少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

映画 ヒーリングっどプリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!感想

2021-04-04 22:25:53 | プリキュア映画

というわけで映画館に行ってきました

ライトでの応援はありませんでしたが

ペンダントがキラキラしてた気がします

 

 

そんな映画の感想です

今作の舞台は東京です

アニメ本編は自然VS病気という構図でしたが

今回は夢に焦点が当てられました

一方自然や病気についての描写は

あまりありませんでした

(奇跡の花や夢のつぼみは

 植物かもしれませんが)

 

 

しかし「生きてるって感じ」については

映画内でも言及されています

この言葉は病気のせいで友だち作りも

自由に遊ぶこともできなかった花寺さんが

病気を克服し、それらを叶えられる喜びを

表現した言葉でした

この映画ではそんな感情が

「夢」という観点から描かれます

では夢というのはそんな生きる喜びに対し

どのような影響を及ぼすのでしょうか

 

 

先日私は夜と霧という本を読みました

(フランクル著,霜山徳爾訳,1971,みすず書房)

この本は精神科医であるフランクル

という人がナチスの強制収容所における

実体験を記した本なのですが

そこには次のような記述があります

 

「反対に何の生活目標をももはや眼前に見ず、何の生活内容をも持たず、その生活において何の目的も認めない人は哀れである。彼の存在の意味は彼から消えてしまうのである。そして同時に頑張り通す何らの意義もなくなってしまうのである。」(p82)

 

ここで述べられているのは生における

精神状態の重要性です

極限の環境の中、命がけで生き延びた

彼だからこそ説得力があります

 

 

花寺さんたちのビョーゲンズとの戦い

それは生きるための戦いでした

しかし生きる意味ということになると

ただ生きるだけでは不十分であり

私たちはもう一歩踏み出さねばなりません

すなわち生活における目的、夢です

 

 

アニメ本編において彼女たちが出した結論は

決して明るいものではありませんでした

生きることは戦いであり続け

しかもそれが正義だとは限らない

自然にとっては人間もビョーゲンズも

あまり変わらないかもしれないのです

そんな不条理な世界の中で

彼女たちの生の拠り所になるもの

それが夢なのです

 

 

しかしながらこの映画はそんな生と夢の

関係における別の側面も提示します

かぐやの義理の母である我修院博士は

娘の命を守るため人々の夢を強引に奪います

それは極悪非道な博士の姿ではありません

この世の何よりも娘の命を守りたいと願う

献身的な母の姿です

ましてや彼女はかつて娘とともに

人々の夢のために活動していたのです

そんな彼女を誰が責められましょうか

 

 

人々の夢を願った人間が

今度はみんなの夢の障壁になってしまう

逆説的ですが生は夢をも凌駕するのです

 

 

単なる綺麗事では終わらせず

負の側面も知った上で

最善と思われる選択をする

生の困難に対して目を背けずに立ち向かう

そんなヒープリの良さが全面に出た映画でした