2001年9月11日の衝撃から5年。アフガニスタンやイラクでは今でも戦闘が続き、ワシントンポスト紙はアフガニスタンの現状を「武装勢力による暴力とアヘンの取引が原因で、社会的・経済的に完全に破壊された状態」と評している。そして、フセイン大統領とテロリストとの関係については、メディアに加えて連邦議会までもが「関連なし」と結論付けている。テロ事件から5年。国民の間でも「この5年間について熟考する動きがあるようだ。今日は、9月11日を迎えたアメリカ国内の様子と、ブッシュ政権の掲げる「対テロ戦争」に対する有識者や国外メディアの声について紹介します。
2001年9月11日に発生した同時多発テロから5年目を迎えたニューヨークでは、マンハッタンの世界貿易センター跡地で午前8時46分と9時3分の2回にわたって黙祷が捧げられ、つづいて警察官や消防士らによって「ゴッド・ブレス・アメリカ」などの曲が演奏された。そして、建物が倒壊した9時59分と10時29分にも再び黙祷が行われている。「5年前に発生した辛い出来事を思い出すため、われわれは再びこの場所に戻ってきました。この場所で多くの方がなくなられたという事実は、これからも我々の記憶から消え去る事は無いでしょう」。マイケル・ブルームバーグ市長は追悼式典でそう語った。10日にワールド・トレードセンター跡地で献花を行ったブッシュ大統領は、11日にペンシルバニア州シャンクスビルとペンタゴンで行われた2つの追悼式典にも参加している。またワシントン市内ではユダヤ系アメリカ人の会議に出席したクリントン元大統領が、「911テロはアメリカや世界が1つになるきっかけになった」とコメントした。
アメリカ国外のメディアもテロから5年目を迎えたアメリカ国内の様子や、ブッシュ政権の掲げる「対テロ戦争」の展望について大きく報じているが、ブッシュ政権の外交政策を疑問視する内容のものも少なくない。フランスのル・モンド紙は社説の中で、「911テロ事件後、アメリカ国内がテロ攻撃の標的となる事は無かったが、間違いなく世界は悪い方向へと変わってしまった」と、ブッシュ政権の対テロ政策がアメリカ国外に与えた影響を指摘した。ニュージーランドのヘレン・クラーク首相も最近、「911テロ事件以後、世界がより安全になったかといえば、答えはノーです」とコメントしている。クラーク首相は以前から欧米諸国がイスラム世界の穏健派政権と関係を密にし、過激主義に走るイスラム教徒の若者が存在する背景を西側も理解すべきだと主張してきている。アメリカ国外では、支持率低迷に悩むブッシュ政権がテロ5周年をイメージ回復に利用しているだけという声が存在し、イスラエルのハーレツ紙も「テロ発生から5年目を迎えたアメリカで、911はブッシュ政権の政治的な道具となっている」と報じている。
ブッシュ大統領は11日午後9時(東部時間)に国民向けテレビ演説を行い、「テロとの戦いには国民の団結が必要」と訴えたが、国内の有識者の間での評価は日毎に厳しさを増してるようだ。外交専門誌「フォーリン・ポリシー」の7・8月号は(隔月)、「テロリズム指標」と題した記事を掲載し、その中では120人以上の外交・安全保障専門家らによってブッシュ政権の外交政策に格付けが行われている。格付けに参加したメンバーの中には元国務長官や元安全保障担当補佐官らの名前もあり、「テロリズム指標」の編集に携わったマイク・ボイヤー氏はCBSの取材に対し、「政党に関係なく、過去50年にわたってアメリカの安全保障問題に関わってきた人達が集まったのです」と語っている。記事の中では専門家の84パーセントが「アメリカは対テロ戦争に負けつつある」と答えており、ブッシュ政権の外交政策そのものが対テロ戦争を難しくしているのだと結論付けている。全体の87パーセントが「イラク戦争は対テロ戦争にマイナス効果だった」と答え、81パーセントの回答者が「グアンタナモ収容所の存在は、対テロ戦争にダメージを与える結果となっている」と回答した。
最後にニューヨークから宝くじに関する話を。ロング・アイランドのデリで働く56歳のバレリー・ウイルソンさんは先月、スクラッチ式の宝くじで見事に100万ドルを当てた。これだけでも凄く羨ましい話なんだけど、実はバレリーさんが宝くじで100万ドルを当てたのは今回が初めてではなく、4年前の州営宝くじでも100万ドルを手にしていたのだ。AP通信によると、先月の宝くじで当てた100万ドルは20年かけてバレリーさんに支払われる予定で(年に5万ドルずつ)、3人の子供達の住宅購入費用に使うそうだ。先月の宝くじで100万ドルを当てる確立が約70万分の1で、4年前の宝くじで100万ドルが当たる確立が約520万分の1。これに両方当たる確立は、わずかに3兆6000億分の1となる!でも、ニューヨーク州では過去に宝くじで100万ドル以上の賞金を2度獲得した人が2人もいたらしい。今度コンビニに行ったらためしに1枚買ってみようかなと、少しばかりの希望を抱いてしまいそうな話でした。
