少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

虹学アニメ12話感想

2020-12-21 21:54:11 | 虹学感想

スクールアイドルフェスティバルまであとわずか!

みんなファンと一緒に着々と準備を進める中

高咲きさんとあゆむさんはあの夜のことが

頭から離れません…

 

 

あなただけの私でいるから

私だけのあなたでいて

前話であゆむさんはそう言いました

でも彼女も気がついていた

彼女もまた、大切な人は高咲さんだけでは

なくなってきていることに

 

 

そんなあゆむさんに前へ進む勇気をくれたのは

他ならぬせつなさんでした

彼女はあゆむさんの高咲さんへの想いを

否定せず、むしろ肯定してこう言います

 

「始まったのなら貫くのみです」

 

せつなさんもかつて自分の大好きをしまいこんで

本当の気持ちを見失ってしまった

あゆむさんの高咲さんへの想いもそれと同じ

抑え込めるものじゃないし

抑え込むべきでもない

前に進むことは決して

孤独になることではないから

 

♪走り出した思いは強くするよ

 悩んだら君の手を握ろう(CHASE!)

 

 

 

夢に向かって走り出しても

手を握ってくれる人はきっといる

それはあゆむさんと高咲さん和解後の

帰り道のやり取りにも現れています

 

「前に進むって、大切なものが増えていくって

 ことなのかな」

 

「そうかもね、でもさ、あゆむを最初っから

 かわいいって思ってたのは私なんだからね」

 

前へ進むことは失うだけじゃない

大切なものが増えること

高咲さんのためから

みんなのためへと決意したあゆむさん

そしてみんなのためにの高咲さんは

あゆむさんへの気持ちを再確認するのです

お互いを想いながらも

それぞれの夢を広げていく

結局二人のたどり着いた結論には

大きな違いはありませんでした

 

 

ばらばらだけど、想いは一つ

高咲さんはスクールアイドルフェスティバルを

このように称しました

高咲さんは今後音楽科を目指すことになり

あゆむさんとは離れてしまうかもしれない

でももう、あゆむさんは泣きません

自分の足で進めるから

 

 

虹学が何度も伝えたこと

自分の気持ちは押しつけない

でも自分の気持ちに正直に

押しつけない=表現しない

ということではないんです

 

「自分なりの一番をそれぞれ叶えるやり方って

 きっとあると思うんだよね」(2話)

 

それがみんなの夢を叶える場所

スクールアイドルフェスティバル

次回はいよいよ最終回

どんな結末を迎えるのでしょうか


虹学アニメ11話感想

2020-12-13 22:04:31 | 虹学感想

一度は跳ね返された

スクールアイドルフェスティバルの申請書

より具体的な形を提案するため

他の部活や高校の協力も得ながら

着実に話を進めていきます

そして決まったのは街全体を巻き込んだ

スクールアイドルの祭典

最後には副会長も取り込みながら

無事に承認を得たのでした

…そんな中あゆむさんは高咲さんに言います

 

「私ゆうちゃんだけのスクールアイドルでいたい

 だから、私だけのゆうちゃんでいて」と

 

という最後に全部持っていかれた

重苦しい回でした(好きな展開ですが)

そんな11話(あと2話!)の感想です

 

 

高咲さんはスクフェス(以下略します)について

 

「みんなの夢が集まってそれを全部叶える場所」

 

であるとしていました

しかしあゆむさんはの夢はそうではない

彼女は高咲さんと二人だけの夢を見たいのです

つまり彼女にとってスクフェスの肯定は

自分だけの高咲さんではなくなるということ

スクフェスの否定は高咲さんの夢を

否定することを意味するのです

高咲さんを独占したいという気持ちが

逆に高咲さんと離れる必然を生む

そんなジレンマです

 

 

実際高咲さんとあゆむさんの不和は

せつなさんだけが原因とは言えません

スクフェスとあゆむさんとの隙間

そこに入ったのがせつなさんなのです

 

 

例えば高咲さんが申請書作成のため

せつなさんと遅くまで残っていた場面

あゆむさんも高咲さんを待っていたのですから

一緒に残るという選択肢もあったはずです

でもそれはしなかった

そんな二人の活動についてあゆむさんは

せつなさんにこう言っていました

 

「でも、私にはできないことだよ」

 

自分はスクフェスを応援することはできない

だからそこに入ることはできない

そう捉えることが可能でしょう 

 

 

