憎しみを真ん中に据えた7つの短編小説集。
角田光代は純文学出身だとどこかで見たことが納得できた。答えを出すことなく憎しみに形を持たせている。すっきりさっぱりしないのに、話から目が離せない不思議な感覚。憎しみという一言では表せないこの感情を僕は知っている。
ムカつくや。
イラつくや。
殺すや。
キレるが。
遠くなったことで知る。
生まれた時点よりも。
死ぬ時点が近くなってる。
悟るなんてくだらない。
惑い。
悩み。
怒り。
泣き。
足掻き。
しがみつき。
振り乱し。
気も違えるほどに。
爆発する命を。
訳の分からないものを。
生み出す爆発を。
明日も言葉もいりません。
ください僕に。
爆発を。