こんばんは。
摩訶不思議新作です。というか、以前に書いた覚えがありますが、ハードでももうデータが残っていません。で、思い出しながら書きます。
**********************************
現在、実家が建っているのは、東京都内の緑の豊かな地域です。
緑豊かといえば、言い方はよく、要は畑が一杯あるということです。そこに家を建てたのはもう、25年位前のことです。
当時私の部屋は兄の部屋と並んで、西向きにありました。西には、畑がまだ残っていて、そこにキャベツなどが植えられていました。もちろん、家の中で悪さすると、キャベツ畑めがけて、大事なものを放り投げられるといったことは四六時中でした。
ある夏の夜。
夕食の終わった兄と私は、部屋へ戻り、お互いの隣り合った窓越しに本を読みながら「喧嘩」してました。大きな声で罵倒しあい、それでも互いに好きな本を読みながら、口で息巻いていました。
・・・・・随分喧嘩していました。8時半から始めた喧嘩が9時になろうとするとき、ふと、変なものに気づいて兄に言いました。
「ねぇ兄貴さぁ」
「なんだよ。このくそボケ」
「いや・・・・お兄ちゃんさぁ・・・・・」
「・・・・・?」
歯切れの悪い言葉に気がついて、兄は私を見ました。
私は黙って、目の前の畑を指差しました。
女の人がキャベツ畑に立って、うちを覗き込んでいるのです。
「誰だっけ、兄ちゃん」
「ん・・・・親戚にしては誰だっけなぁ」
「てか、兄ちゃん・・・兄ちゃん・・・・・兄ちゃんってば、あの人・・・」
私の怯えた声に兄は私を見ていいました。
「下行くぞ!!!!!!」
私達は、猛烈な勢いでお互いの部屋から飛び出て、一緒に狭い階段を降り、親のいるリビングへ降りて行きました。そして、親に説明もつかぬ説明をしながら、一緒に西側の窓を開けてみたのです。
女の人はもういませんでした。
女の人が逃げたんじゃないかって?
違います。その女の人は、うちを覗いていましたが、立ってみていたんじゃないんです。足が大きいキャベツより上にあって・・すなわち浮いていたんです。
あの人誰だったんでしょうか。
**************************************
補足は補足で。更におまけ付き。
この話はこの辺でよろしくお願いします。
tomo
摩訶不思議新作です。というか、以前に書いた覚えがありますが、ハードでももうデータが残っていません。で、思い出しながら書きます。
**********************************
現在、実家が建っているのは、東京都内の緑の豊かな地域です。
緑豊かといえば、言い方はよく、要は畑が一杯あるということです。そこに家を建てたのはもう、25年位前のことです。
当時私の部屋は兄の部屋と並んで、西向きにありました。西には、畑がまだ残っていて、そこにキャベツなどが植えられていました。もちろん、家の中で悪さすると、キャベツ畑めがけて、大事なものを放り投げられるといったことは四六時中でした。
ある夏の夜。
夕食の終わった兄と私は、部屋へ戻り、お互いの隣り合った窓越しに本を読みながら「喧嘩」してました。大きな声で罵倒しあい、それでも互いに好きな本を読みながら、口で息巻いていました。
・・・・・随分喧嘩していました。8時半から始めた喧嘩が9時になろうとするとき、ふと、変なものに気づいて兄に言いました。
「ねぇ兄貴さぁ」
「なんだよ。このくそボケ」
「いや・・・・お兄ちゃんさぁ・・・・・」
「・・・・・?」
歯切れの悪い言葉に気がついて、兄は私を見ました。
私は黙って、目の前の畑を指差しました。
女の人がキャベツ畑に立って、うちを覗き込んでいるのです。
「誰だっけ、兄ちゃん」
「ん・・・・親戚にしては誰だっけなぁ」
「てか、兄ちゃん・・・兄ちゃん・・・・・兄ちゃんってば、あの人・・・」
私の怯えた声に兄は私を見ていいました。
「下行くぞ!!!!!!」
私達は、猛烈な勢いでお互いの部屋から飛び出て、一緒に狭い階段を降り、親のいるリビングへ降りて行きました。そして、親に説明もつかぬ説明をしながら、一緒に西側の窓を開けてみたのです。
女の人はもういませんでした。
女の人が逃げたんじゃないかって?
違います。その女の人は、うちを覗いていましたが、立ってみていたんじゃないんです。足が大きいキャベツより上にあって・・すなわち浮いていたんです。
あの人誰だったんでしょうか。
**************************************
補足は補足で。更におまけ付き。
この話はこの辺でよろしくお願いします。
tomo
