8月12日
のそりとテントから出てみれば空模様はグレー
雨が降り出さなければいいが、そうも言っていられないかもしれない
出立準備を終えてキャンプ場を出る頃になっても相変わらず空は明るくなる様子が無い
243号を弟子屈方面に向っている最中、パラパラと小雨が降りだしてくる
カッパを着る程ではないので油断していたら、そのうちに雨音が分かるほど降りだしてきた
路肩にバイクを停めていそいそとカッパを着る
追い抜いていくバイクを見れば全員が全員カッパを着ていた
使っているナビも防水仕様ではないのでジップロックを被せておく……曇って全く見えやしない
とりあえず摩周湖を目指す
前回はよく晴れていて雲ひとつ無いような状態だった
それを見て出世を諦めたんだが、今回は果たしてどうだろう
ぐねぐねとしたワインディングを上っていく
そのうち霧というか雲の中に突入してしまった
視界が10メートルも無いような状態の中でヒヤヒヤしながら走っていると自転車を押している人に何度が出会う
結構急な坂でも頑張って漕いでいる事が多いタフな彼らでも、この湿度の中カッパを着て坂道を登るのは流石に辛いのだろう
上りきって摩周湖の駐車場に辿り着くが、案の定全くの視界ゼロ
霧の摩周湖というよりも霧の中の摩周湖だ
そこで隼に乗ったタンデムライダーに出会った
相方さんがやけに小柄なんで親子かと思ったらカップルらしい
男の方は190位ある大柄な人だったもんで、物凄い組合せだ
美幌峠の方から来たらしいが、どうやらそっちも酷い霧の中らしい
阿寒湖方面に抜けたほうが賢いかもしれない
何も見えないがとりあえず写真だけとってそこを後にする
川湯温泉方面に下っていく
このあたりでやっと天候が回復してきた
青空もよく見える
途中硫黄山に立ち寄る
時間が早いので客はまばらだ
名物の温泉卵売りも一軒しか出ていないうえ、声すら上げていない
さらに川湯市街へ
川湯温泉にある公衆浴場は北海道で最高の温泉だと思う
高級そうなホテルが立ち並ぶ中、ポツンと一軒だけやけにボロイ建物がある
気が付かなければそのまま通り過ぎそうな小さな建物だ
で、今回立ち寄ったかというと完全に失念
気が付けば屈斜路湖の湖畔まで行ってしまっていた
戻るのも面倒くさいのでそのまま先に進んだことを今になって後悔している
屈斜路湖の湖畔を走って再び243号に合流
この近辺に「おかめ食堂」という小さな定食屋があるのだが、そこも結構お勧めだ
そこの素朴なお婆さんが作ってくれる料理が非常に良い
とても暖かみのある雰囲気で、家庭の味といった感じだろうか
時間帯が早いので寄ることは出来なかったが、また足を運んでみたい店だ
その後241号に入り、阿寒湖方面へ
ぐねぐねとした道は中々に楽しい
阿寒湖自体はスルーしてそのまま先へ行く
途中でオンネトーに向う道を曲がる
オンネトーに辿り着くが、観光バスやら乗用車やらが沢山止まっており、とてもじゃないが秘境という雰囲気は無い
景観はそれなりといった所だ
駐車場に戻って出発しようとしたところ、なんと車が駐車スペースでもないところに駐車して退路を塞いでいる
しょうがないのでタバコを咥え、待っていると暫くして持ち主が戻ってきた
睨みつけはしないが、ぼけっと眺めているとそそくさと逃げるように去っていった
こちらも気分が悪ければあちらもすっきりしないだろうに……最初からやらなければ良い
そのまま奥に進めば再び241号に合流できるのだが、道は途中までダート
荷物を積んでなければ先に進むのだが、今回は自重して戻ることにする
その後足寄方面へ
道の駅あしょろ銀河ホール21に立ち寄る
元々は足寄駅の駅舎であった建物を利用しているので、建物内に駅の軌道が残されていたりする
松山千春に縁があるらしいが、興味も無いのでよく分からない
242号を南へ下り、幕別へ
更に途中から道道15号をショートカットして忠類に入る
236号に合流した後、道の駅忠類で休憩
隣接している「アルコ236」という温泉施設で風呂に入る
入浴は出来るが味も何も無い
236号から336号に入り海を目指す
暫く行けば黄金道路だ
海沿いの断崖を切り開いて作ったこの道路
