少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

プリキュア考察〜永遠の 概念(HUGっと秋映画の予告もかねて)

2020-11-24 08:21:33 | プリキュア考察

プリキュアにとっての「永遠」

時に未来を脅かす驚異となりうるが

この「永遠」をテーマにした歌が

プリキュアにはある

それが「プリキュア〜永遠の友達〜」である

今回はこの歌の歌詞を元に考えを深めていきたい

 

 

これはもともとプリキュアオールスターズ

ニューステージのテーマソングに使われた

以前NSシリーズについて感想を書いたが

その中で鍵となったのは「友達」の定義である

簡単にいうとプリキュアにおける

友達とは物理的な距離では無く

心理的な距離の近さであった

 

 

ではこの歌における友達とは誰か

歌詞から推測するに

 

♪時を超えて力合わせつながる絆

 

♪光を手渡すまた次の世代へ

 

などから1つには次の世代の人たち

と言えそうである

 

 

もう一つ注目したいのがサビである

 

♪転んでも立ち上がり紡がれる伝説

 

プリキュアの特徴は諦めないこと

前を見続けることである

そしてそれは伝説になった

事実プリキュアは初代の時から

「伝説の戦士」ではあったが

今年の15周年映画での扱いなどを見ると

設定としてではなく事実として

本当に「伝説の戦士」になっている

 

 

そして私たちにとってのプリキュアの

存在はいつの時代でも変わらない

前を向き続ける存在である

それがまさに

 

♪100年先も変わらない勇気が宿ってる

 

なのである

 

 

まとめるとそれぞれのプリキュアは

1年で終わってしまうものである

(初期のプリキュアは別だが)

しかしプリキュアという存在自体は

今までもそしてこれからも消えない

概念といってもいいかもしれない

いつでも前を向き続ける少女たち

そんなプリキュアという概念は

永遠をも可能にするのである

 

 

だがHUGっとプリキュアでは

過去の記憶を保存するものとして

キュアスタ(インスタみたいなものです)

や写真を多用している

形あるものを利用しているのだ

そしてそのことについての敵との

やりとりがおもしろい

 

「思い出こそが永遠、写真は楽しい時間を

 一瞬一瞬切り取ったもの」

 

「写真を見るたびにみんなとの

 楽しい夏休みを思い出すことでしょう

 どんなにときが過ぎても思い出は

 心の中にあるのです、永遠に」

 

そしてそれに対して敵は

 

「でもそれってお前さんらがいてこそでしょ?

 お前さんらがいなくなれば

 思い出もなんも消えちゃうでしょ?」(30話)

 

まさにそのとおりである

プリキュアたちはこれに対して

明確な返答をできていない

確かに思い出は思い出す人が

いなくなれば消えてしまう

たとえ写真が残っていても

 

 

だが何度も言うように

今年の映画のテーマは「思い出」

しかも秋映画では初のオールスターである

なんとも趣深い予告であろうか

15年前の伝説の戦士と共に戦いながら

5年前のテーマ「永遠」ともう一度向き合う

そして今のプリキュアの「思い出」

というテーマを深めていくのである

 

 

私が今年の映画をどうしても観たいと

思う理由はここにある

本編における壮大な予告

その答えが今回の映画で

明らかになるのかもしれない

私はそれを心から期待している


プリキュア考察外伝 〜未来の存在意義その1

2020-11-20 09:29:27 | プリキュア考察

プリキュアでは未来を守るために

戦うということが多い

Hugっとやドキプリの映画

さらにはプリキュア5の希望なども

広い意味では未来だろう

そしてそれに対する敵の主張は

不確定な未来よりも楽しい今

あるいは過去の中に永遠に生きることが

幸せであるというものが多い

 

 

私はこの敵側の主張が気になっていた

なぜならば未来を守るのは夢や希望のため

だがそれらは叶った瞬間過去になってしまう

そしてその先の未来は幸せとも

限らない「不確定」なものなのである

ならば幸せが「確定」した今に

とどまりたいと願うのは

むしろ自然な発想ではなろうか

今回はそんなことについて

これまでみたプリキュアを通じて考えていきたい

 

 

 

デスパライアの思想

 

プリキュア5のラスボス、デスパライア

彼女の目的はドリームコレットで

永遠の命を得ることだった

そしてその目的は叶ったが

彼女は幸せにはならなかった

なぜか

彼女の絶望は「老い」や「死」への

恐怖からきていた

だが永遠の命は未来を失うことでもある

つまりその絶望を除いたところで

希望は生まれ得ないのである

 

 

そしてそんな彼女が興味を持ったのは

どんな状況でも希望を捨てないプリキュアであった

希望の力を恐れ続けた彼女が

最後にすがったのが

希望の戦士というのも皮肉な話である

次はそんなプリキュアの未来観について

考えていく

 

 

 

プリキュアオールスターズNS3

 

この映画ではプリキュアたちが

夢の世界に捕らえられる場面があった

その世界はそれぞれの「夢」が叶った世界

「不確定」な未来が「確定」にかわり

それぞれが目指した理想の状態であるはずである

 

だがプリキュアはその世界から自力で脱出した

なぜ彼女たちは願っていたはずの

「夢」から脱出したのだろう

彼女たちの言葉からその思考を読み解いていく

 

 

まずは夢原のぞみだ

 

「夢は叶えばいいってもんじゃないよ

 夢はなりたい自分になることだから

 だから自分の力でがんばらなくちゃ」

 

つまり夢=なりたい自分

そしてなりたい自分は自らの努力で

手に入れるもの

その過程なしに叶えた夢に

意味はないということだろうか

他にも美羽舞の

 

「自分の描いた夢だから

 自分の力で羽ばたきたい」

 

や緑川なおの

 

「大事なことだから直球勝負

 自分の足で走らなきゃ」

 

も同義と考えてよいだろう 

他に気になったのが

春日野うらら&黄瀬やよいの

 

「うまく行かなくて落ち込むことも

 あるし自分が情けなくなることも

 あります、でも!」

 

「涙を乗り越えたらきっと強くなれる」

 

そして桃園ラブの

 

「失敗しても大丈夫、

 やり直せばいいんだよ、何度でも!」

 

である

彼女たちは失敗することを前提としている

完璧な未来などもとより期待していないのだ

というより失敗することで強くなる

過去や未来は不確定でも

内面的成長は必ず自分の中にある

過去にとどまる者にはそれは起こりえないのだ

すると最初の夢原のぞみに戻るが

夢を目指すということは

その夢にたどり着けた自分を目指す

ということ、だからこそ

 

「自分の力でがんばらなくちゃ」

 

なのだろう

理想の未来を目指しつつもその過程に重点を置く

それがプリキュアなのだ

(続く)

 

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