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青木の方程式と7月の世論調査

2012-07-14 17:52:02 | 様々な話題
今回のエントリは「世論調査」と「青木の方程式」に付いて書くとする。
世論調査に付いては何を今更って事で、説明しなくとも御存知の方は多いと思うので掻い摘んで書くと、新聞やテレビ等のメディアが、政権発足時や永田町で政局が起こった時、その他、何か特別な事が起こった時に、それに関するアンケート調査、何か特別な事が起こらなくても定期的に世論の動向を探る為に行うアンケート調査の事。

この世論調査に付いては賛否両論が色々と有って、調査を行うメディアの思想心情や主義主張に沿った調査結果が出る様に、アンケート調査時に誘導していると言った意見もある。
新聞の世論調査で言えば、常日頃から購読している新聞社の主義主張を目にしている読者は、知らず知らずの内に、その新聞社の主義主張に沿った考え方を持つ様になると言った、所謂マインドコントロール状態だと考える事も出来るので、その様な読者にアンケート調査をすれば、自然と新聞社の意向に沿う様な調査結果になるのは当然なのかも知れない。

私は個人的に「世論調査と占いは鵜呑みにしない」と言う考え方だから、マスコミが報じる世論調査の結果は眉唾物と言うか、余り信用していないのだが(笑)、そんな事を言ったら身も蓋も無いし、エントリが終了するので、それはそれとして、私とは違い世論調査の結果がとても気になる人種が存在する。
それは世論調査=選挙結果に繋がると考える政治家である。

「政治は義理と人情」だと語っていた自民党の初代副総裁だった大野伴睦は、「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちれば只の人だ」と言う名言を残しているのだが、その言葉通り、議員連中は落選して只の人になりたくないから、選挙に大きな影響を与える要因の一つとされる、自身が所属する政党の支持率が気になるのは至極当然の事だろう。

「コンピューター付きブルドーザー」と呼ばれた田中角栄元首相は、「テレビは世論では無い、新聞も世論では無い、世論とは選挙だ、選挙の結果が世論だ」と述べている通り、選挙至上主義の政治家だったのだが、そんな田中角栄でも心の底では、やはり世論調査は気になっていたのではと推測する。

そんな世論調査なのだが、政権運営に携わる者にとって気になるのは、自民党の元参院議員で「参院のドン」だった青木幹雄が主張していたから「青木の方程式」と呼ばれている、退陣の目安とされる方程式ではないだろうか。
青木の方程式とは、内閣支持率と政党支持率の合計が50%を下回ったら、首相は政権を維持する事が出来なくなり、退陣に追い込まれると言うものである。

時事通信が6~9日に実施した7月の世論調査によると、野田佳彦ドジョウ内閣の支持率は前月比3.0ポイント減の21.3%で、政権発足後最低だった4月(21.7%)を更新し、不支持率も同5.5ポイント増の60.3%で、最高だった4月(55.7%)を上回り、民主党の政党支持率も同1.4ポイント減の6.7%で、2009年の政権交代後の最低記録を3ヶ月連続で更新し、民主党に政権交代した09年10月(29.4%)の約2割にまで落ち込んでいる。

この世論調査の結果を青木の方程式に当て嵌めると、野田内閣の支持率は21.3%、民主党の政党支持率は6.7%だから合計28%となり、50%どころか30%にも満たないと言う非常に低い数字である。
これでは、青木の方程式を当て嵌める迄も無く、退陣の危険水準を超えているのは明らかである。
民主党の政党支持率6.7%と言うのは、政権与党として考えると、もはや壊滅的な数字と言えるものではないだろうか?。

民主党以外の政党支持率は、自民党12.5%、公明党3.1%、共産党1.9%、みんなの党1.0%、社民党0.5%、国民新党0.2%、たちあがれ日本0.2%、支持政党は無しの無党派層は71.4%で過去最高と言う調査結果が出ている。
今回の調査では、オザワンこと小沢一郎らの新党である「国民の生活が第一」は結党前だった為に対象外となっている。

政党支持率の世論調査の結果を見ると、不人気の民主党から自民党等の他政党に支持は移らず、支持政党無しの無党派層へ流れている事が判る。
また、野田内閣の支持率は21.3%、民主党の支持率は6.7%と、内閣支持率と政党支持率に開きがあるのだが、民主党の支持率6.7%と、民主党と「三党談合」した自民党12.5%と公明党3.1%の政党支持率を足すと22.3%となり、野田内閣の支持率21.3%と近い数字になる。

これは偶々なのか、はたまた民自公の談合三兄弟の支持者が野田内閣を支持しているのか?、なかなか興味深い数字である。
最後になるが、今回の世論調査の結果を青木の方程式に当て嵌めると、野田内閣は退陣していても可笑しくは無い数字なのだが、野田佳彦は何を思うのだろうか?。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】