国内の治安維持につぎ込む費用は人民解放軍の予算よりも多い。中国共産党は自らの執政の地位を維持するために8%の経済成長が不可欠だと自覚している。だが、大多数の中国人は年をとっても永遠に豊かにはなれない。

 中国が日本のようだったら、まだ良かったのかも知れない。経済低迷が続いても政権交代という道があるからだ。中国に日本と同じことが起きれば、日本のように順調にはいかないだろう。(翻訳・編集/NN)

2010年09月04日 Record China