goo blog サービス終了のお知らせ 

南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

布袋石と吊るし雲

2024-01-23 20:32:16 | 海岸での出来事

今朝は館山湾の空に赤く染まった吊るし雲が浮かんでいました。
こんな雲を見たのは初めてです。
この後からどんどん風が強くなり荒れ模様の天気。
昼過ぎに風が弱くなったので海岸へ行ってきました。


ちょっと気になっていたことがあって、風吹く中をビーチコーミング。
それは昨日海岸で出逢ったハナデンシャです。
綺麗な赤い斑点のあるウミウシの仲間で、生態があまり良く分かっていない生き物なのだそうです。
昨日海岸に打ち上げられていたのですが、大きさは20cm位で弱々しく動いていたので生きていると思い、海へ放しました。
そんな事があり、今日もハナデンシャが打ち上げられていないかと思ったからです。
同じ場所を探して歩きましたが見つからず、諦めて帰ることにしました。

太陽が眩しく、更に風もやや強い中でのビーチコーミングに私は慣れてなくて少し疲れます。
それでも何かを見つけようと目を凝らして砂浜を見ていると、イルカの耳骨がありました。


白い石灰の付いた化石化した布袋石のようでした。

最近の南房総はとにかく風の強い日が多く、南寄りの風と北寄りの風が交互に強く吹いているような感じで、ちょっと異常な天候です。
こんなに異常気象が続くと海岸で暮らすシロチドリの事が気になっています。
風が強い時には餌を探すことが出来ず、いつもの季節通りの行動が出来なくなってしまわないかと心配です。
春になれば繁殖期になるので、この強風がいつまでも続くようだと子育てにも影響がありそうです。
自然の中で暮らす生き物達は強風という自然現象一つで、その命を存続出来なくなる事態にもなりそうなので、今年はシロチドリ達の生態を観察して、その変化を見守りたいと思っています。


海岸奥の草地で休憩中のシロチドリ。
2023/12/30撮影。




ザトウクジラとオオセグロカモメ

2024-01-21 17:17:18 | 海岸での出来事

ザトウクジラが漂着していると聞き、南房総市和田浦海岸へ行ってきました。
駐車場から海を見ると、波打ち際にある大きな岩のように見えました。
近くで見るとほとんど表皮が剥がれて、体が白色になっています。


脇腹には大きな傷があり痛々しい姿で波に洗われていました。
ニュースで体長11mのザトウクジラだと知りましたが、大人のオスで13〜14m、メスで15〜16mとの事なので、このクジラはまだ子供のようです。
昨年12月にも南房総市岩井海岸で死んだザトウクジラが打ち上がっていたのですが、そのクジラは今回のものより小さい感じで、こちらも子供のようでした。
どうして子供のクジラが親から離れて死んでしまったのか不思議です。
死んでしまったクジラの調査をしている国立科学博物館のHPを見ると、ストランディングデーターベース内のストランディングマップstrandingmapには南房総市で2009年12月19日に9mのメスのザトウクジラが定置網で混獲されていました。
定置網は上面に蓋があるため、クジラやウミガメ等が間違って定置網内に入ってしまうと海面上に頭を出すことが出来なくなってしまいます。
一度迷い込むと出ることが出来ず、呼吸も出来ずに弱ってきて最終的には溺死です。
南房総市和田浦海岸と岩井海岸の沖にはどちらも定置網があります。
その2か所で子供のザトウクジラ2頭が死んで海岸へ打ち上げられた事実があり、何が原因でそうなったのか理由を知ることは出来ません。
でももしクジラやウミガメが迷い込まないような定置網の構造になれば、助かる命があるかもしれません。
このザトウクジラのように大人になれずに命を落とすことがなくなれば、とても嬉しいことです。


同じ海岸では弱っているような感じで座り込んでいたオオセグロカモメがいました。
近づいても逃げる素振りを見せず、じっとして動きたくないみたいで病気なのか、もしかしたら鳥インフルエンザなのかと思いました。


同じく漁港にいたユリカモメの群れに混じっていた1羽のセグロカモメ。
カモメ類は普段ならこんな風に仲間のカモメと一緒に休憩しています。
砂浜で1羽でいたオオセグロカモメと死んでしまったザトウクジラを見て、生きている時は仲間と一緒にいるけれど、死ぬ時は皆ひとりだと感じました。