中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

貴州省少数民族の穂刈り

2013年11月05日 | 中国貴州少数民族の村

貴州省に住む多く住む苗族、トン族、壮族は、元々はもち米を常食としていたそうです。しかし、もち米は収穫量が少ない事(もち米は、うるち米に比べ 2.3割収穫量が少ない)もあり、政府がもち米から、うるち米への転換を積極的に進めた結果、今では貴州省のこれらの少数民族の間でも、もち米を常食とすると いう伝統的な食生活は廃れつつあるようです。

中国中央TVのドキュメンタリー番組「舌尖上的中国」の第7集では、中国貴州省榕江県に住む、 壮族や苗族を取り上げていますが、その番組の中でも60年代から地元政府がもち米(糯米)から、うるち米への転換を進めた事に触れています。その様な経過もあり、現在では中国全体では、全稲作の作付け面積の5%以下までに、もち米の作付面積は落ち込んだそうです。

また、その番組の中では、その昔長江流域に住んでいた越族、呉族等の民族は、 元々もち米を常食にしていたそうですが、それらの諸民族が、北方から南下する異民族に追われ、現在の貴州省等に逃れ、定住したと云う歴史的経緯についても取り上げています。中国の一部の地域ではもち米を「江米」と呼ぶ地域もあるようですが、その「江」とは長江を指すとの事です。

「舌尖上的中国」の第7集 の中では貴州省の苗族の刈入れの様子も紹介していますが、その稲を刈入る際に穂の部分のみ刈り取る「穂刈り」と云う方法は、今でも貴州省に住む苗族、トン族等の少数民族の間では相変わらず行われているようです。この穂刈りと云う稲刈りの方法は古代日本でも行われていたそうですが、貴州省に住む一部の少数民族の間では今でも穂刈が行われています。

貴州省等では、「摘禾刀」と云う道具を使い、「穂刈り」をする様ですが、この「摘禾刀」も民族により、地域により違いがある様です。


貴州網HPより 貴州省黎平県のトン族の「穂刈り」で行う稲刈り。くし型の物が「摘禾刀」。


これはかなり大型の「摘禾刀」ですが、指に引っ掛けるような、もっと小さいタイプもあるようです。「舌尖上的中国」の第7集に出てくる榕江県の苗族の「摘禾刀」は指に引っ掛けるタイプの物のようです。


貴州省榕江県のある苗族が穂刈りに使う「摘禾刀」私が今迄見たのは二種類ほどですが、民族により、地域による結構種類もあるようです。


こちらは普通の鎌を使って穂刈りをしている所。貴州省榕江県のトン族の村で。日本でもその昔は穂刈りをしていたそうですが、貴州省では今でも穂刈りをしている所が結構あるようです。雲南省でも穂刈りをしている地域はあると思いますが、私は今の所見ては降りません。


但し、貴州省でも近年は、もち米は昔ながらに「穂刈り」をするが、うるち米は穂刈りをしないという地域も増えているようです。これは穂刈りしたもち米。


黎平県肇興郷のトン族の村では、現在ではもち米だけを穂刈りしています。肇興郷等のトン族の間では、穂刈りした「もち」米」は軒先などで天日乾燥させ、そのままの状態で保存して、そのもち米を食べる時に、脱穀し、精米するようです。







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