お人形と同じ部屋で寝起きしている私

お人形好きでけっこう沢山持ってます。専用ブログもあります。こっちでは家族と猫2匹と他の趣味や暮らしぶりなど語ります。

転移読了

2010-04-27 20:11:27 | 日常生活、もしくは趣味
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去年の今日は存命して活動していた、その翌月には鬼籍に入ってしまった中島梓氏の絶筆癌闘病記です。復刊して長いこと放置してたのですが、来月中島氏の一周忌でもあり、読み出すと一気に読んでしまい、今更ながら、筆者のバイタリティに驚かされます。でも癌って本当に極限まで意識があるんですね。4月にはピアノのジャズライブをやって、持続する腹痛、背痛、脚の浮腫などと闘いつつ、家族の為に美味しい物を沢山作って食べさせて、自分は食べられなくて(抗がん剤の副作用か、病気のせいか)綺麗な着物を着て花見を楽しんで、友人たちとお茶をしたりして、その翌月には亡くなっていらっしゃる。この闘病記の他にも小説を書いたりしてらっしゃるのだから、本当に凄い人だとしか言えない。でも彼女は自分を鬱で買い物依存症だったし拒食症でとか卑下してらっしゃるが、自己評価が決して低かったわけでも無さそうなのだけれど、とにかく書くことが大好きだった人だった。

彼女が日記で、その日拵えたおかずのメニューを読むだけで、涎が出てきそうになる。それを彼女は口にすることが出来ない。美味しい物をもっと沢山家族に食べさせてやりたかったと記述がある。「中島梓のおいしいおかず」として一冊本が出せそうなほどだ。

11月頃の日記に珠玉の(私にとって)ことばがあって線を引きたかった。

5月17日の日記「ま・・・・・・」で終わっている。このあと昏睡状態になり意識が戻らぬまま10日ほどで亡くなっている。
「ま」の続きは何だったのだろう。
まだ書きたいことが沢山ある。
まだまだ生きていたい。やることがまだ残っている。
まだ今日も命がある。
また今日も目を覚ますことができた。・・・・それは今更判りようもないけれど。

大変なこともあったでしょうけれど、それを自力で乗り越えてきた、そう彼女が最初に乳癌に罹って右の乳房を摘出した時に己を「闘う為に自ら乳房を切り落とした女戦士アマゾネス」と例えたように。

グィンサーガは未完のまま1年を迎える。

ありがとう中島さん。この本を読んで私は少し元気を分けてもらえた気がする。
コメント
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