南房総館山・なぎさの自然詩

館山湾のコチドリ 2024年観察記録その1


今年のコチドリの初見は2024/03/22でした。
この時は館山湾南側の海岸で3羽のコチドリを確認。
そして2024/04/05には館山湾北側の海岸で4羽、おそらく2組の夫婦と思われます。
その後館山湾南側の海岸でも2羽、1組の夫婦がいました。
今のところ4組のコチドリ夫婦が館山湾で子育てを始めようとしているようです。
館山湾で3月下旬頃から見られるコチドリは、遠くはフィリピン等の東南アジアで越冬し、繁殖の為にはるばる数千kmを渡って来るのです。
大きさはスズメ位の大きさですが、砂浜を歩くスピードがとても速くて驚きます。
体色は繁殖期特有の黄色いアイリングとおでこにある黒色、嘴から目を通る黒色模様があり、首にはぐるっと白色の筋があります。
目の後ろの羽毛が色が濃いのがオスで、淡い褐色がメスです。
上の写真のコチドリは目の後ろが淡い色なので、おそらくメスだと思います。
英名はLittle ringed plover、アイリングのある小さなチドリと言います。
和名であるコチドリの名の如く日本で最小のチドリです。
更に千葉県ではレッドリストのカテゴリーB重要保護生物に指定されています。


気温が上がり始めた2024/04/13には館山湾南側のコチドリが求愛行動していました。
オスが尾羽を広げ、その下にメスが潜り込んで頭を上下して、その後交尾をしていました。

2024/04/16は館山湾南側の別の海岸でも求愛行動し、この時はオスが体を膨らませてメスを追いかけていました。
オスが近づくとメスが逃げる素振りを見せて交尾を拒否しているようです。
その後砂浜に移動して、2羽で穴を掘る行動をしていたので不思議に思っていました。

そして砂丘の植生を見ていたら、コチドリが作ったと思われる小さなくぼみがたくさんあり、それを見ていたらなんと偶然に卵を見つけました。
ウズラ卵位の卵が4個あり、その卵の下には小さな貝殻の欠片が綺麗に敷き詰めてありました。
既に卵を産んだ後だったので交尾をしなかったのだと納得出来ました。
2024/04/16に見つけた卵はいつ産んだのか分かりませんが、産卵後約3週間で孵化するので、ヒナが見られるのは早くて2024/05/07です。
捕食等されずに無事にヒナが孵化してほしいと願っています。
コチドリの生態について少し触れますと、孵化した後のヒナは直ぐに歩き始め、自分で餌を探し食べ始めます。
コチドリは樹上で営巣する鳥と違い、親がヒナに餌を運び与えることをしないのです。
ヒナが採餌中に親鳥は側にいて、常に周りを警戒し、外敵の危険があれば鳴き声で知らせます。
孵化したヒナが飛べるようになるまで約3週間かかるので、どのように危険を回避するかというと、その場でジッとして動かなくなるのです。
海岸で特殊な子育てをするコチドリですが、様々なハプニングがあります。
観察を始めて今年で4年目になりましたが、毎年無事にヒナが成長することはあまりなく、今年は何が起こるのか不安に思うこともあります。
今年こそは生まれた4羽のヒナ達が全て成長し、無事に巣立つ姿を見られたら嬉しいです。
















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