少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

ラブライブスーパースター一期十二話感想

2021-10-21 11:10:48 | ラブライブスーパースター感想

最終回でありながら二期の第0話であるかのような、そんな回でした。

 

まず最初に感じるのが無印二期九話のスノーハレーション感。特に雪の中全校生徒で道を作るあたりなどはそっくりです。ただ作中でクゥクゥさんが伝説のスクールアイドルも屋上で練習していたらしいという旨の発言をしており、実際に結ヶ丘の生徒たちがμ'sのことを知っていてそれをまねた可能性もありそうです。どちらも同じ東京予選だったはずですし。

 

 

次に挙がるのは渋谷さんが直面した「勝ちたいか」という問いです。彼女はサニパの二人との会話の中で次のように述べます。

 

「でも私、ずっと歌えないかもって不安があったから、自由に表現できるだけでもう、本当はそれだけで幸せで。」

 

価値に大きな意味を見出せない。そんな彼女に対して柊さんは言います。

 

「大丈夫。ラブライブで歌えばすぐ気づくはずよ、なぜみんな勝ちたいか。勝たなきゃって思うのか。」

 

そして東京予選を通じ、渋谷さんはその答えにたどり着くことになります。

 

 

実は勝ちたいかというこの問いはAqoursの時にも大きなテーマとしてありました。二期十二話でちかさんはメンバーひとりひとりにそれを尋ねるのですが、そのきっかけを与えたのはセイラさんの次の問いでした。

 

「ラブライブ、勝ちたいですか。それと誰のためのラブライブですか。」

 

そして今回渋谷さんが辿り着いた答えは、この問いに対する答えでもあります。東京予選で二位に終わってしまった彼女は仲間たちにこう宣言しました。

 

「勝ちたい。私勝ちたい。勝ってここにいるみんなを笑顔にしたい。やったって、みんなで喜びたい。私たちの歌で、リエラの歌で、結ヶ丘の歌で優勝したい。いや、優勝しよう」

 

みんなのために勝つこと。それが一期を通じて彼女が辿り着いた一つの答えであり、スタートでもあります。決意を新たにしたその想いが二期にどうつながっていくのか楽しみです。

 

 

※一方では渋谷さんと異なるあり方も一つの答えとしてあり得ます。それが虹学的なあり方です。彼女たちはまず自分らしくあることを一番においていました。それがかなうなら勝ち負け、すなわちラブライブさえどうでもいいと。これもまた正しい道だと思います。。というのも虹学一期を通じて「自分のために」は「みんなの夢をかなえる場所」へとつながっていったからです。虹学二期も発表されましたが、ラブライブのないラブライブというこの作品が、どのような歩みをみせていくかも楽しみです。


ラブライブ!スーパースター!! 第一話に先立って

2021-07-10 09:38:13 | ラブライブスーパースター感想

いよいよ明日、「ラブライブ!スーパースター!!」が始まります
私が発足当初から応援できたラブライブシリーズは
これが初めてで、とてもとても楽しみです

まず私のLiellaの推しについてですが
外国なまりの日本語が好きなので当初はクゥクゥさん推しでした
しかしだんだんと千砂都さんも気になりはじめ
そして声優さんの生放送見ているうちに
青山さんやペイトンさんも好きになってしまい...
結果箱推しになりそうです
あと関係ないですが伊達さゆりさんという名前の印象が強くて
主人公の名前なぜか忘れてしまいます(渋谷かのんです)
かのんさんは性格があまり積極的ではないようで
そういう意味では今までにない主人公像を作ってくれそう
アニメが始まってしばらくしたら
すごいかのんさん好きになっているかもしれません


そしてPVを見る限り、どうも最初にスクールアイドル活動を
始めようとするのはクゥクゥさんのようです
主人公が始めるパターンでないのは珍しいです
そこで放つ彼女の言葉が印象的です

「好きなことを頑張るのに
 おしまいなんてあるんですか‼」

この言葉がすっと心にしみるのは
間違いなくクゥクゥさんだからこそでしょう
自分の気持ちを、持てる最大限の日本語で全力で表現する
そこから引き出される言葉は、彼女の魅力の一つだと思います


とはいえ「おしまい」という言葉はかなり強い言葉です
というのも高校生活の中での活動である以上
スクールアイドルは終わりがあるのが宿命ですから
しかしLiellaは全員1年生
3年生が在籍していたこれまでのグループに比べると
終わりはまだ遠いことなのかもしれません

