詩３８「老雄」

いやはやついに
追い出されちまった
長年連れた
オレの群れ
若造め
オレが歳か
でもまあ
せいせいするな
正直
うんざりだった
今オレは
自由だ
死ぬも生きるも
オレの勝手だ
さあてはて
どこへ行こうか
あの山の
さらに向こうの
海とかにでも
行ってみるか
いつか
ハゲワシどもが
言っていた
でかい湖
そいつを一目見て
死ぬとしよう
さればさらばだ
女房子ども等よ
さらば

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詩３７「オレはことばを信じない」

オレはことばを　信じない
ことばはクソだ
ことばで何が分かる
ことばに何の価値がある
ことばがなんぼのもんなんだ
ことばはしょせん
こころのこぼれカスだろう
てめえはことばに何を感じる
てめえはことばの何を信じる
ことばは常に
真実をあらわさず
ことばは常に
真実のほんの削りカスだ
真実は常に
こころの宇宙に
宇宙のなかに
真実は常に
ことばにはない
ことばのなかには

板絵 虫

板絵一枚描きました。縦約15cm×横約20㎝。油絵です。