中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

偽装羊肉について

2013年05月06日 | 中国事情

5月3日付の新聞「新京報」の電子版によると、キツネ、ミンク、ネズミ等の肉を羊の肉だとして売っていた犯罪集団が摘発されたとの事。その「新京報」によれば、キツネ、ミンク、ネズミの肉にゼラチン、発色剤(胭脂红)、防腐剤(硝盐)などを加え加工して、羊の肉と偽り蘇州や上海等の農易市場で売りさばき巨額の利益を上げていた犯罪集団が摘発されたそうです。原材料となるキツネ、ミンク等は山東省から調達していたそうです。(注;新京報は北京で発行されている新聞。従って北京以外の地域では買うことが出来ない。無論電子版は何処でも読めます。)

羊肉は、貴州省貴陽市等のスーパーでは、最近値上がりして一斤(500グラム)35元程します。豚肉は、部位にもよりますが一斤12元から高くても16元程度ですから、羊肉は単純計算でも、豚肉の2倍以上はする事になります。羊肉は値段が高い事もあるのか、貴州省等のスーパーや農易市場の食肉売り場でもあまり見かける事はありません。スーパー等で薄くスライスした、しゃぶしゃぶ用の羊肉も売っていますが、あれは山羊ではなくて綿羊だと思います。貴州省などでは羊肉といえば山羊を指します。 

貴州省黔東南の榕江県、黎平県、从江県等では山羊を飼っている農家も多く、貴州省の他の地域と比べても割合と良く羊肉を食べる事もあり、貴陽などと比べると羊肉は少し安いようですが、それでも一斤30元以上はします。貴陽等に比べると割り安とは云えども一斤30元以下で売っている羊肉は見たことはありません。最近は羊肉も値上がりしているのでスーパー等では一斤40元近い値段となっているかも知れません。山羊は、豚や鶏のようには大量飼育が出来ないこともありどうしても値段が高いようです。

 羊肉といえば多くの中国人がまず思い浮かべるのは「羊肉串」かもしれません。この「羊肉串」は中国の殆どの地域で見る事が出来る代表的で庶民的な羊肉料理の一つといえると思います。雲南省昆明は無論、今私が滞在中の大理等でも「羊肉串」を売っているのを良く見かけます。羊肉串は街頭で、屋台で売っている場合が多いようです。私もこの羊肉串は以前から大好きで、日本では食べる事が出来ない事もあり中国を訪れる度に必ずといって良いほど食べていました。今は中国に滞在中ですので相変わらず良く「羊肉串」を食べています。

街頭の屋台で羊肉串として売っているのは、だいたい一串2元、高くても10元で3串くらいの値段で売っているようです。安い屋台では一本2元で売る店が多いようです。値段が手ごろな事もあり、中国では人気もあり、至る所で羊肉串を売る屋台を見かけます。以前籍を置いていた貴州の大学付近の屋台でも一本2元で売っていたように記憶しています。

街頭などで羊肉串を売る店。
羊肉串は炭火で焼くの事もあり大変美味しいです。調味料として唐辛子、塩など加えるようです。
屋台の羊肉串はこういう感じで売るのが一般的のようです。

 以前貴州省で見た新聞の報道等によれば、本物の羊肉であれば、一串2元で売っては、到底採算が取れないそうです。その新聞の記事によれば、一斤30元で羊肉を買ったとして、その一斤の肉からどのくらいの羊肉串が出来るとの具体的な内容も書いてあったように思いますが、残念ながら一斤の羊肉から何本の羊肉串が出来たのかは覚えていません。ただし、一串2元で売ることは不可能との事。 もっとも安い値段の一斤30元で羊肉を買ったとしても、一本2元では採算が合わないとの事です。

私が時々貴陽市で食べていた店の羊肉串は一本4元でした。たまたま昆明市内の羊肉串の専門の店で売っていた羊肉串もやはり一本4元でした。その店は何時も行っても長い行列が出来るほどの人気店ですが、その日に限ってあまり並んでいる人も居ないので買って食べてみました。やはり美味しかったですが、その時5本買ったのですが、一本4元でも5本買えば20元ですからやはり結構な値段です。私が今滞在中の大理古城のある羊肉串専門店でも10元で3本から、安くても10元で4本です。

今回新聞で偽装羊肉の報道が、またされましたが、以前からこの街頭の屋台等で売っている「羊肉串」の肉は、実は羊の肉ではなくて、豚肉等の別の肉であるという事は、中国人の間では広くささやかれて、知られている事実のようです。以前私も知り合いの中国人から、あれは羊肉ではないといわれた事があります。

今から15年程前に、中国から日本に来た中国人の子供と中国の食物の事を話していて、たまたま羊肉串の事になった時、私が、「私は羊肉串が大好きだ」と話したらその子供が「あれはネズミの肉だから、僕は食べない」と話したのを聞いて結構ショックを受けた事を覚えています。それ以来、羊肉串を食べる度に、その話を思い出しながらも、羊肉串は好きなので相変わらず食べています。時にはこれは羊肉ではなくネズミなのかなーと思いながらも羊肉串は食べ続けています。4元だから羊肉だ、大丈夫とは云えないとは思いますが、やはり一本2元の「羊肉串」は敬遠しています。

大理古城で先月「三月街」というお祭りが行われ大変な人出で賑わいましたが、祭りの期間中には羊肉串が、一本2元どころか8本で10元とかの値段で多くの屋台で売っているのを見かけましたがあれは一体何の肉だったのでしょうか、大変気にはなります。

これは雲南省楚雄市で見た光景。屠られた羊が一頭このように吊るされていました。そして売っている所で羊を解体し、その場で肉を串にさして、羊肉串として売っていました。思うにここで売っている羊肉串は本物の羊の肉です、安心して食べてくださいと宣伝しているのだと思います。とは言えこの吊るされている山羊の姿を見ると腰が引けますが。首の所をビニール袋で覆っているのは、道路に血が滴り落ちないようにする為です。



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