そんなわけで第一話に期待しつつ
楽しみに待ちたいと思います


映画 ヒーリングっどプリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!感想

2021-04-04 22:25:53 | プリキュア映画

というわけで映画館に行ってきました

ライトでの応援はありませんでしたが

ペンダントがキラキラしてた気がします

 

 

そんな映画の感想です

今作の舞台は東京です

アニメ本編は自然VS病気という構図でしたが

今回は夢に焦点が当てられました

一方自然や病気についての描写は

あまりありませんでした

(奇跡の花や夢のつぼみは

 植物かもしれませんが)

 

 

しかし「生きてるって感じ」については

映画内でも言及されています

この言葉は病気のせいで友だち作りも

自由に遊ぶこともできなかった花寺さんが

病気を克服し、それらを叶えられる喜びを

表現した言葉でした

この映画ではそんな感情が

「夢」という観点から描かれます

では夢というのはそんな生きる喜びに対し

どのような影響を及ぼすのでしょうか

 

 

先日私は夜と霧という本を読みました

(フランクル著,霜山徳爾訳,1971,みすず書房)

この本は精神科医であるフランクル

という人がナチスの強制収容所における

実体験を記した本なのですが

そこには次のような記述があります

 

「反対に何の生活目標をももはや眼前に見ず、何の生活内容をも持たず、その生活において何の目的も認めない人は哀れである。彼の存在の意味は彼から消えてしまうのである。そして同時に頑張り通す何らの意義もなくなってしまうのである。」(p82)

 

ここで述べられているのは生における

精神状態の重要性です

極限の環境の中、命がけで生き延びた

彼だからこそ説得力があります

 

 

花寺さんたちのビョーゲンズとの戦い

それは生きるための戦いでした

しかし生きる意味ということになると

ただ生きるだけでは不十分であり

私たちはもう一歩踏み出さねばなりません

すなわち生活における目的、夢です

 

 

アニメ本編において彼女たちが出した結論は

決して明るいものではありませんでした

生きることは戦いであり続け

しかもそれが正義だとは限らない

自然にとっては人間もビョーゲンズも

あまり変わらないかもしれないのです

そんな不条理な世界の中で

彼女たちの生の拠り所になるもの

それが夢なのです

 

 

しかしながらこの映画はそんな生と夢の

関係における別の側面も提示します

かぐやの義理の母である我修院博士は

娘の命を守るため人々の夢を強引に奪います

それは極悪非道な博士の姿ではありません

この世の何よりも娘の命を守りたいと願う

献身的な母の姿です

ましてや彼女はかつて娘とともに

人々の夢のために活動していたのです

そんな彼女を誰が責められましょうか

 

 

人々の夢を願った人間が

今度はみんなの夢の障壁になってしまう

逆説的ですが生は夢をも凌駕するのです

 

 

単なる綺麗事では終わらせず

負の側面も知った上で

最善と思われる選択をする

生の困難に対して目を背けずに立ち向かう

そんなヒープリの良さが全面に出た映画でした


虹学考察〜三船栞子と決意の光

2021-03-29 22:01:57 | 虹学感想

先日虹学のユニットシングル第二弾の

リリースが決定しました

もちろんかすみさん推しで

かつ鬼頭さん推しである私は

QU4RTZの楽曲は非常に楽しみです

しかしながら同時に

あのキャラクターの声が聴けないことを

残念に感じている自分もいます

三船栞子です

 

 

現在彼女の楽曲は3rdアルバム収録の

「決意の光」のみ

アニメにも出番はありませんでした

そしてユニットにも所属していないため

今回のユニットシングルでも

彼女の声を聴くことはできないのです

 

 

とはいえ決意の光は個人的に

3rdアルバムの中でも1、2を争う楽曲

だと思います

そこで今回は決意の光から

三船栞子という人物について考えていきます

 

 

まず忘れてはならないのはこの3rdアルバムが

彼女にとっては1stアルバムであることです

虹学の1stアルバムといえばそれぞれの

キャラとしての個性が前面に出た

楽曲が多いことが特徴です

特に「ダイヤモンド」や

「眠れる森に行きたいな」は

キャラの性格がそのまま歌になった

ような歌詞になっています

 

少し話がそれますが

3rdアルバム以前の虹学のソロ曲で

私が最も気に入っていたのはかなたさんの

「My Own Fairy-Tale」です

その天使ボイスに私は魅了され

鬼頭明里という声の素晴らしさに

初めて気づくことができました

 

 

もちろん眠れる森に行きたいなは

まさにかなたさんの曲であり

キャラソンとしては完璧な歌です

しかしかすみさん推しである私は

かなたさんの歌の裏にある

鬼頭明里という魅力に気づけなかった

その意味で2ndアルバムは私が

鬼頭さんに出会った最初の楽曲なのです

 

