ようこそ!奈良大学国文学科へ!!

奈良大学文学部国文学科の日々の出来事を綴っています。
特色ある授業の様子や、学生や教員の活動ををご覧ください。

近代文学研究会の活動紹介(+谷崎潤一郎記念館訪問記)

2009-07-28 23:47:54 | 学生生活
先日国文学科の学生による活動として「読書会」の案内をしましたが、国文学科にはもう一つ、「近代文学研究会」という学生主体の研究団体があります。

この研究会は、前奈良大学教授・浅田隆先生の呼びかけに応じて集まった学生らによって始められたのですが、今では他学科の学生も多数参加するサークルとして機能しています。

主な活動には文学散歩や実地調査、夏の合宿、学園祭での研究展示などがあります。

毎年学園祭では一人の作家に焦点をあて、その作家の生涯・作品に関する展示と、作品研究をまとめた冊子を発行しています。

ちなみに今年のテーマは「谷崎潤一郎」です。

その展示の勉強もかねて、先日(7月25日)、兵庫県芦屋市にある谷崎潤一郎記念館と、彼の住居であった倚松庵、そしておまけとして菊正宗記念館に行ってきました。

当日は朝から強い雨が降るあいにくの天気でしたが、幸いにも阪神芦屋駅につくころには雨も小降り。
道中はほとんど傘をささずにすみました。

まずは駅から徒歩で谷崎潤一郎記念館へ。
学生たちは谷崎に関する知識を吸収すると同時に、展示をする際の方法についても積極的にメモを取っていました。

その後再び徒歩で芦屋駅まで戻り、魚崎駅まで電車移動。そして倚松庵へ。
ここは谷崎の住居であり、『細雪』の姉妹が暮らす家のモデルとなった建物です。
参加者は『細雪』の姉妹のような優雅な気分に浸っていました。

倚松庵には一時間ほど滞在。
そのあと時間があるということで、近くにある菊正宗記念館へ。
展示はもちろん、樽酒の試飲と酒かす入りジェラートで満足しました。

あとは難波まで戻って打ち上げ!
天神祭の人ごみも何のそので飲んで語って一日を終えました。

今回の調査で、学生達の中で展示の具体的なイメージが固まってきたようです。

今年の学園祭の企画展示は期待できそうです。
10月30日~11月3日の学園祭にお越しの際には、ぜひ近代文学研究会の展示にも足をお運び下さい。


真田研究室に遊びにいってみました②

2009-07-24 17:57:00 | 真田研究室
恒例の書棚拝見☆

他の先生の部屋は「図書」の形になった資料が多いのですが、真田先生の部屋は「報告書」や冊子のような形の資料が目立ちます。
これが国語学の研究資料なのですね。

ちなみに先生は、国語学の中でも特に方言がご専門。
なので先生の特技は言葉づかいで出身地などを当てることだそうです。
あの「グリコ事件」では、犯人の文章から「摂津の鳥飼あたり」と現場を言い当てたという逸話も!
恐るべし方言研究…。

写真に映っている本棚には、『日本言語地図』(国立国語研究所刊)という資料が見えます。
先生の研究分野をよく示す資料ですね。

真田研究室に遊びに行ってみました①

2009-07-24 17:56:32 | 真田研究室
今回は真田信治先生の研究室を訪ねてみました。

真田先生は国語学、特に方言研究の第一人者。
国語学というと一般人には縁遠い世界のように感じますが、先生の授業や説明はとてもわかりやすいと評判!

ちなみに関西で放送されている朝のテレビ番組「おはよう朝日です」(朝日放送)の中に、言葉の意味・成り立ちを説明する「無知との遭遇」というコーナーがあります。
そのコーナーの監修をされているのが真田先生。

一般の人にも日本語のことをわかりやすく説明できる先生だからこそのお仕事です。

奈良大学では多くの学生を指導されていますが、それ以前にお勤めだった大阪大学でも多くの学生さんを指導されてきました。
そんなわけで、研究室には奈良大学の学生だけでなく、かつて薫陶を受けた方々も先生を慕ってよく研究室にこられています。
これも先生の人柄のなせるところでしょう。

もちろん突然訪ねていった私に対しても、気さくに対応してくださいました。

永井一彰教授の近著が新聞等で大きく取り上げられました。

2009-07-22 19:58:56 | 永井研究室
国文学科・永井一彰教授の著書『藤井文政堂版木売買文書』(2009年6月、青裳堂書店発行)が、『毎日新聞』『奈良新聞』等いくつもの新聞で紹介されています。

タイトルにある「版木」とは、木の板に文字や絵を彫ったもので、主に近世(江戸)期に図書や浮世絵を印刷する際に使用されました。
この版木を調べると、江戸時代の本の作られ方や出版の方法、さらには文学作品の生み出された状況など、さまざまな事情が浮かび上がってきます。

永井先生は、この版木に関する研究の第一人者として高名です。
これまでにも「奥の細道」の版木を発見するなど、重要な業績をいくつも残されています。

今回先生が出版された本は、江戸時代から続く京都の書肆(出版社)藤井文政堂に残された版木の売買にかかわる文書を調査・研究されたもの。

今回の先生の著書によって、江戸時代の図書出版の研究が一段と進展することが期待されています。

奈良大学はこれまでにも藤井文政堂、竹苞楼といった書肆より版木を引き受け、保存・調査を行ってきました。
今回取り上げられた売買文書は、その調査過程で藤井文政堂より提示されたものです。

