こんにちは。
tomoです。
どうしても書きたいことがあって書きます。
人魂についてです。
随分昔、幼い頃に家族と山道を迷ったことがありました。
父が登ろうと言った山を朝から家族全員で登り、降りる頃には午後の2時くらいから下り始めることになったのです。山道を降りていくとき、どうしたんでしょうか、父も母も、山道を外れようとします。
「ママ、こっちじゃないよ」
「パパ、ここ道じゃないよ」
「お兄ちゃん、聞いてよ」
三人は寡黙になって降りていきます。で、案の定道を反れ始めました。もう道なんだかがけなんだかわからない道を降りていきます。
私は当時まだ小学校に入ったばかりで、ついて行くのに必死でした。
ふと気がつくと、前のほうに灯りが見えます。
すると母がやっと口を開きました。
「この道でよかったのね」(でも道じゃないんですが・・・・)
父が言いました。
「駅の明かりが見えてきた」
・・・・・・・私は必死でした。あの灯りまで行けば、電車の駅になる。だから一生懸命がんばろう。でも、行けども行けども、灯りにはたどり着けません。
「ねぇ、あれ、本当に駅なの?」
そう私が尋ねると兄が言いました。
「馬鹿だなぁ、あれが駅じゃなくて何なんだよ。もうじき着くんだ。」
・・・・・・・・子供ながらに思いました。
駅の明かりって、そんなに近所に見えるなら、何故追いつかないのでしょうか。何故、いつまで歩いても崖なんでしょうか。いつまで山道を下ればいいのでしょうか。朝、歩いた記憶のある場所にはまだお目にかからないのです。
本当に灯りは駅なんでしょうか。で、どうして、同じ大きさの灯りのままなのでしょうか。
そうして、もう子供の私が理性が飛んで、とにかく着いていくだけに必死で置いていかれまいとそれだけでジンジンする足を運んでいたとき、
「ぱぁっ」と、
線路が前に出てきて、その向こうに駅舎が見えました。
私たちは、山麓の道を勝手に下がって、駅舎の裏に出たのです。
駅の表参道から登った山を駅の反対側から降りてきたのです。
そして電車に乗って父が地図を広げたとき、言いました。
父「灯り、あの灯り不思議だったな。もう迷ったんじゃないかと不安になるたび、大きく揺れるんだ。まるでこっちだよといわんばかりに。」
兄「そう。ゆらゆら動いてたけどさ、駅の灯りの数と違ったね」
母「無事でよかったわ。tomoもよくついて来れたわね」
私「・・・・・・・・・・・・・(既にぐったり)」
そんな話がありました。
思い出したんです。
いきなり、駅舎を思い出し、裏手から夜遅く(7時半くらいだったと記憶しています)駅舎に、線路を横切って、家族でなだれ込んだのを。切符を売る駅員がいなくて、電車が来るまで、私はひたすら、
「この駅でいいんだろうか」
と心配していました。
後に母が言いました。
「あれは、本当は狐火だったのかしら、人魂だったのかしら、山ノ神だったのかしらね。駅の明かりじゃなかったことは確かだわね。」
と・・・・・・・
tomo

tomoです。
どうしても書きたいことがあって書きます。
人魂についてです。
随分昔、幼い頃に家族と山道を迷ったことがありました。
父が登ろうと言った山を朝から家族全員で登り、降りる頃には午後の2時くらいから下り始めることになったのです。山道を降りていくとき、どうしたんでしょうか、父も母も、山道を外れようとします。
「ママ、こっちじゃないよ」
「パパ、ここ道じゃないよ」
「お兄ちゃん、聞いてよ」
三人は寡黙になって降りていきます。で、案の定道を反れ始めました。もう道なんだかがけなんだかわからない道を降りていきます。
私は当時まだ小学校に入ったばかりで、ついて行くのに必死でした。
ふと気がつくと、前のほうに灯りが見えます。
すると母がやっと口を開きました。
「この道でよかったのね」(でも道じゃないんですが・・・・)
父が言いました。
「駅の明かりが見えてきた」
・・・・・・・私は必死でした。あの灯りまで行けば、電車の駅になる。だから一生懸命がんばろう。でも、行けども行けども、灯りにはたどり着けません。
「ねぇ、あれ、本当に駅なの?」
そう私が尋ねると兄が言いました。
「馬鹿だなぁ、あれが駅じゃなくて何なんだよ。もうじき着くんだ。」
・・・・・・・・子供ながらに思いました。
駅の明かりって、そんなに近所に見えるなら、何故追いつかないのでしょうか。何故、いつまで歩いても崖なんでしょうか。いつまで山道を下ればいいのでしょうか。朝、歩いた記憶のある場所にはまだお目にかからないのです。
本当に灯りは駅なんでしょうか。で、どうして、同じ大きさの灯りのままなのでしょうか。
そうして、もう子供の私が理性が飛んで、とにかく着いていくだけに必死で置いていかれまいとそれだけでジンジンする足を運んでいたとき、
「ぱぁっ」と、
線路が前に出てきて、その向こうに駅舎が見えました。
私たちは、山麓の道を勝手に下がって、駅舎の裏に出たのです。
駅の表参道から登った山を駅の反対側から降りてきたのです。
そして電車に乗って父が地図を広げたとき、言いました。
父「灯り、あの灯り不思議だったな。もう迷ったんじゃないかと不安になるたび、大きく揺れるんだ。まるでこっちだよといわんばかりに。」
兄「そう。ゆらゆら動いてたけどさ、駅の灯りの数と違ったね」
母「無事でよかったわ。tomoもよくついて来れたわね」
私「・・・・・・・・・・・・・(既にぐったり)」
そんな話がありました。
思い出したんです。
いきなり、駅舎を思い出し、裏手から夜遅く(7時半くらいだったと記憶しています)駅舎に、線路を横切って、家族でなだれ込んだのを。切符を売る駅員がいなくて、電車が来るまで、私はひたすら、
「この駅でいいんだろうか」
と心配していました。
後に母が言いました。
「あれは、本当は狐火だったのかしら、人魂だったのかしら、山ノ神だったのかしらね。駅の明かりじゃなかったことは確かだわね。」
と・・・・・・・
tomo



でも、ほんま無事でよかったよね。