その工事は至難を極め、まるで黄金を敷き詰めたかのごとき巨費を投じられたことからこの名前がつけられたという
その割には未だに落石やら悪天候やらで頻繁に通行止めや補修工事が行われるようなハードな道だが……
覆道の柱の間から見える太平洋は、ストップモーションを見ているようであり中々に面白い道ではある
流石に曇りでは価値も下がるだろうが
途中から道道34号に入り、襟裳岬を目指す
風に悩まされる地域だというが、今日はそれほどでもない
静かなアップダウンが繰り返される道を更に南へ
天気がよければ草原の中を走っているような気持ちの良い道だろう
傍らは渚100選に選ばれる百人浜が続く…・・・が、この浜は色々と曰くがあるわけで
暫く走れば襟裳岬だ
バイクを停めて突端部へ向う
曇ってはいる物の、かなり先まで見える
野生のアザラシが生息しているが、裸眼視力0.03、矯正1.0では全く確認できない
突端部から展望施設を見てみるととんでもない場所に建設されていることがよく分かる
普段の運動不足を恨みながら駐車場に戻り、ついでにそこで食事をする
土産物屋のうち、なにやら「テレビの取材がありました」とわざわざ看板まで作っている店に入ってみる
カニやらウニやらの入った生簀が並ぶ奥に食堂が併設されていた
とりあえず期待もせずに塩ラーメンを注文
だいたいラーメンに塩しょうゆ味噌から選べます、と書いてある時点であまり信用できない……
が、この店は違った
北海道らしく昆布とカツオから取った香りのいいダシに海草やタコ、カニ、ツブ貝を浮かべた非常に豪華なラーメンが出てきた
しかも非常に旨い
カニは小振りだがちゃんと身が詰まっているし、ツブ貝は味も濃く食感が非常に良い
観光地の食堂でこのレベルのラーメンを出してくるとは中々恐れ入る
スープも全部残さず飲み干して店をでるが、この時の自分は良いホクホク顔をしていたと思う
今日の宿地は先ほど通り過ぎた百人浜にあるキャンプ場だ
ここで先ほどの話の補足
結構な昔にこのあたりで船が難破したらしく、浜にかなりの水難者が漂着した
冬の寒さと飢えで生き残りも次々に事切れた
その数は百人にも及ぶ、と
で、百人浜
そこでは夜になると数え切れないほどの“それら”が海から丘のほうに歩いてくるのが目撃されたという
キャンプ場は元々海の近辺に存在したらしいが、あまりにもそういう目撃談が頻発するので内陸部の山の中に移設されたらしい(未確認)
移設されたいまでも見る人は見るらしく、森の中から彼らが覗いているとか……
と、まあこんな話なんだが、自分としてはそれ程怖くは無い
前回の北海道ツーリングで数日前に自殺者が出たというキャンプ場に何も知らずに行ってしまい、時間との兼ね合いでしょうがなく一人きりで宿泊したこともあったが、その時に比べれば新鮮さも全く無いので
ちなみにそのときは深夜に得体の知れない声を聞いたが、恐怖よりも眠気に負けてしまった
料金を払って幕営準備
昨日のキャンプ場はバイクの乗り入れが可能だったが、今回はリヤカーに荷物を乗せて引いていく
まあ、普通はこんなもんだ
ちゃっちゃとテントを張ってコーヒーを入れる
先ほどのラーメンがまだ胃袋に残っているので夕食にはまだ早い
持ってきた文庫本を読んでいると、バンガローサイトが非常に煩い
20メートル以上離れているのに会話内容が全部伝わってくる
少年野球団の集まりらしく、子供達がキャッチボールすら始めやがった
こっちを向いてボールを投げるな
まあ、こどもはまだ良いとするが、大人達のマナーの悪さには本当に閉口する
他の客がいるにも関わらず子供に対して大声で怒鳴り、説教を始めやがる
時計を眺めてあと5分続くようだったら文句を言いに行こうと思ったが、結局直ぐに終わってしまった
ちなみに読書は5ページも進んでいない
その後暗くなってからやってきたライダーと談笑
幽霊が出てきたら面白いね、なんて話をしていた
で、遅めの夕食を準備
今日はパスタを茹でてみる
オイルサーディンとトマトソースを混ぜた簡単なソースを作って和えれば出来上がり
登山と違って沸点に依存する麺類などを料理できるのはいい事だ
缶ビールをやっつけた後で就寝
