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NEOMAP Web Forum

総合地球環境学研究所プロジェクト4-4「東アジアの新石器化と現代化:景観の形成史」のwebフォーラム

明日からの景観ワークショップ-新石器化と景観-

2008-10-30 19:42:23 | NEOMAP本部
リマインダー

日時:2008年10月31日(金)・11月1日(土)
場所:総合環境学研究所 講演室
内容:
1日目(10月31日)

13:00-13:50 オープニングスピーチ 内山純蔵(総合地球環境学研究所)
       「行ったり来たりの新石器化-縄文の景観変化を中心に-」

第一部 基調講演 司会 小山修三(吹田市立博物館)
13:50-14:35 クリストファー・ギラム(サウスカロライナ大学 米国)
       「文化景観の実証的モデリング」
14:35-14:45 質疑応答
14:45-15:15 休憩
14:15-15:45 サイモン・ケイナー(セインズベリー日本芸術研究所 英国)
       「「新石器化」再考-中部日本を対象にして-」
15:45-16:30 バーバラ・サイオク(テュービンゲン大学 ドイツ)
       「磁器と窯址からみた海の景観-日本中近世の海上交易-」
16:30-16:40 質疑応答
16:40-16:55 セルゲイ・トカチェフ(国立海洋大学 ロシア)
        キリル・バザロフ(国立海洋大学 ロシア)
        アレクサンダー・ポポフ(極東総合大学 ロシア)
        アンドレ・タバレフ(科学アカデミー極東支局 ロシア)
        ミハエル・ベルシュキン(極東総合大学 ロシア)
       「南沿海州の集落における自然景観の発達史」
16:55-17:00 質疑応答

2日目(11月1日)

第二部 研究発表 司会 溝口孝司(九州大学) 金壮錫(慶煕大学)
09:30-10:05  瀬口眞司(滋賀県文化財保護協会)
       「選択型景観から創出型景観へ-琵琶湖周辺の後氷期適応-」
10:05-10:15 質疑応答
10:15-10:50  金壮錫(慶煕大学 韓国)
       「平等と不平等の原理-韓国西南の無土器時代における
                 埋葬システムの変化と社会経済的景観」
10:50-11:00 質疑応答
11:00-11:20  休憩
11:20-11:55  大西秀之(同志社女子大学)
      「アイヌの文化的景観の形成-狩猟採集民社会における景観変化-」
11:55-12:05 質疑応答
12:05-13:30 昼食
13:30-14:05 溝口孝司(九州大学)
       「景観について何をいかに語ることが可能か:社会考古学的視点から」
14:05-14:15 質疑応答

第三部 討論 司会 内山純蔵(総合地球環境学研究所)
14:15-15:15 討論 ディスカッサント 小山修三(吹田市立博物館)
15:15-15:25 閉会

言語:日本語・英語(同時通訳有)

アクセス:http://www.chikyu.ac.jp/rihn/access/index.html
JR京都駅より:地下鉄烏丸線「国際会館」下車。国際会館駅前バス乗り場「2」から、
京都バス40系統(京都産業大学行き)に乗車(所要6分)し、「地球研前」下車。
京阪沿線より:出町柳で叡山電鉄鞍馬線に乗り換え、「二軒茶屋」下車。徒歩10分。

新石器時代の概念は、ヨーロッパ学界でも再考を迫られているようです。
ベルリンでの先史時代の学会(テーマは「定住化」)から帰国した内山代表。
また、中世・近世研究者も加わることで、
これまでにない新石器時代を対象にした議論を期待します。
(makiba)

地球研FSシンポジウムが開催されました

2008-10-27 21:35:38 | NEOMAP本部
地球研FS研究シンポジウムに部分参加いたしました。プログラムは下記のとおり
盛りだくさんでした。このプロジェクトはNEOMAPが所属する文明環境史領域プロ
グラムの一つで、歴史系のプロジェクトが増えることは心強いことです。
ということで、

心強かった点1:粘土板文書の研究発表で、精度の高い編年は細かな環境変動を知
るために役立つ、というコメントです。これは、粘土板文書には農業関係の記述が
あることのみならず、粘土版に含まれる珪藻などから当時の微環境を知ることがで
きるということです。伝統的考古屋としては、土器編年の精緻化も歴史事象のきめ
細かな復元を通じて景観や環境の変遷に役立つ面があるのだ、ということを思い返
しました。単に、今度の地球環境学事典で「土器編年」というややなじまない?項
目に面食らった直後ということだけかもしれませんが。

