ニコワッカ -niko W akka- FZ1

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Power Commander V 導入 : キャリブレーション編

2009-09-12 21:20:34 | FZ1



PCVを使用するにあたって、幾つかやっておかなければいけない事がある
それの最たるものがキャリブレーションであり、これをやらなくてはまともに動かない
いくら頑張ってマップを作成したところで、それが実際にきちんと反映されるかはこれらの設定がきちんとされているかにかかっている


まず第一にスロットルポジションの取得が必要になる
パワーコマンダーというのはエンジン回転数とスロットル開度によって調整する部分を割り出す
スロットルポジションが設定されていないと開度は常に“0”となってしまい、それ以外の開度は反映されない

まず、PCVをUSBでパソコンに接続し、設定ソフトを立ち上げる
この時点ではまだマップを読み込んだりする必要は無い



メニューバーにある『Power Commander Tools』をクリックする

表示されるプルダウンメニューの一番上にある『Calibrate』→一番上の『Throttole Position』をクリック
(Ctrl+Tでも可)


するとこのような画面が出てくる




始めにイグニッションキーを“on”にし、最低電圧が緑で囲った部分に表示されるのでそれを確認する

一旦キーを“off”にし、今度はスロットルを全開まで捻った状態で再びキーを“on”にする

すると最大電圧が右の枠内に表示される

最低電圧側はそのときリセットされるので、先ほど確認した最低電圧値を直接入力してやる

中央の開度を表すゲージに赤いバーが表示されるが、それが実際のスロットルの幅となる

『OK』を押せばスロットルポジションのキャリブレーションは終了

実際に設定できているかを確認する場合は、最初の画面が表示されている状態でエンジンを“on”にし、スロットルを煽ってみるといい



次は車速
これ自体はマップの内容に影響を及ぼすことは無いが、これを設定することによってギアポジションの割り出しができるようになり、各ギア毎にマップテーブルの作成が可能になる

まず、設定をする環境が
・エンジンをかけてある程度の回転数まで回しても迷惑でない場所
・センタースタンドを立ててタイヤを空転させた場合でも安定している場所
であることを確認

先ほど同様にメニューバーにある『Power Commander Tools』をクリックする
『Calibrate』→二番目の『Speed Input』をクリック



『Target Speed』の欄に適当な速度を入力する
この値はある程度の大きさがあったほうが正確性が増すので、スロットルオフ状態で一速に入れただけの15km/hとかではなく、40km/h~60km/hとする

入力した数字と車体のメータで同一の速度になるまでエンジンを回す

速度を維持した状態で、『Calibrate』をクリックすると、『Scaler』の値が自動的に変更されて『Carrent Speed』が補正される



次にギアポジション
メニューバーにある『Power Commander Tools』をクリック
表示されるプルダウンメニューの一番上にある『Calibrate』→三番目の『Gear Position』をクリック

エンジンをかけて一速にギアを入れて『Gear1』の一番右にある『Calibrate』ボタンを押す
続いて二速も同様にギアをいれて『Gear2』の一番右にある『Calibrate』を押す
これを6速まで全て行い、問題が無ければ『OK』を押して終了




次に水温
これに関しては興味がある人だけやればいいと思う
直接何かに関連してくるわけでもないようだし、表示されたところであまり意味らしい意味はない

必要な物はテスター

『Power Commander Tools』をクリックする
『Configure』→『Engine Temperature』をクリック



表示された画面で『Source』をクリックするとプルダウンが表示されるので、そこから『Analog Volltage』を選択



すると画像のような表示に切り替わる

実際にはそのときの項目数は10まであるはずだが、そこまではいらないので『Table Size』で任意の数値に変更する
3~5項目で十分

まず下の段に適当に基準となる温度を書き込んでおく
10℃刻みでも5℃刻みでも

テスターの+側をPCV本体に接続されている水温センサーの入力線に、-側をバッテリーの-端子、もしくは適当なボディーアースに接続

エンジンをかけ、車体の水温計で任意の水温になったときの電圧を読み取り上段の対応する項目に電圧値を入力

全て入力し終えたら『OK』をクリックする

電圧に関してはエンジンをかけていないと正確な数値が表示されないので、ただPCVを接続しただけの状態で確認すると、とんでもない数値が表示されることもある
問題はないので心配などしないように

