ニコワッカ -niko W akka- FZ1

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旅先での恐怖体験

2007-08-06 21:33:46 | 雑記
自分は霊感なんて全く無いのだが、それでもツーリング先で幾つか不思議な体験をしたことがある
所謂ワインディングと呼ばれるツーリングルートの多くは人里離れた山奥や森の奥深くにある事が必然であり、その近辺には心霊スポットが存在することも珍しくない
例を挙げれば、八王子、青梅から奥多摩を抜け、山梨へ降りて秩父に向かう、都内発日帰りお手軽コースでも、数箇所の心霊スポット付近を通過する
有名な場所に加え、地元民が知っているような穴場スポットを含めると10箇所は軽いのではないだろうか


自分は、夜の峠を走っていて、白い装束の女性を見かけた事も無ければ、異常なスピードで追い抜いていく首なしライダーも見たことは無い
ただ、2006年の夏に遥々遠征しに行った北海道でそれはおきた


時期は7月の上旬だった
お盆のピークはフェリーのチケットを入手するのが難しくなるためにこの時期にした
結果的には連日雨に見舞われ、青空を見ることが出来たのはごく僅かな時間だけ
それでも充実したツーリングが出来、非常にいい体験だった

行程も終盤に差し掛かり、三国峠を下り糠平辺りを越え、十勝平野の端の方へと出てきた
士幌辺りで「そろそろ今夜の野宿先を見つけなくては」と、マップを片手にキャンプ場を探していた
この辺りでメジャーなキャンプ場といえば、上士幌航空公園キャンプ場なのだが、自分はメジャーな幕営先をスルーしてしまうという悪癖がある
この時も例に漏れず、士幌の外れのほうのとあるキャンプ場に幕営先を決定した
名は明かさないが、地図を見ればすぐに分かる

牧場地帯を通過し、山間部にあるキャンプ場にたどり着いた時には、ただの曇天が霧に変わり前も見えない
建物内に入り、受付をしようとすると、係の人が怪訝な顔をする
その上「本当にここに泊まるのか?」等とたずねてきた
あまりにも不自然な対応に理由を聞くと、つい先日にここで首吊り自殺した人がいるという
「それでも泊まるか?」と聞かれたが、もう日が暮れ始めていたので今から宿泊先を探すのも大変なので「ええ」と答えた
ちなみに幕営料はタダにしてもらえた(笑

テントを張る頃になると、霧は益々濃くなり、数メートル先も見えない真っ白な世界になった
本当のホワイトアウトの世界で、幕営地の出口には外郭沿いに歩いていかなければ方向が分からなくなるぐらいだった

食事を済ませた後、この日の記録を付けながらラジオを聴いていたのだが、何時の間にか寝てしまった
走行時間はそれほど長くなかったのだが、天候も相まって疲れが溜まっていたのだろう
シュラフ(寝袋)に入らずに寝てしまったせいで、寒さに起きて転寝をしていた事に気が付いた
寝なおそうと思い、ランプを消して寝袋に入りなおして暫く……
二度寝で寝付きにくかったが、やっと睡魔がやってきた頃に“そいつ”もやってきた

始めはウシガエルか何かの鳴き声かと思った
自分の故郷は埼玉の田舎なのでウシガエルは身近に存在するもので、その鳴き声にも聞き覚えがある
だが、よくよく考えてみるとおかしい
確かにこの日は湿気が多かったが、幕営地の側にウシガエルの生息地になりうる池沼は無かった
しかも他のカエルの鳴き声は全く聞こえない……
その違和感に気が付けば、鳴き声のようなものにも違和感を感じ始めた
これはウシガエル等の動物の鳴き声ではないと確信した時には、既に『人の苦しそうな唸り声』になっていた

自殺者は首を括ったらしい
丁度、成人男性のような声
しかも首を圧迫されて、喉の奥から捻り出す様な低い響き
「ぐえぇぇぇ……」「ぐえぇぇぇ……」
声は遠くの様でもあり、近くの様でもある
指向性もなく、何処から聞こえてくるのか全く分からない
面白い事に、この時一番に感じたのは恐怖感ではなく、「厄介だなぁ」という不快感(笑

その後は何の面白みも無い
やってきた睡魔に負け、正体の確認もすることなく眠りに落ちた
翌日起きたときに、改めて鳥肌が立ち、そそくさとキャンプ場を後にしたのは言うまでもない……


些かインパクトに欠ける話だが、今の所これ以上の体験は無い
とある寺院を訪れた直後から事故や怪我に見舞われる体験はあったが、実体験を伴わなければ運が悪かったで片付けられてしまう
果たしてこれから先、どんなホラーな体験ができるのか楽しみでもある今日この頃