奈良大学国文学科では、永井先生のような第一人者の講義を聴くことが出来るだけではなく、版木をはじめとする貴重な資料に触れる機会にも恵まれています。

興味関心のおありの方は、奈良大学国文学科ホームページをご覧下さい。
http://www.nara-u.ac.jp/koku/

共同研究室&印刷室を覗いてみた

2009-07-22 01:12:19 | 国文学科の毎日
本日は国文学共同研究室&印刷室をご案内。

この部屋は、国文学科の学生ならば自由に利用できる学習スペースです。
論文やレポート作成のための基本文献がずらりと並んでいます。

また中央と部屋奥には大きな机があり、個人の学習だけではなく、共同発表などの相談場所としても利用できます。

そして共同研究室の隣には、印刷室も完備されています。
ルールさえ守れば、授業で発表する際のレジュメ(資料)の印刷も自由に出来ます。

実はこれ、結構すごいことなんです!

多くの学校では授業の資料は自腹を切って印刷しなければならないのですが、奈良大学では学校の予算でまかなわれています。

さりげなく学生の学習活動を支えるのが、奈良大学国文学科の特色です。


ちなみにここにある印刷機は、先月最新版のものにリニューアルされたばかり!
丹精こめて作ったレジュメ原稿も、美しく印刷できます。

なおこの研究室&印刷室の場所は、国文学科の先生方の研究室と同じ並びにあります。
そんなわけで

「印刷機に紙が詰まったー!」

とか

「調べ方がわからないーー!」

と学生が叫べば、すぐに先生が駆けつけてくれます(笑)

ここにも学習をフォローする教員体制が垣間見えます。

こくぶん文庫

2009-07-17 19:27:45 | 国文学科の毎日
こくぶん文庫

国文の演習室の一角に、「こくぶん文庫」ができました。
国文の先生方のご厚意で、お読みになられた本を提供してもらっています。
貸出自由、期限も30日(延長あり)、ただし、盗難が発覚した場合は、「卒業に何らかの支障が生じる可能性があるかもしれない」という恐ろしい規約も・・・。

学生さんに、たくさん本を読んでもらえたらなと、思っています。

先日、N井先生より、歴史小説を中心に大量入荷。
夏休みの読書にいかがですか?(文責・光)

読書会報告No.002 交流会

2009-07-17 17:24:50 | 学生生活
読書会の企画として、交流会が開かれました。
自分の好きな本を持ち寄る会です。

呼びかけ人の「アマチュア朗読詩人」(自称)
「武者小路実篤「愛と死」、三島由紀夫「仮面の告白」、田中芳樹「銀河英雄伝説」、伊藤左千夫「野菊の墓」、クラゼビッツ「戦争論」解説本・・・などが持ち寄られました。
これからも、なんでも可です。
漫画、ライトノベルも持ち寄りました。」

参加したWさん「いろんなものを読んでいる人と、話ができて楽しかったです。」

まだまだ、こうした企画、続くようです。(文責・光)

読書会報告No.001

2009-07-17 17:23:16 | 学生生活
第一回、読書会が開かれました。

学生の有志で結成されたこの読書会。
国文学科以外の学生さんも参加可能。

月二回集まって、ひとつの作品について、テーマを決めて討論します。
最初の作品は畑中恵「しゃばけ」でした。

呼びかけ人の「アマチュア朗読詩人」(自称)いわく、
「一つの本を題材として、いろいろな人の価値観を知ったり、いろいろな本に出会えたりできたらいいと思います。
本を読む機会がない人、何を読んでいいかわからない人、参加してみてください。
だれでも歓迎します。」

村上春樹「納屋を焼く・蛍」(新潮文庫)の「蛍」を9月に読みます。
日時場所は未定。決まったら、国文の掲示板に貼り出すそうです。(文責・光)

映画「王の男」鑑賞会

2009-07-09 11:07:35 | 授業をのぞいてみた
演習Ⅰ(光石)の特別企画で、映画「王の男」の鑑賞会をしました。

「王の男」は16世紀の韓国の宮廷を舞台。地方の旅芸人たちが、都へ出て、最後にはなんと、王様専属の芸人となる。しかし、そこには悲しい運命が。。。


パパン 「王の悲哀とか、悲しいエンドに終わるのが、映画らしい。伏線もしっかりしている。もう2、3回見たい。
イジュンギが本当に、美しかった。ちょっとこれならいいかも・・・。」

ユーサン「韓国の衣装とか、色彩がきれいだった。女性の服装が、身分によっても違うし、楽しかった。内容もせつなかったし。イジュンギがきれいでした。」

山ちゃん「切ない・・・」
上ちゃん「なんというか、自分的には、最後に、王様の妾のキーセンが株をあげていた、ところがよかった。」
川ちゃん「終わり方がさわやかでよかった。」
平ちゃん「伏線、話に無駄がなかった。」
全員(うんうん。)
上ちゃん「だけど、王様のわらいのつぼが、いまいちわからない。」

――イジュンギの美しさと、男二人の絆が印象的な作品でした。(光)