一方で私はもう一つの解釈を提示します

それは自分にはその能力がないという意味です

せつなさんは生徒会長になるくらいですから

あゆむさんが彼女に対して

自分よりずっと仕事ができるという

イメージを持っていてもおかしくありません

 

 

また憶測ですが後者の解釈ならば

彼女のせつなさんに対する劣等感も感じます

高咲さんをスクールアイドルの世界に導いたのは

せつなさんのライブでしたが

あゆむさんからすれば高咲さんが自分以外で

ここまで心を動かされるのを見るのは

初めてだったのかもしれません

だからあゆむさんは高咲さんへの想いから

スクールアイドルを始めた

でも高咲さんの心に残っていたのはずっと

あの初めて聞いたCHASE!だった…

あゆむさんは思います

せつなさんのスクールアイドルへの

強い想いと覚悟には叶わないのかもしれないと

 

 

また、スクフェスについてはここまで

高咲さんとせつなさんの動きについて

書いてきましたが

スクフェスに向かって奮闘したのは

彼女たちだけではありません

かすみさんの意見箱的な物を始め

他の部活や学校も巻き込むなど

様々な動きが見られました

特にりなさんのスクフェスを

絶対開催させるという決意

そこには自分にできることをする

という強い思いに加え

周りへの深い信頼も見て取れ

彼女の成長を感じます

 

 

だからこそ対象的なあゆむさんの苦悩が

物語に重くのしかかります

最後あゆむさんは高咲さんの

夢ができたという言葉をさえぎり

ずっと二人でいたいと言いました

一話から探していた高咲さんの夢

果たしてそれは何なのでしょうか

そしてあゆむさんの想いは

どうなるのでしょうか


虹学アニメ10話感想

2020-12-08 20:51:39 | 虹学感想

よし、合宿をしよう!

ということで同好会みんなで学校に

泊まり込みの練習をしに行くことになりました

みんなでご飯を作ったり、鬼ごっこをしたり

プールで泳いだりと楽しそうです

そんな中で高咲さんは考えます

学校同士の垣根を超えたスクールアイドルの祭典

スクールアイドルフェスティバルがやりたいと

そんなお話でした

 

 

久しぶりに高咲さんにスポットが当たった

回だったような気がします

そんな彼女とスクールアイドルとの関係は

日常と非日常という関係で

捉えるととても興味深いです

 

 

以前の感想でも書きましたが私は

高咲さんはみている私たちの象徴だと思います

私たちにとってスクールアイドルとは

現実の外側にあるもの

つまり非日常的な世界なのです

 

 

では高咲さんの日常世界とは何なのか

それはすなわちもしスクールアイドルと

出会わなかったら彼女が通ったであろう道です

今回あゆむさんは高咲さんに

本当なら今頃予備校通ってたかも

しれないんだよねと話していました

予備校に通う高校生活というのは

スクールアイドルに没頭する生活と比べると

現実すぎる高校生活という感じがします

それがまさに彼女たちの日常です

 

 

そして、そんな日常からスクールアイドルという

非日常世界に引っ張ったもの

それが1話での優木せつなのライブです

(さらにいえば高咲さんの始まりの歌である

 このCHASE!がせつなさんにとっては

 終わりのうたであるというのもおもしろいです)

せつなさんは高咲さんを日常から非日常へと

連れこんだ存在なのです

 

 

しかしながら優木せつなという存在もまた

非日常と密接に関わっています

なぜなら彼女の本来の名前は中川ななであり

優木せつなはスクールアイドルとしての

非日常の自分に過ぎないからです

今回彼女は次のように言いました

 

「私が今スクールアイドルをできているのは

 あのときのゆうさんのおかげです

       (中略)

 だから、私の大好きを受け止めてくれて

 ありがとう」

 

高咲さんが大好きを受け止めたから

せつなさんはスクールアイドルをしている

つまりせつなさんだけでなく

高咲さんも彼女を非日常の世界に引き戻したのです

 

 

もう一つせつなさんの

興味深い言葉がありました

 

「いつかゆうさんの大好きが見つかったら

 今度は私に応援させて下さい

       (中略)

 ゆうさん自身の大好きを」

 

夢を追いかけている人を応援することで

自分も何かを始めたい

それはスクールアイドルと出会って

彼女が最初に感じたことでした

それが初めて他者によって言及されたのです

しかもそれは高咲さんがせつなさんに

言ったことであるという…

 

 

