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南房総館山・なぎさの自然詩

シロチドリとネジガイ

春の大潮は午前中に干潮を向かえ、1年の中でも干満の差が大きく感じます。
昨日(2024年4月11日)は中潮でしたが、潮の引いた磯は広々としていました。
その磯では漁師さんや海女さんがヒジキ刈りをしている姿も見られ、ヒジキでいっぱいになった籠を背負い浜を往復しています。
ほぼ水分の様なヒジキ等の海藻はとても重いので、大変な重労働のことと思います。
この後ヒジキは砂浜に広げられたビニールシートに集められ、クレーン車で引き上げてトラックの荷台へ載せられ運ばれて行きます。

潮の引いた磯には夏羽に変わりつつあるメダイチドリが4羽いました。


場所を移動してシロチドリのいる海岸へ行くと、最初に目に入ってきたのはネジガイ。
約2.5cmとかなり大き目で薄茶色に白い縦線が見えています。
一巻一巻にある細い縦線(糸状縦肋)は上下で連接し、殻口の近くにある一本の白い横線がこの貝の特徴だと原色貝類図鑑にありました。
更に一巻一巻の間に濃いめ茶色い線も見られます。


波打ち際を歩くと浜の上ではシロチドリが休憩中。
オスが3羽、メスが3羽が集まり、皆ウトウトしています。


少し離れた場所ではオスが3羽で採餌中。
3羽で同時に脚を素早く動かし、まるでダンサーのように見えます。
その内の1羽がハマダンゴムシを食べるところを観察出来ました。

そして一番気がかりだったのはこの海岸の東寄りに見つけたシロチドリの卵の様子です。
4/2に3個の卵と抱卵を確認していた巣はどうなのでしょうか?
夫が確認しに行くと、残念ながら卵は無くなっていたそうです。
春になるとこの海岸へやってくるシロチドリは、他の鳥達にとって捕食対象なのです。
海岸にある砂止め杭の上ではカラスが卵やヒナを狙っています。
更にトビは砂浜の上をグルグルと旋回して探しています。
絶滅危惧種のシロチドリの卵やヒナは、数が減ってきているにも関わらず、外敵の方の数が多いので、なかなか繁殖に成功しないのです。
しかしシロチドリの親鳥は卵やヒナが居なくなると、直ぐにまた繁殖の準備を始めます。
その姿を見ると野生の本能の凄さを感じます。
人間のように悲しむことは無いように見え、常に前を向いて生きているシロチドリです。


砂丘に咲くハマニガナの花。
小さな生き物達が暮らしやすい海岸になりますように。








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