中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

上海で日本人学生が酒託(ぼったくり)に遭う

2016年04月13日 | 中国事情

中国中央TVのニュース専門チャンネルで、上海で日本人学生がぼったくりの被害に遭ったニュースを4月10日に報じていました。それに拠ると、日本から上海に観光に来ていた二人の学生が、豫圓付近の地下鉄を降りて豫圓に向かおうとした際に、三人組(注:女性二人、男性一人)の中国人に、「カメラのシャッターを押してくれませんか?」と声をかけられたとの事。二人の日本人学生は、中国語専攻と云う事もあり、三人組とは、中国語で会話をしたそうです。

その後、二人の学生は三人組に誘われ「豫圓茶館」と云う店に行ったとの事です。その後、5人でお茶を飲んで、30分ばかりして勘定をしたところ、なんと、2100元も請求されたとの事です。二人併せて1000元程しか持ち合わせて居なかったので、なんとか有り金全部叩いて、ようやく解放されたとの事です。

その後、この学生の知人の中国人が微博に、事の顛末を載せてニュースにもなった様です。また、一部の報道では、被害に遭った学生が、この件を直接警察に届けて事件が明るみになり、今回大きなニュースになったとの報道もあります。

この誘い役の女性達は英語も達者だった様で、この店の付近の住民に拠れば、以前にも欧米人等が、同じ様な被害に遭ったとの事で、店とトラブルになったようですが、関係当局に届けても、ほとぼりがさめると、また同じ様に営業を始めたとの事。今回は中国中央TVで報道された事もあり、店の経営者は、それなりの法的処罰を受けるだろうとの事。

ボッタクリを意味する「酒託」と云う中国語の単語は、割合に新しい様で、以前は、ボッタクリは「宰客」と云う言葉が使われるのが一般的だった様です。被害を受ける側は、「宰客」も「酒託」も同じ事で、法外なお金を脅し取られる事には変りありません。

しかし、「宰客」と「酒託」との違いは、今回の様に、誘い役が居て、その誘い役が、偶然を装い知り合いになり、その後予ねて示し合わせるている喫茶店等へカモを誘い込み、お茶やワインを飲んだ後、法外の値段を吹っ掛けると云うやり口が以前の「宰客」との違いの様です。当然の事ですが、誘い役は若い女性の様で、この誘う役の女性は、俗に「酒託女」と呼ばれる様ですが、「酒託女」は、人により月に一万元以上も稼ぐとの事。

以前、このブログでも触れたのですが、「酒託」は、時により微博、QQ等を利用して、「一人で旅行に来ているが誰かお茶でもしませんか?」「付近いる誰か食事でもどうですか?」と云う様に誘い、誘いに乗った客と示し合わせている店に行き、ビールやらワインを飲み、いざ会計となると2000元3000元と云う法外な値段を吹っ掛け脅し取ると云う様に、それなりに手の込んだ手口を指す様です。

「酒託」と云う被害に遭うのは、今回の様に外国人ばかりではなく、被害に遭う中国人も多い様です。2月頃には、公安当局が、中国天津市で大掛かりな「酒託」の取り締まりを行い、50名程の関係者を逮捕したニュースも流れていました。被害者は、全員中国人だった様ですが、誘い役の女性、店の経営者、店の従業員、脅し役等それぞれ役割がある様です。

中国語検索エンジン「百度」で「酒託」と検索をかけると、「酒託」の被害に遭ったニュースは毎月の様に報じられています。今年の4月10日には深圳で、「酒託」の被害に遭い、一本20元のワインに3000元も払う羽目になったそうです。その場合も、QQで若い女性が「近くに居る人、誰か会いませんか?」と云う具合に誘いをかけて来たとの事。その後、会う約束をして会い、示し合わせている店に行ったそうです。その後、この女性は、意気投合した振りをして、翌日また会う約束をして店に誘い込み、酒のツマミに果物、瓜子等を注文、さらにワインを二人で6杯程注文して勘定をした所、5420元を請求されたとの事。この被害に遭った男性は、その場では、貴いと思ったものの止む無く支払ったそうですが、その後、この女性に連絡が取れなっなって、漸く「酒託」に遭ったと気が付き警察に届けたそうです。

麗江市でも、一時この「酒託」の被害に遭う観光客が多かった様ですが、やはり中国中央TV等でニュースになった事もあり、関係当局が取り締まりに乗り出し、今では下火になった様です。ここ大理古城でも、その手の店があったのですが、公安が関係者を逮捕した後は、その手の店は無くなりました。

ぼったくり(酒託)バー



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