心強かった点2:多彩な各領域研究をまとめるモデルの1つとしてAgent-based
social modelについて言及されていたことです。最近はやや停滞気味な自分の
Agencyモデリングにすこしばかり、光が射した気がしました。さまざまな情報を統
合し、判断し、行動する主体としてのAgent/Agencyを歴史事象や景観の解釈に組み
込めたら面白いと思っているのですが、、、(おおき)

プログラム
メソポタミア文明における王朝の興亡と環境
―前三千年紀後半の環境と塩害の検証―
2008年10月27日(月)総合地球環境学研究所セミナー室3・4(使用言語:英語)

セッション1 メソポタミアの環境と塩害 (司会 M. ヴィデル)
13:30-13:35 ご挨拶(渡邉紹裕)
13:35-13:45 イントロダクション(渡辺千香子)
13:45-14:00 農業(M. ヴィデル)
14:00-14:15 社会政治・文化的領域(G. ゼルツ)
14:15-14:30 古環境(T. J. ウィルキンソン)
14:30-14:45 メソポタミア北部の環境プロキシ:テル・ブラク
(A. M. マクマホン)
14:45-15:00 粘土板研究(J. テイラー)
15:00-15:15 生物指標(辻彰洋)
15:15-15:30 コンピュータ・モデリング:人間と自然のプロセスの統合
(M. アルタウィール)

セッション2 粘土板文書の研究 (司会 J. テイラー)
第一部 粘土板の製作方法についての観察と仮説
15:50-16:00 イントロダクション(渡辺千香子)
16:00-16:10 粘土板文書の「創造」と「破壊」(J. テイラー)
16:10-16:20 メッセージの媒体:初期王朝時代のシュメール語粘土板における
物理的特色(G. ゼルツ)
16:20-16:30 粘土板の行間を読む:科学的・地質学的特性の顕現
(M. ビヒラー)
16:30-16:40 質疑応答

第二部  製作方法と材料の科学的分析方法
16:40-16:50 粘土焼成物の化学組成に混和材が及ぼす作用(J. シュテルバ)
16:50-17:00 顕微鏡を用いた粘土板の観察(辻彰洋)
17:00-17:10 携帯型XRFおよび携帯型帯磁率計による粘土板の非破壊分析
(内田悦生)
17:10-17:20 質疑応答
17:20-17:40 まとめ(M. シヴィル)

文明環境史領域プログラム講演会のお知らせ

2008-10-27 16:56:59 | NEOMAP本部
各位

総合地球環境学研究所 文明環境史領域プログラムでは、
ピーター・ジョーダン氏(英国 アバディーン大学准教授)を
お招きし、講演会を下記の通り開催いたします。
北ユーラシア考古学の現状、および環境との関係史について
お話をいただきます。
ご多忙のおりとは存じますが、皆さまのご参集をお待ちしております。



■テーマ 
“新石器時代”から“新石器化”へ
-北ユーラシアにおける人類と環境の関係史の再構築-

■講 師 ピーター・ジョーダン(Peter JORDAN)氏
        (英国 アバディーン大学准教授)

■日 時 2008年11月10日(月)   
(14:30~16:30講演 14:30~15:30 デスカッション 15:30~16:30)

■場 所 総合地球環境学研究所・セミナー室3・4

■デスカッション(15:30-16:30)    
  コーディネーター:内山純蔵(RIHN)
  デスカッサント:クリストファー・ギラム氏(サウスカロライナ大学)

■言 語 英語
■主 催 文明環境史領域プログラム(主幹:佐藤洋一郎)
■アクセス http://www.chikyu.ac.jp/rihn/access/index.html
JR京都駅より:地下鉄烏丸線「国際会館」下車。国際会館駅前バス乗り場「2」から、
京都バス40系統(京都産業大学行き)に乗車(所要6分)し、「地球研前」下車。
京阪沿線より:出町柳で叡山電鉄鞍馬線に乗り換え、「二軒茶屋」下車。徒歩10分。