のそりとテントから出てみれば空模様はグレー
雨が降り出さなければいいが、そうも言っていられないかもしれない
出立準備を終えてキャンプ場を出る頃になっても相変わらず空は明るくなる様子が無い
243号を弟子屈方面に向っている最中、パラパラと小雨が降りだしてくる
カッパを着る程ではないので油断していたら、そのうちに雨音が分かるほど降りだしてきた
路肩にバイクを停めていそいそとカッパを着る
追い抜いていくバイクを見れば全員が全員カッパを着ていた
使っているナビも防水仕様ではないのでジップロックを被せておく……曇って全く見えやしない
とりあえず摩周湖を目指す
前回はよく晴れていて雲ひとつ無いような状態だった
それを見て出世を諦めたんだが、今回は果たしてどうだろう
ぐねぐねとしたワインディングを上っていく
そのうち霧というか雲の中に突入してしまった
視界が10メートルも無いような状態の中でヒヤヒヤしながら走っていると自転車を押している人に何度が出会う
結構急な坂でも頑張って漕いでいる事が多いタフな彼らでも、この湿度の中カッパを着て坂道を登るのは流石に辛いのだろう
上りきって摩周湖の駐車場に辿り着くが、案の定全くの視界ゼロ
霧の摩周湖というよりも霧の中の摩周湖だ
そこで隼に乗ったタンデムライダーに出会った
相方さんがやけに小柄なんで親子かと思ったらカップルらしい
男の方は190位ある大柄な人だったもんで、物凄い組合せだ
美幌峠の方から来たらしいが、どうやらそっちも酷い霧の中らしい
阿寒湖方面に抜けたほうが賢いかもしれない
何も見えないがとりあえず写真だけとってそこを後にする
川湯温泉方面に下っていく
このあたりでやっと天候が回復してきた
青空もよく見える
途中硫黄山に立ち寄る
時間が早いので客はまばらだ
名物の温泉卵売りも一軒しか出ていないうえ、声すら上げていない
さらに川湯市街へ
川湯温泉にある公衆浴場は北海道で最高の温泉だと思う
高級そうなホテルが立ち並ぶ中、ポツンと一軒だけやけにボロイ建物がある
気が付かなければそのまま通り過ぎそうな小さな建物だ
で、今回立ち寄ったかというと完全に失念
気が付けば屈斜路湖の湖畔まで行ってしまっていた
戻るのも面倒くさいのでそのまま先に進んだことを今になって後悔している
屈斜路湖の湖畔を走って再び243号に合流
この近辺に「おかめ食堂」という小さな定食屋があるのだが、そこも結構お勧めだ
そこの素朴なお婆さんが作ってくれる料理が非常に良い
とても暖かみのある雰囲気で、家庭の味といった感じだろうか
時間帯が早いので寄ることは出来なかったが、また足を運んでみたい店だ
その後241号に入り、阿寒湖方面へ
ぐねぐねとした道は中々に楽しい
阿寒湖自体はスルーしてそのまま先へ行く
途中でオンネトーに向う道を曲がる
オンネトーに辿り着くが、観光バスやら乗用車やらが沢山止まっており、とてもじゃないが秘境という雰囲気は無い
景観はそれなりといった所だ
駐車場に戻って出発しようとしたところ、なんと車が駐車スペースでもないところに駐車して退路を塞いでいる
しょうがないのでタバコを咥え、待っていると暫くして持ち主が戻ってきた
睨みつけはしないが、ぼけっと眺めているとそそくさと逃げるように去っていった
こちらも気分が悪ければあちらもすっきりしないだろうに……最初からやらなければ良い
そのまま奥に進めば再び241号に合流できるのだが、道は途中までダート
荷物を積んでなければ先に進むのだが、今回は自重して戻ることにする
その後足寄方面へ
道の駅あしょろ銀河ホール21に立ち寄る
元々は足寄駅の駅舎であった建物を利用しているので、建物内に駅の軌道が残されていたりする
松山千春に縁があるらしいが、興味も無いのでよく分からない
242号を南へ下り、幕別へ
更に途中から道道15号をショートカットして忠類に入る
236号に合流した後、道の駅忠類で休憩
隣接している「アルコ236」という温泉施設で風呂に入る
入浴は出来るが味も何も無い
236号から336号に入り海を目指す
暫く行けば黄金道路だ
海沿いの断崖を切り開いて作ったこの道路
