精神世界と心理学・読書の旅

精神世界と心理学を中心とした読書ノート

仏の教え ビーイング・ピース(ティク・ナット・ハン)

2010-05-06 21:40:03 | 仏教
◆『仏の教え ビーイング・ピース―ほほえみが人を生かす (中公文庫)』(ティク・ナット・ハン)

著者は、瞑想の実践と非実践の間の垣根を取り除くような仕方で、瞑想を実践し ようと提唱する。日常の中で、マーケットで、空港で実践する仏教、それが「行動 する仏教」だという。社会的政治的問題に仏教を役立たせたり、爆弾に抗議したり するだけではなく、まず仏教を日常生活のなかにもたらす。夕食のとき、遊びのと き、眠るときに応用することによって、仏教は日常生活において行動するものにな るという。  

『ビーイング・ピース』という書名は、「行動する仏教」が内なる平和のもとにあること、自らが平和であることから始まることを示唆する。最も大切な平和の仕事は、まず自分に戻って、自分の内部を深く見つめる瞑想なのである。しかもそれを日常生活と切り離さずに行うのだ。  
また、「どのような教条、理論、イデオロギーであっても、たとえそれが仏教のものであっても、それを盲目的に崇拝し、あるいは、それに縛られてはならない。 すべての思想体系は、人を導くための手段であって、絶対的真理ではない」という教えは、サイトの冒頭の言葉からも察していただけるように、まさに私自身 が貫き通したい姿勢である。  

言葉使いはあくまで平易で、しかも詩人でもある著者の印象的な詩がちりばめられている。様々な意味で日本の伝統的な仏教に新しい息吹を吹き込んでくれる。こ の著者からさらに学んでいきたいと思う。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。