ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

「ブログの試運転」から まもなく

2024-03-09 11:47:47 | 思い
 金曜日の朝は、食後のコーヒーを飲みながら、
いつも家内に訊く。

 「今日は、ブログ(を書く)の日だけど、
何か面白い話題ってないかなぁ・・?」
 「そうねぇ・・、特にはないかも」
返事はいつも変わらない。

 そんなやり取り中、ふと気づいた。
「ブログの試運転です」の書き出しで、
これを始めたのは確か2014年7月だ。
 すると、今年の夏で丸10年になるのか!・・。

 それを伝えると、
「もう、そんなになるの!」
 10年という長さに、私も家内も、
「よく続いた!」と驚きの表情になった。

 ノートパソコンに向かい試行錯誤をしながら、
「誰かに読んでもらえる」と信じて、
文を連ねることが楽しかった。
 金曜と土曜のその時間は、アッという間に過ぎた。

 その一方で、ここまで続いたモチベーションは、
時折聞こえてくる反響の数々だと思った。

 今日3月9日は、3と9で「サンキュー」の語呂合わせの日。
そんな軽い想いではないが、
感謝を込めて最近1,2年の数々の中から、いくつかを綴る。


 ① 正月には沢山の年賀状を頂くが、
年賀状だけの交流になってしまった方も少なくない。
 なのに、今年も何人かの方が、
「ブログで、日々の様子は知ってます」と書いてくれた。
 太いつながりを感じ、気持ちが軽くなった。

 そして、A先生は、学校と子育てに振り回される日が続いていた。
そんな頑張るお母さん先生から
「時々、先生のブログから元気を貰っています」
との年賀状が来た。

 やや年下の先生が、奥さんを亡くされたのは数年前のことだった。
再び年賀状の交換を始めても、
私は「お元気ですか?」くらいの添え書きしかできなかった。
 ところが、彼の年賀状に、
「妻を亡くしてから、どうもやる気がなくて、
でも、先生のブログに励まされています」とあった。
 涙が、あふれた。
 

 ② 昨春だが、コロナが次第に落ち着きだしたので、
久しぶりに酒席を設けた。
 集まったのは7人。
なんと3年ぶりのことだった。

 近況を語り合ううちに、時間はどんどん過ぎた。
どんな話でも、
ワイワイガヤガヤと遠慮のいらない会話は、
やっぱり楽しかった。

 どんな経緯で、腕時計が話題になったのか・・・。
高級品からデジタル物、そして偽ブランド。
 ついには、腕時計をしない世代のことまで、
次々と,時計だけで随分とお酒がすすんだ。

 その最中、私の横に座っていた物静かな彼が、
私の左腕をとり、私にだけ聞こえる声で。
 「これ、オメガでしょう!」

 思わず訊いてしまった。
「私の時計のこと、どうして知ってるの?」
 「妻が、よくブログ読んでるんで・・。
腕時計のことも書いていたでしょう。
 その日のうちに、私に教えてくれたから」

 確か昨年1月だ。
『オメガの腕時計』と題して、ブログを書いた。
 そのことだと、分かった。
「それにしても・・・!」。
と、驚きのまま小声で続けた。

 「奥さん、私のブログを読んでるんですか?」
何度か挨拶を交わしたことがあった方だった。
 でも、ブログを読んでくれてるとは・・・。
思いもしないことだった。

 「すみません。
私は読んでません。
 でも、妻は楽しいらしく、
こう書いてあったよって、よく教えてくれるんですよ。
 私はそれで十分、楽しんでます」。

 その後、何杯生ビールをお替わりしたのか、
覚えていない。
 調子にのってしまった。
美味しいお酒だった。


 ③ 昨年11月に,『うまい味 み~つけ!≪東京編>』を
ブログに載せた。

 それから、数日後だ。
散歩の途中で、よく立ち話をするご主人とバッタリと。

 朝の挨拶もそこそこに、突然、
「東京へ行ってきたんですね」。  
 
 上京することは、お隣さんとお向かいさん、
それに自治会役員数人には伝えてあった。
 それ以外に知る人はいないはず・・。
なのに、ご主人はどうして・・・。

 不思議に思い、返答に詰まった。
ご主人は、察してくれた。
 「ブログ! ブログで読みました!」

 「そうでしたか、それはそれは。
5日ほど行ってきました」
 「それも知ってますよ。
そう書いてあったから・・・」

 そして、笑いながら、
「ブログを読んでると、
塚原さんのことはよく分かります。
 東京へ行ったことを知ってたくらいで、
驚かないでください」。

 驚きをしずめながら、
ご近所に、こんな理解者がいることが嬉しかった。
 明るい声で、礼を言った。 

 するとご主人は、
「ところで、あの珍しい名前のうどん、
食べてみたいですね」
 ブログに記したうまい味のことである。

 「ああ、法論味うどんですか?」
「そうそう、そのうどん。
全然知らないうどんだけに、興味があります」
 しばらくその話題で盛り上がった。

 そして、別れ際にご主人はさり気なく、
「毎週土曜日の決まった時間に、
ブログを開けて読んでます。
 これからもずっと続けるつもりだから」。

 冬が近づき冷え込んだ朝なのに、
心は浮かれていた。




  お気に入りの散歩道4  もうじき春 

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