その工事は至難を極め、まるで黄金を敷き詰めたかのごとき巨費を投じられたことからこの名前がつけられたという
その割には未だに落石やら悪天候やらで頻繁に通行止めや補修工事が行われるようなハードな道だが……
覆道の柱の間から見える太平洋は、ストップモーションを見ているようであり中々に面白い道ではある
流石に曇りでは価値も下がるだろうが
途中から道道34号に入り、襟裳岬を目指す
風に悩まされる地域だというが、今日はそれほどでもない
静かなアップダウンが繰り返される道を更に南へ
天気がよければ草原の中を走っているような気持ちの良い道だろう
傍らは渚100選に選ばれる百人浜が続く…・・・が、この浜は色々と曰くがあるわけで
暫く走れば襟裳岬だ
バイクを停めて突端部へ向う
曇ってはいる物の、かなり先まで見える
野生のアザラシが生息しているが、裸眼視力0.03、矯正1.0では全く確認できない
突端部から展望施設を見てみるととんでもない場所に建設されていることがよく分かる
普段の運動不足を恨みながら駐車場に戻り、ついでにそこで食事をする
土産物屋のうち、なにやら「テレビの取材がありました」とわざわざ看板まで作っている店に入ってみる
カニやらウニやらの入った生簀が並ぶ奥に食堂が併設されていた
とりあえず期待もせずに塩ラーメンを注文
だいたいラーメンに塩しょうゆ味噌から選べます、と書いてある時点であまり信用できない……
が、この店は違った
北海道らしく昆布とカツオから取った香りのいいダシに海草やタコ、カニ、ツブ貝を浮かべた非常に豪華なラーメンが出てきた
しかも非常に旨い
カニは小振りだがちゃんと身が詰まっているし、ツブ貝は味も濃く食感が非常に良い
観光地の食堂でこのレベルのラーメンを出してくるとは中々恐れ入る
スープも全部残さず飲み干して店をでるが、この時の自分は良いホクホク顔をしていたと思う
今日の宿地は先ほど通り過ぎた百人浜にあるキャンプ場だ
ここで先ほどの話の補足
結構な昔にこのあたりで船が難破したらしく、浜にかなりの水難者が漂着した
冬の寒さと飢えで生き残りも次々に事切れた
その数は百人にも及ぶ、と
で、百人浜
そこでは夜になると数え切れないほどの“それら”が海から丘のほうに歩いてくるのが目撃されたという
キャンプ場は元々海の近辺に存在したらしいが、あまりにもそういう目撃談が頻発するので内陸部の山の中に移設されたらしい(未確認)
移設されたいまでも見る人は見るらしく、森の中から彼らが覗いているとか……
と、まあこんな話なんだが、自分としてはそれ程怖くは無い
前回の北海道ツーリングで数日前に自殺者が出たというキャンプ場に何も知らずに行ってしまい、時間との兼ね合いでしょうがなく一人きりで宿泊したこともあったが、その時に比べれば新鮮さも全く無いので
ちなみにそのときは深夜に得体の知れない声を聞いたが、恐怖よりも眠気に負けてしまった
料金を払って幕営準備
昨日のキャンプ場はバイクの乗り入れが可能だったが、今回はリヤカーに荷物を乗せて引いていく
まあ、普通はこんなもんだ
ちゃっちゃとテントを張ってコーヒーを入れる
先ほどのラーメンがまだ胃袋に残っているので夕食にはまだ早い
持ってきた文庫本を読んでいると、バンガローサイトが非常に煩い
20メートル以上離れているのに会話内容が全部伝わってくる
少年野球団の集まりらしく、子供達がキャッチボールすら始めやがった
こっちを向いてボールを投げるな
まあ、こどもはまだ良いとするが、大人達のマナーの悪さには本当に閉口する
他の客がいるにも関わらず子供に対して大声で怒鳴り、説教を始めやがる
時計を眺めてあと5分続くようだったら文句を言いに行こうと思ったが、結局直ぐに終わってしまった
ちなみに読書は5ページも進んでいない
その後暗くなってからやってきたライダーと談笑
幽霊が出てきたら面白いね、なんて話をしていた
で、遅めの夕食を準備
今日はパスタを茹でてみる
オイルサーディンとトマトソースを混ぜた簡単なソースを作って和えれば出来上がり
登山と違って沸点に依存する麺類などを料理できるのはいい事だ
缶ビールをやっつけた後で就寝