この度の、九州地方の豪雨被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
当地も平成20年7月28日の朝、1時間130ミリの大雨に見舞われて多くの農地が壊滅いたしました。
この時は幸い、1時間余りで雨が小康状態になったために、人命被害はありませんでしたが、九州の方々には言葉もありません。
前号でも報告しましたように、昨年に続いての空梅雨で稲の生育はいくぶん早回っております。
早生品種の五百万石は走り穂(特に成長の早い茎から出る一番穂)が現れ、20日頃には出穂期を迎えそうです。
中生品種のコシヒカリは幼穂形成期(幼穂長2ミリ)を過ぎて、まもなく穂肥散布の時期を迎えます。
出穂期、開花期は稲にとって最も重要な時期で、日照不足や低温は収量や品質に重大な影響を及ぼします。まもなく、梅雨が明けてお盆頃まで平年並みの天候が続いてほしいと願っています。
この時期、早生の代表格の五百万石と中生のコシヒカリは、葉色がハッキリと異なります。
出穂を間近に控えた五百万石の葉色が、濃くなっている(葉色指数4.5)のに比べて、穂肥施用の時期を控えたコシヒカリの方は、最も色ざめが進んだ状況(葉色指数3.7)です。コシヒカリは好天が続き、葉色が4.0以下となり、チッソ飢餓状態にならないと充分な穂肥対応ができません。
このくらいに色ざめが進んだのは、適切な栽培管理と天候に恵まれた証しです。
左が五百万石、右がコシヒカリ