高咲さんはスクールアイドルフェスティバル

について新しい大好きが生まれる場所

と表現していました

果たして彼女が求める大好きは

スクールアイドルフェスティバルにあるのか

それとも全く別の場所にあるのか

今後の展開に期待です

 

 

そして次回はあゆむさんの回であるようです

今回もあゆむさんが高咲さんとせつなさんの関係を

気にする描写がありましたが

彼女の恋(?)は実るのでしょうか


Hugっとプリキュア考察 〜1年間を振り返って(最終回後)

2020-12-05 14:43:36 | Hugっとプリキュア考察

〜永遠の花園

 

まずクライの目指した

花咲き乱れる理想の王国

これはやはり死の世界だったのだと思う

まず永遠というワード

かつてのプリキュア映画のテーマではあるが

実際には生の世界に永遠はない

そして元社員フレンズが

ネズミさんたちと戦ったときの言葉

 

「生きてさえいれば何度でもやり直せる」(47話)

 

という生の肯定

一度明日を否定した彼らがこれを言ったことには

非常に大きな意味がある

そして決戦のあとのクライの言葉

 

「夢を見ていたのは、ぼくの方だったのかも

 しれないな、永遠など…」(48話)

 

と未来へ進む覚悟を決める直前に

永遠を否定している

つまり永遠とは生の否定

死の肯定だったのではないだろうか

それが野乃花との和解を難しくした

次にそれをみていく

 

 

〜野乃花の矛盾

 

彼女の目指すかっこいいお姉さん

それは自分で決めるのだと彼女は言い切った

だがそれは決して楽な未来ではない

クライとのこんなやり取りもあった

 

「はぐたんが来てくれて大勢の人と出会えた

 すごい人ばかりだなって

 けどそんな人も迷いながら生きてる」

 

「そうだ、生きている限り苦しみは続く」

 

「そうだね、生きるって苦しい

 思い通りにならないめちょっくなこと

 いっぱいある

 でも、だから私は応援したい

 フレフレその気持ち一人じゃないって

 抱きしめたい」

 

「きれい事だ!真っ直ぐに希望を語る

 君のことを人は冷笑するあざ笑うばかにする」

 

「それでも、たとえばかにされたって

 そんなの夢だって笑われたって、傷ついたって

 私は何度でも立ち上がる

 立ち上がってみんなを応援する

 なんでもできる、なんでもなれる 

 フレフレみんな、フレフレ私

 これが、これが私のなりたい

 野乃花だー」(以上48話)

 

この場面で私は野乃花を崇め奉る

ことに決めたわけだが

よく考えるとこれは非常に悲しい

彼女は以前なぜ自分を傷つけてまで戦うの?

という問いに対して

みんなの笑顔が好きという答えを出していた

だがそのための戦いなのにも関わらず

彼女を待ち受けるのは孤独かもしれない

それも覚悟の上でみんなを応援するという

だが彼女はその後こうも言っている

 

「一人じゃ未来は育めない!」(48話)

 

この大いなる矛盾

みんなに未来を育んでほしいから応援する

だが彼女は…?

究極の自己犠牲である

私には応援しかできない

それが私にしかできない応援になった

だが同時に一人では未来を育めないのである

 

 

〜信じること

 

ビシンに明日を夢見る理由を問われた時

トラウムはこう答えた

 

「愛に気づいたからだ」

 

そしてそんなものは幻想だという主張に対し

 

「そうだ、だからこそ

 信じなければ愛は見えない」(以上47話)

 

と答えた

未来を語る上で信じるというのは

重要な役割を果たすようである

また野乃花とクライとのやりとりには

こんな場面もあった

 

「夢を見るのはけっこう

 だが叶わぬ夢はきれい事だ」

 

「きれい事でもいい

 それでもみんなで明日を信じれば奇跡が」

(以上48話)

 

ここでも信じるということが

重要な要素として挙げられている

愛も奇跡も信じることで生まれるのである

そしてその愛と奇跡の関係が最もよく表れたのは

ルール&エミルの変身の場面だろう

 

「どれだけ計算しても答えが出ない

 分析不能、でも信じる、奇跡を」(20話)

 

そして愛のプリキュアが誕生した

またその後ルールーはえみるにこうも言った

 

「誰かを愛する心、大切にする気持ち

 素晴らしいことなんだと伝えたい

 これがあなたと出会えた奇跡が

 私にくれた夢です」(41話)

 