写真:ペンシルバニア州ピッツバーグで11日に行われたパイレーツ対ブリューワーズの試合前、同州シャンクスビルに墜落したユナイテッド航空93便の乗客やクルーを追悼するイベントが行われた。グランドの中央には犠牲者の家族や友人が集まった。 (AP通信より)
2001年9月11日に発生した同時多発テロから5年目を迎えたニューヨークでは、マンハッタンの世界貿易センター跡地で午前8時46分と9時3分の2回にわたって黙祷が捧げられ、つづいて警察官や消防士らによって「ゴッド・ブレス・アメリカ」などの曲が演奏された。そして、建物が倒壊した9時59分と10時29分にも再び黙祷が行われている。「5年前に発生した辛い出来事を思い出すため、われわれは再びこの場所に戻ってきました。この場所で多くの方がなくなられたという事実は、これからも我々の記憶から消え去る事は無いでしょう」。マイケル・ブルームバーグ市長は追悼式典でそう語った。10日にワールド・トレードセンター跡地で献花を行ったブッシュ大統領は、11日にペンシルバニア州シャンクスビルとペンタゴンで行われた2つの追悼式典にも参加している。またワシントン市内ではユダヤ系アメリカ人の会議に出席したクリントン元大統領が、「911テロはアメリカや世界が1つになるきっかけになった」とコメントした。
アメリカ国外のメディアもテロから5年目を迎えたアメリカ国内の様子や、ブッシュ政権の掲げる「対テロ戦争」の展望について大きく報じているが、ブッシュ政権の外交政策を疑問視する内容のものも少なくない。フランスのル・モンド紙は社説の中で、「911テロ事件後、アメリカ国内がテロ攻撃の標的となる事は無かったが、間違いなく世界は悪い方向へと変わってしまった」と、ブッシュ政権の対テロ政策がアメリカ国外に与えた影響を指摘した。ニュージーランドのヘレン・クラーク首相も最近、「911テロ事件以後、世界がより安全になったかといえば、答えはノーです」とコメントしている。クラーク首相は以前から欧米諸国がイスラム世界の穏健派政権と関係を密にし、過激主義に走るイスラム教徒の若者が存在する背景を西側も理解すべきだと主張してきている。アメリカ国外では、支持率低迷に悩むブッシュ政権がテロ5周年をイメージ回復に利用しているだけという声が存在し、イスラエルのハーレツ紙も「テロ発生から5年目を迎えたアメリカで、911はブッシュ政権の政治的な道具となっている」と報じている。
ブッシュ大統領は11日午後9時(東部時間)に国民向けテレビ演説を行い、「テロとの戦いには国民の団結が必要」と訴えたが、国内の有識者の間での評価は日毎に厳しさを増してるようだ。外交専門誌「フォーリン・ポリシー」の7・8月号は(隔月)、「テロリズム指標」と題した記事を掲載し、その中では120人以上の外交・安全保障専門家らによってブッシュ政権の外交政策に格付けが行われている。格付けに参加したメンバーの中には元国務長官や元安全保障担当補佐官らの名前もあり、「テロリズム指標」の編集に携わったマイク・ボイヤー氏はCBSの取材に対し、「政党に関係なく、過去50年にわたってアメリカの安全保障問題に関わってきた人達が集まったのです」と語っている。記事の中では専門家の84パーセントが「アメリカは対テロ戦争に負けつつある」と答えており、ブッシュ政権の外交政策そのものが対テロ戦争を難しくしているのだと結論付けている。全体の87パーセントが「イラク戦争は対テロ戦争にマイナス効果だった」と答え、81パーセントの回答者が「グアンタナモ収容所の存在は、対テロ戦争にダメージを与える結果となっている」と回答した。
最後にニューヨークから宝くじに関する話を。ロング・アイランドのデリで働く56歳のバレリー・ウイルソンさんは先月、スクラッチ式の宝くじで見事に100万ドルを当てた。これだけでも凄く羨ましい話なんだけど、実はバレリーさんが宝くじで100万ドルを当てたのは今回が初めてではなく、4年前の州営宝くじでも100万ドルを手にしていたのだ。AP通信によると、先月の宝くじで当てた100万ドルは20年かけてバレリーさんに支払われる予定で(年に5万ドルずつ)、3人の子供達の住宅購入費用に使うそうだ。先月の宝くじで100万ドルを当てる確立が約70万分の1で、4年前の宝くじで100万ドルが当たる確立が約520万分の1。これに両方当たる確立は、わずかに3兆6000億分の1となる!でも、ニューヨーク州では過去に宝くじで100万ドル以上の賞金を2度獲得した人が2人もいたらしい。今度コンビニに行ったらためしに1枚買ってみようかなと、少しばかりの希望を抱いてしまいそうな話でした。
写真:ペンシルバニア州ピッツバーグで11日に行われたパイレーツ対ブリューワーズの試合前、同州シャンクスビルに墜落したユナイテッド航空93便の乗客やクルーを追悼するイベントが行われた。グランドの中央には犠牲者の家族や友人が集まった。 (AP通信より)