ネッタイムス・ブログ

戯れ言や与太話、何でも御座れ。

激動の2011年と福島第一原発事故の現状と今後の対策

2011-12-31 19:00:10 | 様々な話題
今年最後の株取引となった30日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比56円46銭高の8455円35銭で取引を終え、大納会としては第二次オイルショック後の世界的な不況で株価が低迷した1982年以来29年振りの安値を記録。
また、円の対ドル相場は年間平均で1ドル79円70銭前後となり80円を突破、30日の取引では約1ヶ月振りの76円台に上昇、ユーロは一時1ユーロ99円台を付け、2001年6月以来、約10年振りに100円台を割り込んだ。

株取引の格言で「株を枕に年を越せ」と言うのが有って、年末に換金売りや処分売りした株は垢が落ちて軽くなり、年明けの相場は新年を祝う御祝儀相場で、値が上がり易いと言うのがその理由である。
一方では、逆に「株を枕に年を越すな」と言う言葉も有って、大納会で手持ちの株を売り払い、一旦リセットする事で、気持ちをすっきりさせて新年を迎えると言うのがその理由。

まぁ、こちらは「株を枕に年を越せ」のパロディみたいなもんだけど、バブル経済が崩壊後の景気低迷、アジア株安、サブプライムローン問題、リーマンショックと言った時には、よく聞かれたもんです。
そして今年は、ギリシャの財政問題に端を発した欧州金融危機、日本は「失われた20年」を未だに改善する事が出来ず、更に過度な円高が追い討ちを掛けると言う経済情勢では、「株を枕に年を越せ」が正解なのかどうかは意見が分かれる事でしょうな。

そんな暗い材料が多い時こそ「総悲観は買い」だと言う人も居る訳で、まぁ、「理屈と膏薬は何処にでもくっ付く」って事だね。
経済以外の話をすれば、2011年は国内外で本当に色んな事が起きて、まさに「激動の1年」だった。
中でも福島第一原発事故は、日本の根幹を揺るがす大事件と言っても過言では無いだろう。
原発事故による影響は、エネルギーだけの問題に留まらず、放射能汚染による汚染牛、汚染米、汚染野菜、汚染魚等の汚染食品問題や環境問題、外部被曝や内部被曝による健康問題等、多岐に渡るのである。

原発事故による影響は大きく、多くの問題を抱えるのだが、現実的な視野で見て、私達の生活や経済の事を考えれば、安定的に供給する事が出来る原発の代替エネルギーが確保出来る迄は、悲しいかな原発に頼らざるは得ない状況だと思う。
それらを踏まえた上で、福島第一原発事故を教訓にして、原発の運営面での安全性を高め、同時に原発の代替エネルギーの研究開発に力を入れ、原発に頼らないエネルギー政策を進めて行く事が重要だと思う。

福島第一原発事故では、冷温停止?事故収束?、冗談は顔だけにしてね野田首相にも書いたが、「笑ゥせぇるすまん」の主人公「喪黒福造」みたいな風貌をしたドジョウこと野田佳彦首相が、荒唐無稽に「原発事故収束宣言」をして世間の顰蹙を買った事が記憶に新しい。
これ迄に何度も書いて来たが、東京電力の誰一人として原発事故の現場を目視で確認せず、現場の状況を推測でしか語れない中での収束宣言は、何をか言わんやである。

手術が必要な患者が居たとして、医者が患者を診察したり色々な検査をせずに、推測のみで手術をするだろうか?。
しかも、体の内部では病気が進行中かも知れないのに外見のみで判断して、手術は行わず、大丈夫です。安心です。と言えるのだろうかね?。
福島原発はメルトスルーからサーフェス・フュージョンへにも書いた様な事、そして様々な専門家が指摘する様に、原発事故は過酷な状況かも知れない。
先日、東電は福島第一原発は核燃料がコンクリートを侵食中?にも書いた通り、メルトアウト(東電はメルトアウトとは言っていない)の危険性が有ると発表したばかりである。

それらを鑑みれば、福島第一原発事故は「収束宣言」とは程遠い事態であり、その様な状況下で「収束宣言」した野田首相の判断は、とても正気の沙汰とは思えず、余りに楽観的な思考を持った「お目出度い政治家」だと思うのだが、言い過ぎだろうかね。
野田首相を見ていると、最悪の事を想定して物事に対処しなければならない事を、福島第一原発事故から何も学んでいないのでは?。と感じる。

原発の「安全神話」と言う妄想を信じて、事故が起こった場合を想定しての対策や訓練を怠り、すわ、原発事故が発生と言う事態となった時、慌てふためき手を拱いて、対応が後手後手に回り、日本政府に危機管理能力が無い事を国内外に露呈してしまった。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言う言葉がある様に、福島第一原発事故から何も学ばないのでは、愚者より劣るのではないか?。

福島第一原発事故は、残念ながら未だに放射性物質を撒き散らし、放射能汚染は拡大の一途なのだ。
そんな状況で除染作業をしても、喜ぶのは除染ビジネスに携わる利権関係者のみで、はっきり言えば「税金の無駄遣い」だわな。
今、必要なのは除染では無く、言葉遊びの収束宣言でも無い、本当の意味で原発事故を収束させる事だろう。

何を以て収束かと言うのかは意見が分かれる所だが、大量の放射性物質が放出されている状況を改善する為、石棺で覆う等の措置が完了した時点が、一つの目安と言えるのではないだろうか?。
その為に先ず遣るべき事は、東電が決死隊を募り、原発事故の現場を目視で確認する事だろう。
現在の日本の政(まつりごと)の責任者である野田首相は、早急に東電に原発事故現場を目視で確認させる事を政治決断するべきである。

福島第一原発を石棺で覆うにしても、その他の対策を講じるにしても、先ずは現場の状況を把握しなければ何も進まない。
東電は原発事故に対して、手を拱いてアリバイ作業だけを行い、事故現場を放置しているのが現状である。
東電が何も手を打たずして、勝手に原発事故が収束してくれるのなら何の問題も無いし、それはそれで結構な話だが、そうでは無い筈だ。

東電が自主的に動かない現状ならば、政治が東電を動かさなければならない訳で、今の政治の責任者である野田首相がリーダーシップを取り、腹を括って決断しなければ、原発事故の状況は一向に改善されないのである。
野田首相の責任は重大だが、原発事故による放射能汚染は待った無しだから、国民の為に早急に決断しなければならない。
「愚かな為政者の失政で、不幸になるのは国民」なのである。

最後になりましたが、今年最後のネッタイムス・ブログのエントリなので挨拶をと言う事で。
今年1月18日にブログとして復活した「ネッタイムス」ですが、早いもので11ヶ月を超えました。
御愛読して頂き誠に有り難う御座います。
メールやコメント欄に、色々な御意見や情報提供を頂いた方々にも感謝致します。
今後とも、御愛読、御意見や情報提供を宜しくお願い申し上げます。
読者の皆々様にとりまして、来年は良い事が有ります様に。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】