少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

Hugっとプリキュア考察 〜ルールーと心(17話時点)

2020-11-15 16:54:17 | Hugっとプリキュア考察

クライアス社製のアンドロイド

ルールー・アムール

彼女が社を裏切りプリキュアの側についた

彼女を動かしたのが「心」

今回はそんなルールーの心について考える

 

 

 

ルールはプリキュアの強さの源を探るため

クライアス社によって野乃家に送られた

そして野乃母の記憶を操作し

ホームステイとして潜入したのだ

 

 

そんなルールーに「心」が生まれたのは

キュアエールとしての野乃さんとの

最初の会話のシーンだった

ルールーに友達になれる根拠を

尋ねられた野乃さんはこう答えた

 

「ルールーの事が好きだから

 それじゃあだめ?」(13話)

 

この瞬間ルールーに心が生まれたのである

そして彼女の長い葛藤の日々が始まるのだ…

それ以降の彼女の心による行動は主に

 

・オシマイダーに襲われそうになった

 赤ちゃんたちの前で仁王立ち

 

・エミルのギターを否定した

 エミル兄に対して怒る

 

・ほまれさんから盗んだ

 ミライクリスタルを返す

 

の3つが挙げられる

特に3番目の行動によって

クライアス社に捕まってしまう

 

 

…記憶を消されクライアス社の

アンドロイドとして再び花たちの前に

立ちはだかったルールー

もはや彼女に心はない…はずだった

しかし記憶は消えていなかった

それどころか割とあっさり戻ってしまった

(これについて私はそもそもルールーに

 心は設計されていなかったため

 情報を操作しようともプログラムに 

 ないデータなので消すことはできなかった

 と解釈しています。)

しかしそのことがさらに彼女を苦しめるのだ

 

「これ以上あなたと、あなた達と

 触れ合っているとこの痛みが私のなかの

 正しい世界を壊していく…

 わかっているのですあなた達の力の源は心

 それが私の回路にバグを作った

 こんな痛みに苦しむくらいなら

 記憶は消されたままが良かった…」(17話)

 

彼女の中の正しい世界

それは未来を失い過去の想い出に

永遠に浸れる世界である

 

 

少し話がそれるが未来の不安から

逃れるため過去の世界に永遠に

という考えはレヴィンの言う

接近―回避型の欲求に当てはまる

(接近―回避型の欲求とは簡単に言うと

接近したいという欲求と避けたいという欲求が

併存しているときに起こる葛藤のことです

例えば勉強はしたくないがテストで良い点も

取りたいといった葛藤がこれにあたります)

未来というのは夢や希望がある反面

恐怖や不安も確かに存在する

このときに接近、つまり輝く未来を抱きしめ

希望を信じる選択をしたのがプリキュア

逆に回避、つまり未来を放棄し

不安を避ける選択をしたのがクライアス社なのだ

このような葛藤は私たちにも必ず起こる

そのとき私たちはプリキュアのような

選択ができるのだろうか

クライアス社は決して遠い存在ではないのだ

(もちろんやってることはひどいので

 ぜひとも倒していただきたいです

 思想がどうであろうとも

 他人を巻き込んではいけません)

 

 

話を戻すと未来がなく不安のない世界が

正義だとプログラミングされている彼女にとって

心というのはその不安を生み出す元凶である

だからプリキュアの力の源が心だと

認めざるを得なくなったとき

彼女の思考回路にバグが生じたのだ

 

 

そして自暴自棄になり野乃さんと

戦い続けるルールー

そんな彼女に野乃さんはこういった

 

「苦しいのは私も一緒だよ

 ルールーと戦いたくない

 さっきから体よりも胸の奥のほうが

 ずっと痛いんだよ」 

 

「なぜ?」と問うルールーに対して

 

「ルールーの事が好きだもん

 いまさら嫌いになんてなれない!」

 

この瞬間彼女のデータは上書きされ

クライアス社のアンドロイドから

野乃さんの家族、そして友達となったのだ

野乃さんたちは最後に言った

 

「それはきっとバグじゃないから」

「私達とおんなじ、心だよ」(以上17話)

 

 

思えば最初にルールーに感情を

芽生えさせたのも「好き」という言葉だった

一度裏切られたとしても

彼女のぶれない愛、それは「機械人形」

でしかなかったルールーさえも変えたのだ

そんな彼女だから劣等感を抱えながらも

他人を心から応援出来るのだろう

さて、今後ルールーはどうなるのか

今回は触れなかったがルールーの心を

「音楽」で動かした愛崎えみる

という人物も存在する

「心」を手に入れたルールー・アムールは

この先どう成長するのだろうか

そして史上初のアンドロイドプリキュアは

誕生するのだろうか