上記の設定のすべてについて、入力値の単位はヤードポンド法や華氏温度を使用する必要は無いと思われる


次回はセッティング編

Power Commander V 導入 : インストール編

2009-09-10 22:20:11 | FZ1
インストール編

自分にとって清水の舞台とは随分と低い物らしい
購入に『思い切り』のような物はほぼ無きい等しい
淡々とクリックしただけだ
その割には到着までの間、毎日メールボックスを見ては動向が無い事をひそかに嘆いていたりしたのだが……


届いたのは注文から約一月後
当初、到着までは二週間ほどを予定、との事だったが伸びに伸びた
米国内でだいぶ時間を喰ったらしい
発送してからは早かったようだ

到着したのはなんとアマゾンの箱
販売店が送られてきた物を詰め替えたようだ
開けてみると緩衝材に包まれた、縦横25センチの高さ5センチほどのPCV本体の箱が出てきた

一応“箱”に入っている
Ⅲのようなブリスターパック仕様でない分、随分と進化したと見える

箱を開けるとすぐにPCV本体が目に入る
小さい小さいとアナウンスしていたが、本当に小さい
タバコの箱ほどの大きさしかない



本体からはハーネスが出ており、その先に二つカプラが接続されている
これをFZ1のメインハーネスに割り込ませるだけで動くことは動くらしい




さっそく作業に入る

まずいつもの如くタンクを上げる
詳細は今更なので書かない
今回はPCVのハーネスがタンクのマウントの下を通るのでそこも外してしまう

タンク下で一番目立つ16端子のグレーのカプラを外し、そこにPCVのカプラを割り込ませる

次に純正のO2センサをキャンセルする
これについては必然でないにしろ説明書に書いてある以上はキャンセルした方が賢明なのだろう
PCVを割り込ませたあたりの下にある4端子の黒いカプラを取り外し、車体側にPCVに付属のO2エリミネーターを接続する
センサー側は適当に固定&防水


そしてUSBケーブルをPCVに接続し、動作確認

作業完了である



これでも全く問題は無い
きちんと動くし、燃調も取れる

ただ、それではあんまりなので更に車速と水温を入力させてやる



まず適当なリード線とギボシ端子で分岐用のワイヤを作っておく
リード線を5センチ程切り出した物を2本用意し、片側は普通にギボシ端子を圧着
反対側は2本の線をより合わせたものにギボシ端子を圧着
要は二股のワイヤになればいい
同じ物を車速用と水温用、二つ作っておく

作るとは書いたが、なんなら分岐コネクタを使ったって構わない
http://www.amon.co.jp/seihi/seihi_data.php?id=2280
自分の場合は分岐コネクタ自体による断線や振動に弱い部分を嫌って使わないだけだ



まず車速の取得
説明書によれば『車速は3端子カプラのピンク-オレンジ線から取る』とあるが、これだけの説明では何のことだか分かりにくい
使うのは車体右側に集中しているカプラ郡の下のほうにある三角形をした白いカプラから出ている線

同じ形状の物は無いので見間違えることも無い筈
このカプラに接続されているワイヤから取るのだが、上記のものはセンサ側で加工できる場所まで引き上げられないため、カプラを挟んで車体側にある黄-白線を使ったほうがいい
そこに先ほど作った分岐用ワイヤを接続する

次に水温
これはPCVを割り込ませた所に接続されている、緑-白線から取得



そしてパワコマ側
0.2mmφ程度のリード線を10mm程露出させ、出てきた銅線をより合わせてハンダで固める
ガチガチにする必要は無く、ばらけない程度でいい
それをPCV本体に接続
本体の上側に小さな穴が7つ開いているのでそこに入れてやる
入れるのは上側から見て『右から2番目と3番目』
2番目の穴はアナログ用で、水温を入力
3番目の穴は車速を入力する

穴に差し込んだら裏面にあるマイナスのネジを締め付けて固定
リード線はそれぞれに対応している分岐させたワイヤに接続する


以上で設置は終了
さっさとセッティングをしたいところだが、それ以前にキャリブレーション……つまりは校正作業をする必要がある

キャリブレーションについては次回