中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

袁牧著「髄園食単」と云う本の中の茶葉蛋

2018年06月01日 | 中国事情

以前このブログで触れた事のある清朝時代の著名な袁牧(1716~1796)と云う随筆家・詩人であり、美食家でもあった彼が記した「髄園食単」の中でも「茶葉蛋」に付いて書いています。

それに拠れば、「茶葉蛋」の作り方として「鶏蛋百個,用鹽一兩,粗茶葉煮兩枝線香為度。如蛋五十個,只用五錢鹽,照數加減,可做點心。」とあり、清朝の頃は茶葉蛋は、この様に塩とお茶の葉だけで作った様です。塩と粗茶を使い「煮両枝線香為度」つまり「線香が二本燃える位の時間煮る」とありますが、この「両枝線香為度」とは、具体的には、線香が二本燃え尽きる時間を表すとの事で時間としては4時間程の時間を指すとの事。

中国では良く知られているようにお寺、廟等では、その昔は一日を十二時辰に分けて、線香を焚いて、一本の線香が燃え尽きる時間を一時辰としたとの事です。それで、「両枝線香為度」とは二本の線香が燃え尽きる時間つまり四時間を指すとの事です。

今では茶葉蛋の作り方も色々ある様で、特にどの様な調味料を加えるかで違う様です。「五十枚雞蛋,配料為茶葉六十公克,調料為鹽七十五公克,紹興酒三十CC、八角四粒。而在烹調前,先洗淨雞蛋,」「用沸水略煮,撈入冷水中,將蛋殼敲碎,放入沙鍋中,加茶葉、鹽、酒、水以旺火燒沸,加蓋,用小火慢煮」。この様に紹興酒等の料理酒を加える物もある様です。また「雞蛋800克、紅茶15克、八角6克、白糖6克、桂皮4克、鮮醬油100克、鹽6克」とある様に意外にも、現在では緑茶では無く、紅茶を使う場合も多い様です。

現在では茶葉蛋を作る場合、八角、桂皮、花椒、香叶、五香粉、老抽(醤油)、白糖又は紅糖、塩等を加えて作るのが一般的の様です。中国では醤油にも、老醤油と生醤油の二種類あり、両方加える事もある様です。また、中国では卵の量詞は、現在は「個」ではなく「枚」を使う様です。

丁寧に作った茶葉蛋は、とても美味しい物ですが、残念ながら単なるゆで卵の様な茶葉蛋が多いのが実情です。

ここの茶葉卵はちゃんと様々な香料を入れて煮込んであるので、ナカナカ美味しいです。大理古城等では、茶葉玉子とは名ばかりで茹卵の様な代物も多いです。


ちゃんと作った茶葉玉子は、私は大変美味しいと思います。単なるゆで卵と比べると大変に美味しいと思います。

新書版「随園食単」と云う本に付いて

中国で出版された新書




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