ようこそ!奈良大学国文学科へ!!

奈良大学文学部国文学科の日々の出来事を綴っています。
特色ある授業の様子や、学生や教員の活動ををご覧ください。

永井先生が上田秋成「冠辞続貂」の板木を発見!

2013-06-20 17:19:11 | 研究活動
永井一彰先生が、上田秋成「冠辞続貂」の板木を発見しました。

上田秋成は「雨月物語」でよく知られている江戸時代の文学者で、多くの作品を残しています。
しかし秋成の書物の版木は、これまで題簽(表紙タイトル)部分が知られていたのみで、本文の板木が見つかったのは今回が初めてのことです。

このたびその記者発表が国文学科共同研究室で行われました。
当日は読売・朝日・毎日・奈良新聞、共同通信といった新聞各社に加え、奈良テレビからも取材がありました。

発表内容は6月19日発行の全国紙・地方紙に掲載されていますので、どうぞご覧下さい。

読売新聞:http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20130618-OYT8T01324.htm
毎日新聞:http://mainichi.jp/select/news/20130619k0000m040068000c.html
産経新聞:http://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2013/06/19/15ueda/
奈良新聞:http://www.nara-np.co.jp/20130619092309.html

また前回のブログ記事で少し紹介したように、今回発見された「冠辞続貂」板木は、奈良大学博物館で開催される「板木さまざま」展で初公開されます。
入場無料ですので、ご来館の上どうぞ実物をご覧ください。


写真
上:当日の記者発表の様子
下左:「冠辞続貂」板木(部分)
下右:「冠辞続貂」本文

【予告】「板木さまざま」展が開催されます。

2013-06-13 18:41:05 | 研究活動
すでにこのブログでもお知らせしているように、奈良大学には国文学科・永井一彰先生によって収集された大量の板木(はんぎ)が保存されています。

その永井先生が長年収集・研究されてきた板木を一堂に集めた展観「板木さまざま」が開催されます。


活版印刷が普及する近代以前の日本では、木版による印刷が主流を占めていました。
板木とはその木版印刷で使われた文字や絵を掘り込んだ木の板のことです。

板木には墨のつき方や形の変化、再利用の有様や修正の跡、職人が試し切りをした跡など、出版現場の生々しい痕跡が残っています。
これらは印刷された「版本」には残されていない貴重な情報です。
近世の本屋や出版にたずさわった職人たちが何を考え、何をしてきたのか、板木は私たちにストレートに語ってくれます。

本展覧会では、古い歴史をもつ仏教関係の板木や江戸時代の文学作品、浮世絵の伝統を引き継ぐ多色刷りの板木を展示し、多様な板木の世界をご紹介します。

芭蕉や蕪村、一茶といった著名な文学者にかかわる貴重な板木に加え、今回新たに発見された上田秋成著『冠辞続貂(かんじぞくちょう)』の板木も出品されます。


【会期】2013年6月24日(月)~9月7日(土)
【場所】奈良大学博物館(入場無料)

※開館時間・休館日などの詳細は、奈良大学博物館ホームページをご覧ください。