中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

赤ちゃんポストを「嬰児安全島」に

2014年02月26日 | 中国事情

広州市内にある赤ちゃんポストでは依然、赤ちゃんを預ける人が後を絶たないようです。

2月24日付の羊城晩報(電子版)に拠れば、23日の昼には広州市の赤ちゃんポストの前には、死んだ赤ちゃんが遺棄されていたそうで、この事件は、多くの新聞(電子版)やTVでも取り上げられた様です。この子供にも矢張り先天性の重い心臓病があったそうですが、この嬰児を遺棄した親は、特定されて警察で取調べを受けているそうです。広州市の赤ちゃんポストの運営時間は夜7時から朝の7時迄の間との事で、時間外だったので保安員(警備員)が、赤ちゃんを遺棄した車のナンバーを覚えていたので、遺棄した親が特定されたそうです。(注:他の省・区・市では24時間の運用が多い中、広州市では、夜7時から朝7時迄の間の運用)

2月26日付の南都報に拠れば、2月25日の19時から22時迄の僅か3時間の間に、3名の子供が、赤ちゃんポストに預けられたとの事です。一人親は警備員の説得で、赤ちゃんを預けるのを諦め、赤ちゃんを連れて帰ったそうですが、中には、重度の障害を持つ親は警備員の必死の説得に「この子の命を救うためには、こうするより他に手立てがない」「ここに預けるしか、この子が生きながえる術はない」と土下座して警備員に頼みこみ、警備員の説得を振り切り、慟哭しながら子供を赤ちゃんポストに預け立ち去ったとの事です。

今回子供を預けに来た親の中には、広東省の人間ではなく、他所の省から赤ちゃんを預けに来た親もいたそうで、「広東省は経済が発達しているので、良いのではと想い」と話したとの事です。また、赤ちゃんを預けようとしたある親に対して警備員が、赤ちゃんを遺棄するのは違法だと話したところ、「じゃ何故、この様な施設を作ったのか?」と泣きながら反論したとの事です。

2月17日付の西安晩報に拠れば、陝西省西安市には昨年11月29日から「赤ちゃんポスト」の運用が始まったそうですが、運用開始から二ヶ月で60余名の赤ちゃんが預けられたそうです。矢張り全員障害を負った子供だったそうです。また、夏門(アモイ)でも、2月18日から「赤ちゃんポスト」の運用が始まったそうですが、広州市とは違い、夏門市は終日24時間運用されるとの事です。夏門市では、福利院が昨年一年間に、遺棄されて、預かった赤ちゃんは55名だったそうですが、赤ちゃんポストが出来た事で、今後遺棄される子供が増えるかどうかが注目されているようです。

また、「棄児安全島」「棄児島」と云う呼称は誤解を産むので、このような呼び方を止め、今後は中国では赤ちゃんポストを「嬰児安全島」と呼ぶ事にしたとの事です。

 

 

 

 

中国各地に設けられた「嬰児安全島」は様々な形、大きさがある様ですが、共通するのは、冷暖房完備で、赤外線装置があり、赤ちゃんが預けられた後、5分乃至10分後に、ブザーが鳴り福利院の係員が駆けつけるシステムになっているとの事です。貴州省では、このブザーが六回鳴ったそうですが、預けられた赤ちゃんは4名だったとの事で、2例は赤ちゃんを預けに来たものの迷った末、赤ちゃんを預ける事無く帰ったのではと思われるとの事です。

また、「嬰児安全島」は、福利院の傍に作られているそうです。

 



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