講師紹介 ピーター・ジョーダン氏 英国 アバディーン大学考古学部准教授
1969年生。シェフィールド大学で博士号を取得。同大学講師を経て、現職。
専門は、北ユーラシア考古学。博士論文題目は、『シベリア狩猟採集民の
民族考古学』(Ethnoarchaeology of Siberian Hunter Gatherers)。
最近では、フェノスカンディア地方(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、
コラ半島の総称)など北ヨーロッパ内海東部における文化的景観に関する研究を
主に行っている。


(お問い合わせ)
総合地球環境学研究所(担当 槙林)
Tel:075- 707- 2482(直)
(makiba)

第3回地球研国際シンポに参加して

2008-10-23 16:36:37 | NEOMAP本部
「島の未来可能性:固有性と脆弱性を越えて」というテーマで昨日から2日間、15
名の発表と議論が行われました。プログラムの詳細は地球研HPにあります。
本プロの研究にも関連しそうな内容があった点は興味深く感じました。それは地球
研のプロジェクトとしての立ち位置、多領域との協同可能性を考えるときに重要で
はないかと考えています。
第一に、島の未来可能性を議論するときのトレンドが、単なる保護protectionから
持続的利用sustainable useへシフトしている=近年の文化的景観の研究や保全の
議論でも同様と思います。
第二に、島の環境を考える時にその資源の限定性ゆえに交易など外界との交流活動
が重要なファクターになるという指摘=北陸地方の景観変遷史を理解するときにも、
縄文から近世まで交易・交通活動が重要な要素となりそうです。

自分の研究にとっても考える素材がいくつかありました。
済州島に関する発表では、在地社会の価値観に消費的な側面と環境保護的側面が
衝突を起こしているという説明がありましたが、Social Agencyのなかで相反する
価値観が同居することで互いに抑制し、結果としてあるバランスをとっている面、
いわゆる相補性もあると理解することもできるのではないでしょうか。
また、各島が抱える現在の問題は詳細に報告され議論されましたが、個人的には
その時にその問題が顕在化してきた時間的経過=歴史や関連するコンテクストを
もっと考慮してもよいのではないかと感じました。
例えば、湯本氏の発表で取り上げられた竹富島の種子取祭の継承について。
祭りの内容は多彩で豊穣祈願から曽我兄弟の物語まであり、時代を経ていくうちに
さまざまな要素が追加された蓄積の歴史の結果として現在の種子取祭があるといえ
そうです。ちなみに粟を対象としていますが現在では食料としての意味はほとんど
ないようです。つまり、祭りの内容とその社会的意義は時代とともに変化して
(追加や削除されて)きた可能性が高く、現在の祭りの社会的意味を考える時には
その過程を考慮に入れる必要があると思います。そしてそれは未来に向けてその
祭祀を継承する目的あるいは意義は何かという議論の重要な一部となるはずです。

以上、雑感でした。京都は昨日から(おおき)

かっこいい!ビールの広告!

2008-10-22 23:59:37 | NEOMAP本部
 たかがビール?かもしれないが,(実は私もそこまで世界が面白く見えるか
どうかはわからなかったが),とても重要な素材になりえるかもしれないと
思うようになっている。
 たとえば,この写真であるが,台湾の若者が元気よく快活にビールを持って
いる。ビールそのものではなく,この広告を見た人々はその雰囲気に浸るし,
広告をしかけた会社はまさしくそういった人をターゲットにしているわけであ
る。と,ここまでは,コカコーラでも資生堂TSUAKIでも同じ構図である。しか
し,たんに会社の政略的な広告的価値にだけにとらわれると,それだけになっ
てしまう。むしろ,なぜこのような広告が世に出されたのかを考えると,売り
出そうとする会社と,そうした世界を良いとする,あるいは欲している雰囲気
があることに気付く。このあたりはメディア学ではあたり前かもしれないが。
 スタリッシュ,新世代,かっこいいなど受け取る感じ方は,いろいろある
かもしれない。でも,昨日のフォーラムに書いたが,お父さんが会社で一日
仕事をして,一家を支える自宅に帰り,ねぎらってもらいながら飲む「瓶ビ
ール」とは,情報発信源の意識も受け取る側の意識もまったく異なることは,
すぐにわかると思う。ここに世界観すなわち景観の相違や変化がうかがえるの
である。
 しかし!ビールがそうさせているのはない。ふと,見渡すと,車も然り,
化粧品も然り,生命保険もそうだし,はたまた清酒や焼酎も仲間入りを果たそ
うとしている。(makiba)