中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

雲南省産の新菜種油について

2013年08月17日 | 雲南省

今私が滞在中の「大理古城」の超市(スーパーマーケット)等の店頭にも、今年出来た菜種油が並び始めたようです。雲南省の羅平県の菜の花畑は中国は無論のこと、海外でも有名ですが、その羅平県産の菜の花の種を利用して製造した菜種油は、雲南省では美味しい菜種油としても、その名が知られているようです。

2000年以前は中国では植物油といえば、菜種油が消費量の第一位を占めていたそうです。が、2002年以降は、大豆や大豆油の輸入量が増加して大豆油が、植物油の第一位となり、その後パーム油等の植物油の輸入増加に伴い、現在では、菜種油は第三位迄落ちたそうですが、今も植物油の三分の一は菜種油が占めているそうです。

中国では、菜の花の産地としては湖南、湖北、四川省など長江流域、及び中国西南地区、西北地区が知られていますが、内モンゴル、新彊等も菜の花(菜種油)の生産地としても有名との事です。昔は菜種油は食用油としてばかりでなく、「明り」としても利用されていたそうです。

スーパーの店頭に並んだ今年出来た羅平県産の新菜種油。「羅平ブランド」の菜種油は雲南省では有名のようです。


スーパー等の油売り場には、菜種油を初めとして、大豆油、コーン油、落花生油、ひまわり油等の様々な植物油が並んでいます。中国で特に目に付くのは、このように大容量の容器に入った油が多いことです。


中にはこの様に5リットル入りというような日本には無いような巨大な容器に入った油もありますが、中国では、この様に大きな容器の油が売られているのが普通の様です。中国のこのような光景を見ると、家庭でもいかに中国では大量に油を使うか想像出来ます。日本のスーパー等でよく見かけるような1000ml程度の小さな容器に入った油を探すのには、中国では一苦労です。


今私が滞在中の「大理古城」にも菜種油をその場で絞り、その菜種油だけを専門に商っている油屋があります。以前私が住んでいた貴陽省にも沢山の菜種油専門の油屋さんがありましたが、貴州省と比べると、ここ大理はそのような店が以外に少ないような印象を受けます。大理鎮では二軒程しか見かけません。このような機械を利用して菜種油を絞っている所ですが、機械の前面からは絞りカスが出てくる。油は、別の所に溜まります。


その場で菜種油を絞り売っている店では、当然量り売りです。今年の新菜種油は、一斤(500g)9元ですが、菜種油も年々高騰しているとの事です。貴州では昨年は一斤8元だったような気がします。以前も貴陽に住んでいる時、たまにはこの様な菜種油を買っていましたが、こういう所で売っている菜種油は独特の中国語で言う所の「青気味」がありますが、私は美味しいと思います。大理古城にあるこの菜種油専門店で、今年取れたこの新菜種油を当然、私も買いましたがこの菜種油もとても美味しいです。


菜の花畑。貴州省等では裏作として菜の花が植えられている事が多く、この菜の花の種、菜種から油を絞る。


以前日本から来た大学生に、貴州省のあちらこちらで沢山の菜の花畑を見たその学生から、「菜の花は、何にするのか?」と聞かれた事があり、意表をつかれた思いでしたが、中国の貴州省や雲南省では裏作として菜の花を栽培している地域が多いようです。貴州省では、菜の花の収穫が終わると主に稲を植えたりしますが、雲南省ではタバコ、トウモロコシを栽培する地域が多いような気がします。私は福島の農村で生まれ育ちましたが、60年代頃までは私の田舎でも、裏作に菜の花を栽培して、それから菜種油を採取していた家が沢山ありました。

貴州省の農村部に行くと、今でも裏作として菜の花を栽培しているのは極普通の事で、菜種油が、家庭では良く使われています。菜種油をその場で絞って売っている店の菜種油はスーパー等で売っているものより透明感はなく、やや濃い黄色をしているのが特徴ですが、今の時期は今年取れたばかりの新菜種油を売っていますから、とても美味いです。尚、スーパー等で売っている菜種油は、物により手を加え、加工した油も多いようで、その場で菜種を絞り、売っている菜種油専門店の菜種油とは違うようです。




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