「認知地図」というものがあります。
人間や動物が環境に対してもっている空間的知識を
地図に見立てて言い表したもので、多くの場合、
私たちが一般的に目にする「地図」とは位置関係が大きく異なります。
なぜなら、私たちが感じる「心理的距離」は、
地図上の「ユークリッド距離」とは異なるからです。
たとえば、同じ10kmであっても、舗装された道路と山道やぬかるんだ沼地では
通過にかかる時間がそれぞれ大きく異なるでしょう。
後者の場合、「ユークリッド距離」で10kmの距離が、
「心理的距離」では20km(相当)になるかもしれません。
ところが、「心理的距離」は非常に複雑な要素から構成されるため、
その復元は困難です。
しかし近年、GIS(地理情報システム)を利用して、
ユークリッド距離を心理距離に近づけることができるようになってきました。
現在、もっとも一般的に行われているのが、
「地形の傾斜角度」からユークリッド距離を修正する方法です。
地理学者toblerの提案した「ハイキング関数」という式を用いて、
ある点からある点に、どれぐらいの「時間」がかかるかを計算できます。
「遺跡間の隔たり」や「資源産出地までの距離」などを考えるとき、
このアイデアは重要になると考えます。
古代人は「ユークリッド距離」ではなく「心理的距離」で
距離をとらえていたと思われるからです。(いなはた)
人間や動物が環境に対してもっている空間的知識を
地図に見立てて言い表したもので、多くの場合、
私たちが一般的に目にする「地図」とは位置関係が大きく異なります。
なぜなら、私たちが感じる「心理的距離」は、
地図上の「ユークリッド距離」とは異なるからです。
たとえば、同じ10kmであっても、舗装された道路と山道やぬかるんだ沼地では
通過にかかる時間がそれぞれ大きく異なるでしょう。
後者の場合、「ユークリッド距離」で10kmの距離が、
「心理的距離」では20km(相当)になるかもしれません。
ところが、「心理的距離」は非常に複雑な要素から構成されるため、
その復元は困難です。
しかし近年、GIS(地理情報システム)を利用して、
ユークリッド距離を心理距離に近づけることができるようになってきました。
現在、もっとも一般的に行われているのが、
「地形の傾斜角度」からユークリッド距離を修正する方法です。
地理学者toblerの提案した「ハイキング関数」という式を用いて、
ある点からある点に、どれぐらいの「時間」がかかるかを計算できます。
「遺跡間の隔たり」や「資源産出地までの距離」などを考えるとき、
このアイデアは重要になると考えます。
古代人は「ユークリッド距離」ではなく「心理的距離」で
距離をとらえていたと思われるからです。(いなはた)