中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

「亜東印画輯」の雲南省大理の写真

2016年12月23日 | 雲南省

大理古城内の一角に、大理単場芸術区と呼ばれる場所がありますが、その内に大理撮影博物館があります。以前、何度か行った事はあるのですが、何時も、大理撮影博物館は閉館している事が多く、今に至る迄この博物館の中を見学する機会はありませんでしたが、つい先日珍しくこの大理撮影博物館が開館しており参観する事が出来また。

この時に展示されていた写真は、主に1930年代に雲南省で布教活動していたカトリック教系の宣教師が撮影した写真、雲南省を訪れたアメリカの植物学者等が撮影した写真がおもでした。

しかし、この大理撮影博物館の展示物の一部に、日本人が1920年代に撮った、大理や下関、三塔、洱海等の写真が何枚が展示されていたのには大いに驚きました。これらの写真は、1924年に大連で立ち上げられた亜東印画協会(代表者 桜井 一郎)と云う団体が、中国や朝鮮モンゴル等の地を撮影した写真を、そのまま張り付けて、それに説明文を付けて出版した「亜東印画輯」と云う写真輯の中の写真の様です。

ネットで検索すると、この亜東印画輯は、今ではデータベース化されて、東洋文庫現代中国研究室亜東印画集デジタルライブラリーの一部として、全画像がネット上で公開されています。全目録も公開されており、それに拠れば、この亜東印画輯は、1924年8月に第一冊が出版され、その後1942年には第12冊が出版されたとなっています。

京都大学が第22冊から24冊迄をデータベースして公開しているようですが、13冊から21冊が欠落しているのか、まだデータベース化されていないのかその辺事情についてはわかりません。

1927年7月に出された「亜東印画輯」第三冊の中の写真番号118から187迄が雲南省の写真となっています。その写真の中の何枚かが、雲南省大理で撮られた写真となっており、大理の街並み、五花楼、三塔等が写し出されています。

今に至る迄、私はこの東亜印画協会なるものに関しては、全く知りませんでした。この大理撮影博物館を見学しなければ、亜東印画輯の存在も、この写真集を出した東亜印画協会と云う組織も知る事がなく終わったと思います。

この博物館を見学した際に、この博物館の館長と少し話す機会があったのですが、オークションでこの写真輯の一部を手に入れたとの事。その元本を見せても良いと云ってくれたのですが遠慮しました。この館長が、どの様にして、この写真輯の存在を知り、手に入れる事になったかその詳しい経緯は分かりませんが、ライブラリーが中国語版でも公開されているのでそれで知ったのかも知りません。

なんでもこの博物館の館長は、この東亜印画協会の事をいろいろ調べているとの事です。それで私もネットで、検索をかけて調べてみたのですが、詳しい事は分かりません。この協会がどの様な組織なのかも詳しく分かりません。これに関連した記事もネットではほとんど見つかりません。

1920年代に撮影されたと云う大変貴重な写真の数々は、東洋文庫現代中国研究資料室「亜東印画輯」デジタルライブラリーで、公開されていますので、興味のある方は是非覗いて観てください。因みに、雲南省の写真は、第三冊の写真番号118から187迄です。

東洋文庫現代中国研究資料室「亜東印画輯」デジタルライブラリー

 

 

 



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