なんとも素晴らしい言葉である

信じるから愛が見える

愛があるから奇跡が起きる

奇跡があるから夢が生まれる

そして夢は新しい奇跡や愛を生む

だが少なくとも信じなければ何も始まらない

信じることは奇跡への第一歩なのである

 

「奇跡はいつでもすぐそばにあるのよ」(20話)

 

野乃母の言葉である

 

 

まとめ

願っても世界は変わらない

そう信じるクライと

みんなの想いが合わされば

未来は変わると信じるプリキュア

だが奇跡を起こす第一歩は信じることである

どんなにめちょっくで辛いことがあっても

信じることをやめてしまえば

奇跡は決してやってこないのである

 

 

Hugっとが訴えたのは誰にでもできること 

だからこそそれをやめてはいけない

今を生きる私たちにそんなことを

教えてくれる作品であった


Hugっとプリキュア考察 〜最終決戦を前にして(47話時点)

2020-12-04 09:51:42 | Hugっとプリキュア考察

次回はいよいよ野乃花の誕生日

そして世界の命運をかけた戦いが始まる

 

 

ドクタートラウムはクライという男

についてこう語った

 

「君たちの幸せの前に

 あの男はきっと立ちはだかるだろう

 いや、彼の幸せの前に

 君たちが立ちはだかっているのか

 一言でいうと何もしない男なんだよクライは」

 

「彼はただ我々を見つめている

 深い絶望に染まった目で」(以上46話)

 

そしてクライ自身の言葉

 

「ぼくは皆を救いたい、破滅へ向かう前に

 人類が生まれ命を持つこと

 それは悲しみ、悪いことなんだ」(46話)

 

「希望を持つことは残酷

 望まぬ未来を前に

 人は歩みを止めてしまう」(47話)

 

 

以前から書いているように

彼が目指すのは人類の幸福である

そこについては野乃さんと何も変わらない

だが彼にとって人類は愚かな存在であり

未来とは破滅へつながる道でしかないのである

だからその道を絶ちたい

それが彼の願いである

 

 

この考えを完全に否定することは難しいだろう

未来は確かに自分の思うようにはならないし

命が有限である以上、終末に対する恐怖も

拭うことはできない

未来も幸せも永遠には続かない

そう考えると時を止めるというのは

人間にとって幸せなことなのでは

とさえ思えてくる

 

 

野乃花にも言い分はある

はぐたんの成長に喜びを見出し

未来を愛おしいと感じたり

ハリーもまた暗い過去を背負いながら

それを受け入れ未来へ進むことに決めた

未来へ向かっていけば

いつかきっとそれは思い出に変わるから

 

 

そしてどちらの考えが正しいのかを

考えることは結局のところあまり意味はない

未来に希望を持つ人間は

クライの考えは理解できないし

未来に絶望する人間は

野乃の考えを受け入れられない 

両者の和解の道はクライが希望を持つか

野乃が絶望するかしかないのである

 

 

人間にとって未来を信じるとは

どういうものなのだろうか

その先が決して明るいものでなくても

それでも守らなければならないものなのだろうか

希望を持つ意義

それを考えたとき

赤毛のアンのある言葉が頭に浮かんだ

 

「何かを楽しみにして待つということは

 その嬉しいことの半分にあたるのよ

 本当にならないかもしれないけれど

 でも、それを待つときの楽しさだけは

 間違いなく自分のものですもの」

 

未来を信じて前へ進むことは

それだけで価値のあること、楽しいこと

それをこの言葉は伝えてくれる

 

 

人生はうまくいかないことも多いし

常に希望が見出せるとも限らない

だがそうはいっても

じゃあ今日から生きるのやめよう

とはならないわけで

現実世界において時を止めることはできない

私たちがいくら未来に絶望しようとも

プレジデント・クライにはなれないのである

 

 

そうであるならば私たちに残されたのは

野乃花的な生き方

暗い過去があっても劣等感を持っていても

他者、そして自分自身の幸せを願い応援する

それが幸せに最も近い生き方なのではないだろうか

 

 

そのような生き方ができているかと

問われれば私自身できているとは言い難い

どちらかといえばクライの思考に近いとさえ

言えるかもしれない

だが野乃花への憧れ

未来を信じる気持ちを愛おしいと感じる心

それだけは忘れてはならないと思う

嫌でもこの先未来を進んで行かなければ

ならない人間として

 

 

だからとりあえず私は

自らの誕生日に私たちの未来を守るため

たった一人で敵に立ち向かう野乃花という少女を

テレビの前で全力で応援しようと思う