たのしい夢日記

京都奈良寺社巡り・思い出・読んだ本…日々のあれこれを写真と共に。

渡辺淳一さん(2)

2014-06-09 19:38:30 | 読んだ本について
(2)といっても(3)は書かないかもしれないが

先日亡くなった渡辺淳一さんの本を読もう、とお気に入りの「化粧」を本棚から取り出してみた。

・・・読みづらい・・・

進む老眼、進む本の老化…無理もない、私は老眼始まってかれこれ10年にもなる。
本は20代後半に札幌に住んでいた時買ったものか、あるいは大阪に来てすぐ位に買ったものだ。前者なら四半世紀前、後者でも20年近く前の事になる。

本の後ろを見てみると、どうも古書店で買ったらしきシールがついている。どこかは、全く記憶にない。古書としてはきれいな状態のを買ったようだが、今となってはすっかりヤケが出、茶色っぽくなった紙に薄くなった文字が見にくい。しかも字が小さいのだ!
今の本は紙が酸化しないように加工したりしているのだろうか?

ただでも最近目が疲れて頭痛が出たりするのに、この読みにくいのを無理して読むのも大変、とアマゾンで新しく購入することにした。
比べて一目瞭然!紙がきれいなのは当たり前だが、やはり最近の本は(新聞もだけれど)字が大きくなっている。

しかし、前回この「化粧」を読んだときには気づかなかったのだから、老眼も相当進んだのだろう。同居人に、写真のように並べて見せても、字の大きさが違う事に気付かないのだ。「字の大きさ、全然違うでしょ」と言われて「あ、ほんとだ」と言う。同居人は老眼来ていないのだ。


読み進めてみると、ここ3年はこの本を読んでいないことが判明した。

この小説には京都の色々な場所が出てくるのだが、今回読んで初めて「ああ、このシーンはここだったんだ!」と気づいた場所があり、それはここ3年のうちに私が訪れた場所だったからだ。
お墓詣りが真如堂、というのは、何度も読んでいるはずだけれど、意識には登ってこなかった。行ったことがなかったからだ。

ヒロインの一人が訪れるのは秋の、彼岸花の頃だけれど、私が行ったのは去年、木槿の咲く9月初めで、少し早い、とはいっても3週間ばかりの違いだが、小説が書かれた頃と比べると地球温暖化が進んでいるのがわかる!

小説の中ではすっかり秋らしい様子なのだが、私が行ったときは真夏の暑さで、その暑さの中歩いて写真とったり、それ程メジャーでない真如堂までふうふう言いながら登っていく(高台にあるので)物好きは私くらいだったようなので。このブログにも書いているが、私一人しか参拝客がおらず、お寺の人がずいぶん長い事説明してくれたのだ。





静かなたたずまいについては小説の通りだけれど。





もう一人のヒロインが人気の少ない蓮華寺を選んで、静かな、池のある庭を見下ろして、紅葉を楽しみながら恋人と語り合う、というシーン。
ここも、「あ、蓮華寺だったんだ」と初めて気づいた。ここには私は2012年の10月に行っている。無論、紅葉にはほど遠い時期だ。

ただ、こぢんまりした庭なのに、お堂や木々、池の配置が絶妙、よいお寺で、静かに座って落ち着いて景色を眺められたのが印象的で、小説でも同じような雰囲気で書かれている。




と言う事は前回「化粧」を読んだのは、私が「メジャーどころでない京都撮影」を始めた、2012年より前だったということだ。3年前位だったとしたら、そこまで老眼は進んでいなかったはず、古い本でも問題なく読めたのだろう。

今回読んでみて、東山あたりの石塀小路や高台寺への道、白川沿いのお茶屋、たつみ橋とお稲荷さん、嵐山の鵜飼舟、都おどり、描写される場所が紙面から浮き上がってくる感じがした。どれも行ったことがあり、経験済みだから。

京阪電車の線路を越え…などとあるとあれ?と思ったりはするが(今は地下を走っているので)京都の雰囲気というものはあまり、変わっていないのだろう。今から30年以上前に書かれたものだけれど。
千年の歴史の前には30年など。




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『比叡山・新緑』

2014-06-02 01:28:06 | 現実
眼科でパソコンストップかかっていたので、なかなか更新する事が出来なかった。

ストップされても職場では使うんだけれど、なるべくなら使わない方が、というので職場以外ではスマホも控えていた。
最近は頭痛もましになったし、そろそろいいだろう。

GWはお天気が良い日が多かったが、同居人は仕事が入るというので特に旅行などの予定はなし、一日ドライブに行くという事でなった。

比叡山は3年前の11月、このブログにも書いているが物凄い寒風吹きすさぶ中登ったことがあり、震えながら延暦寺のあちこちで紅葉を撮った。

今年はうってかわって明るい日差し、暑い位の一日だがさすがに山頂の風は爽やか。
GWと言う事もあり、メインの国宝・根本中堂の辺りは3年前とは比べ物にならない位人が多い。


日本天台宗の基礎を築いた円仁、円珍、融通念仏宗の開祖良忍、浄土宗の開祖法然、浄土真宗の開祖親鸞、臨済宗の開祖栄西、曹洞宗の開祖道元、日蓮宗の開祖日蓮など、新仏教の開祖や、日本仏教史上著名な僧の多くが若い日に比叡山で修行していることから、「日本仏教の母山」とも称されている。

という延暦寺だからなのか、「絵看板」が多いのが、山の爽やかな空気を楽しんでいる身にはどうも興をそぐ感じがしないでもない。上記の僧たちの軌跡が絵で説明された続き物の絵看板が沢山、山道に並んでいるのだ。
「わかりやすく」説くのがモットーなのか?正直うまい絵でもないし金属の看板なんであまり有難味がない。

一昨年永平寺に行った時も同じような事を思ったけれど、お坊さんの一大修行地、という所はそんな感じになってしまうのか。
永平寺はさらに「学校」風だったというイメージだ。


歩き回ると境内中、石楠花が花盛りだけれど、桜も結構残っているのがさすがに山の上。気温もずいぶん違うのだ。

3年前には暖かい「比叡山蕎麦」を食べたら新聞紙が入っていた、という話を書いたが、今回は冷たいお蕎麦を同じ食堂で頂き、横川の方へ比叡山ドライブウェイを。ドライブでなく、山歩きで来る人たちもいるけれど、我々はそこまでの根性はなかったので…

新緑も、時折姿を現す琵琶湖も目を楽しませてくれるドライブウェイだ。Z4も屋根を上げてオープンで走ると風が心地よい。






横川まで来ると、人は急に少なくなる。

鶯の声が響いて、ようやく、「山に来たんだ」と言う実感が。



お気に入りのサイト、sodakyotoにも写真が出ていた根本如法塔、来てみるとほんとうに小さな御堂、という風だ。青紅葉との対比が素晴らしい。

このあたりは本当に山の中をてくてく歩くいい散歩道。

途中の分かれ道にある鐘をついてみると音が山の中に響き渡った。







デジブック 『比叡山・新緑』
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