少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

プリキュア考察外伝 〜未来の存在意義その1

2020-11-20 09:29:27 | プリキュア考察

プリキュアでは未来を守るために

戦うということが多い

Hugっとやドキプリの映画

さらにはプリキュア5の希望なども

広い意味では未来だろう

そしてそれに対する敵の主張は

不確定な未来よりも楽しい今

あるいは過去の中に永遠に生きることが

幸せであるというものが多い

 

 

私はこの敵側の主張が気になっていた

なぜならば未来を守るのは夢や希望のため

だがそれらは叶った瞬間過去になってしまう

そしてその先の未来は幸せとも

限らない「不確定」なものなのである

ならば幸せが「確定」した今に

とどまりたいと願うのは

むしろ自然な発想ではなろうか

今回はそんなことについて

これまでみたプリキュアを通じて考えていきたい

 

 

 

デスパライアの思想

 

プリキュア5のラスボス、デスパライア

彼女の目的はドリームコレットで

永遠の命を得ることだった

そしてその目的は叶ったが

彼女は幸せにはならなかった

なぜか

彼女の絶望は「老い」や「死」への

恐怖からきていた

だが永遠の命は未来を失うことでもある

つまりその絶望を除いたところで

希望は生まれ得ないのである

 

 

そしてそんな彼女が興味を持ったのは

どんな状況でも希望を捨てないプリキュアであった

希望の力を恐れ続けた彼女が

最後にすがったのが

希望の戦士というのも皮肉な話である

次はそんなプリキュアの未来観について

考えていく

 

 

 

プリキュアオールスターズNS3

 

この映画ではプリキュアたちが

夢の世界に捕らえられる場面があった

その世界はそれぞれの「夢」が叶った世界

「不確定」な未来が「確定」にかわり

それぞれが目指した理想の状態であるはずである

 

だがプリキュアはその世界から自力で脱出した

なぜ彼女たちは願っていたはずの

「夢」から脱出したのだろう

彼女たちの言葉からその思考を読み解いていく

 

 

まずは夢原のぞみだ

 

「夢は叶えばいいってもんじゃないよ

 夢はなりたい自分になることだから

 だから自分の力でがんばらなくちゃ」

 

つまり夢=なりたい自分

そしてなりたい自分は自らの努力で

手に入れるもの

その過程なしに叶えた夢に

意味はないということだろうか

他にも美羽舞の

 

「自分の描いた夢だから

 自分の力で羽ばたきたい」

 

や緑川なおの

 

「大事なことだから直球勝負

 自分の足で走らなきゃ」

 

も同義と考えてよいだろう 

他に気になったのが

春日野うらら&黄瀬やよいの

 

「うまく行かなくて落ち込むことも

 あるし自分が情けなくなることも

 あります、でも!」

 

「涙を乗り越えたらきっと強くなれる」

 

そして桃園ラブの

 

「失敗しても大丈夫、

 やり直せばいいんだよ、何度でも!」

 

である

彼女たちは失敗することを前提としている

完璧な未来などもとより期待していないのだ

というより失敗することで強くなる

過去や未来は不確定でも

内面的成長は必ず自分の中にある

過去にとどまる者にはそれは起こりえないのだ

すると最初の夢原のぞみに戻るが

夢を目指すということは

その夢にたどり着けた自分を目指す

ということ、だからこそ

 

「自分の力でがんばらなくちゃ」

 

なのだろう

理想の未来を目指しつつもその過程に重点を置く

それがプリキュアなのだ

(続く)

 

映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち感想はこちら