このシリーズでは原則として、8社の教科書の、①“かなりちがう″と思う内容すべての各項目を、②歴史の始まりから時系列で採りあげる、という方針で調べています。
しかし、「神道」「天皇」「神話」などの通史的なことがらは、その始まりから現在までをまとめて採りあげたほうが全体像がはっきりします。
全体像とは、別の表現をすれば、《各社の基本的な編集方針(あるいは傾向)》ということ。
今回から始める「琉球・沖縄」も通史的なテーマなので、10回ほど?の連載になりそうです。
中華人民共和国と、(覇権主義的な)アメリカ合衆国があるかぎり、現代日本でもっとも(唯一と言えるほど)政治的に不安定で混乱しつづける沖縄県の歴史を、各社はどう描いているのでしょうか?
⒂ 琉球・沖縄の描き方のちがい
■琉球・沖縄についての基礎知識 (概要)
<ウィキペデア:沖縄県 2017.2.17>より
・「沖縄県(おきなわけん)は、日本の南西部にある沖縄諸島・先島諸島・大東諸島で構成され、363の島からなる県。県庁所在地は、沖縄本島の那覇市。」
・「当県を中心にかつて存在した琉球王国の範囲は沖縄諸島および先島諸島、さらには鹿児島県島嶼部の一部が含まれ、それらを総称して琉球諸島と呼ばれるが、当県にはそれらに含まれない大東諸島も属しており、同一視出来ない。
海上輸送路(シーレーン)および軍事的な要地であり、日米の軍事基地が集中する。大東諸島は、日本の排他的経済水域においても重要である。
当県に所属する尖閣諸島は日本固有の領土とされるが、中華人民共和国および中華民国(台湾)では、その帰属が日本にあるべきではないとする主張がある。
日本で最も西に位置する都道府県であるとともに、最北端が日本で最も南にあり、人の居住する日本最南端の地域がある都道府県でもある。」
・「かつて当県に存在した琉球王国は、明や清に朝貢し冊封も受けていたが、一方で薩摩藩の附庸国でもあった。
それは日中に「両属」する曖昧な国際的地位であったが、それを利用して鎖国下の両国の間で中継貿易を成して富を得ていた。
しかし、日清両国の開国によって直接貿易が主流になると、その存在意義は急速に衰え、琉球処分等によって日本に帰属した。
第二次世界大戦では米軍が空爆と艦砲射撃の後に上陸し、(国内)「唯一の地上戦」と呼ばれる沖縄戦が県民を巻き込んで行われ、多数の犠牲者を軍民より出した。
終戦後はアメリカの占領統治下におかれ、1950年代半から核兵器も配備された。
1972年(昭和47年)、「核抜き、本土並み」で沖縄返還される際、日本は米国に総額3億2000万ドルを支払った(現在の為替レートで約5000億円(2016年10月時点))。
米軍施政下時代から続く米軍基地(在日米軍)は当県の主要な政治問題の一つとなっており、近年においても普天間飛行場の移転先を巡る論争が続いている。
・「 一般にはおおよそ亜熱帯とされる気候であり、一部は熱帯に属する。日本の中では年間を通して温暖な気候であり、また最高気温と最低気温の差も小さい。
歴史的経緯から、他の都道府県とは文化・習俗、そして税率や補助金などでも違いがあり、県民は本州、あるいは、当県以外を「本土」と呼び分ける場合がある。
その違いや温暖な気候は特に観光分野において注目され、同産業を中心に85.5%を第三次産業が占めており、第一次産業は2%、第二次産業は12.4%と割合としては低調である(2010年)。
また、健康的な伝統的食文化に根差した国内有数の長寿地域としても知られるが、一方でアメリカ統治時代に根付いたジャンクフードとも呼ばれる食文化も存在し、両面合わせて沖縄料理として紹介されている。」
~次回、①琉球王国の描き方~
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