中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

子供のための日本語教室その2

2017年07月05日 | 日本語

最近は、子供のための日本語教室でボランティアをする人は、市が主催するボランティア養成講座で、事前に専門家から簡単な教授法等について講義を受けた後に参加する人も増えているとの事です。

前回帰国した際に、子供のための日本語教室に顔を出した際にも感じた事でもあるのですが、ボランティアの人達が、子供達に向かって頻りに「ここは日本語教室だから、日本語で話しなさい」と云うのには些かビックリしました。

云うまでもない事ですが、一般的に日本語教室に通う子供達の日本語能力は左程高くはありません。多くの子供達は学校生活にも支障をきたすような程度の日本語水準なので、この教室に来ているのです。その様な子供達に向かい、「ここは日本語教室なのだから日本語で話しなさい」と云う様な云い方が正しいか私は大いに疑問に感じました。

私も、若いころ中国語を勉強していましたが、授業中に先生から「中国語で、生徒同士で会話して」と云われて大変困った事を覚えてますが、語学の水準が低い者同士では、ろくな会話は出来はしないのです。子供の日本語の水準に合わせて、ボランティアが会話をリードしながら会話を進めていくなら分かりますが、左程日本語の水準の高くは無い子供同士に日本語で会話しなさいと強要するのには些か無理があると思います。

子供のための日本語教室に通ってくる子供達の中には、現在通って居る学校のクラスの中では外国人は自分一人だけで、外は全部日本人の生徒で、一日中日本語しか話さない、聞こえないと云う様な環境にある生徒も多いのです。この様な生徒にとっては、この教室は、母語で話す事が出来る上、色々な情報を交換する場所でもあり、学習している上で分からない事を母語で同国人に聞ける貴重な場所でもあるのです。そもそも子供達が母語でどんな会話をしているかも分からずに、日本語で話しないと云うのには大いに無理があると思います。

私は、今雲南省大理に滞在中ですが、大理には数名の日本人がいて、偶にはその日本人の人々と会う事があり、話す事もあるのですが、この年齢になっても母語で会話できる事の気楽さや楽しさ、同国人同士で日本語で会話で来る事の喜びを感じます。ましてや子供はと思います。

子供の中には、日本語の水準がかなり高く、特にこの教室に通わなくても良い様な生徒もいますが、そのような子供達は、ここに来れば同国人で同じ様な境遇の子供達が沢山いる上、母語で会話出来るから通うと云う様な生徒もいるのです。

子供のための日本語教室に通って来る生徒には、それぞれの理由と背景もあるのですが、その様な個人の背景を無視して、「ここは日本語教室なのだから日本語で会話して」と云う様に無理強いするのは如何なものかと大いに疑問を感じました。

 

 


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