 

これを踏まえると決意の光は

曲としての良さだけでなく

三船栞子について考える上では

最適な楽曲と言えるでしょう

そんなわけで楽曲について見ていきます

 

「誰もが幸せになれる世界探して

出会った期待不安すべてが歌に変わった」

 

二番の冒頭の歌詞ですが

栞子さんがスクールアイドルをする意味は

ここに凝縮されているように思います

 

 

彼女はもともと各々の「適正」を

最も重視する人物でした

皆が自らの適正に合った選択をすることが

幸せな世界だと考えていたからです

だからこそ初めは適正よりも

自分たちの大好きを追求する

スクールアイドルを理解しなかった

 

 

もちろん同好会との関わりの中で

スクールアイドルに対する考え方も

徐々に変化していきましたが

それでもやはり自らの適性は

裏方にあると考えていました

そんな彼女がスクールアイドルとして

ステージに立つ決意を後押ししたのは

あゆむさんのこんな言葉でした

 

「向いてる向いてないじゃないんだよ、栞子ちゃん!大切なのはやりたいかどうか。やりたいって気持ちがあるんだったら、その気持ちに嘘をついても辛いだけ。栞子ちゃん、私にそう言ってくれたよね。だから一緒にやろうよ!栞子ちゃんのやりたいことを、夢を、私たちと一緒に叶えよう!」

 

彼女が自分の気持ちに正直になったとき

スクールアイドルという道が開けました

誰もが幸せになれる世界探した彼女の想いは

まさに歌に変わったのです

 

 

したがって彼女は曲の中でも

他者の力になることを歌います

その一方で

 

「たとえ今はまだ遥か遠い場所にいても

 人知れず涙こぼす誰かに届くまで」

 

「ひらひらり空を舞う蝶のように

 僅かでも風を起こして

 やがて誰かの背中を押す日まで」

 

などというようにそれがまだ

遠い目標であることも認めています

彼女の「適正」という概念は

ある意味夢への近道を得るための手段でした

しかしスクールアイドルとしての彼女は

むしろ遠回りな他者への貢献を目指すのです

 

 

この構図はスクスタでの部と同好会の関係

にも類似しています

以前にも書きましたがつまり

パフォーマンスの高さと独自性の関係です

部が目指すのは効率の良い上達ですが

同好会はまず自分たちの大好き

すなわち独自性を重要視するのです

 

 

23〜24章の感想でも書いたとおり

いくらよいパフォーマンスをしようとも

独自性が欠けていれば

観客を引きつけることはできません

技術の向上は近道のように見えて

それだけでは不十分なのです

 

 

栞子さんについても同じことが言えます

適正の発見は確かに上達に貢献しますが

それだけで幸せを得ることはできません

自分たちの好きがあって初めて

何かに打ち込むことができるからです

あゆむさんの言うように

向いてるかどうかではなく

やりたいかどうかなのです

 

 

正直まだ三船栞子という人物に

十分スポットが当たっているとは言えません

せめてどこかのユニットに

混ぜてあげてほしいものですが

そうすると「A・ZU・NA・KO」とか

「QU5RTZ」とかになってしまい

あまり語呂もよくありません

そんな不遇な彼女ですが

早いうちに決意の光を超える

新たな素晴らしい楽曲が

生まれることを願っています


スクスタ23章〜24章感想

2021-03-07 08:22:22 | 虹学感想

「でもね、アタシ、本気でみんなと勝負してみたいんだよ。勝負して、勝ちたい。」

 

ということで愛さんの提案により

部と同好会のトーナメント方式による

対決が決定しました

…なぜトーナメントなのでしょう

2回戦以降部同士とか同好会同士で

当たる可能性が高い気がします

まあ組み合わせ見た時点で

決勝戦以外の勝ち負けは

容易に想像できるのですが

 

 

本番前のプチ合宿にて

かりんさんはこんなことを言っていました

 

「そうね、お手本はランジュの方かしら。ランジュは私にとっての完成形だから。果てしなく遠い道のりだけど、努力を続ければいつかは手が届く存在…私ランジュには追いつけると思うの。そのくらいの自信は持ってるわ。でもせつ菜は違うのよ。(中略)私はきっとああはなれない。だから理想。」

 

ランジュには届いてもせつなには届かない

それが彼女の解答です

 

 

20章の感想を書いた際

私は同好会にしかないものを

それぞれの独自性だとしました

しかしミアさんはランジュさんについて

次のように語ります

 

「そう、ランジュは性格通り、ステージ上でもわがままを貫くのさ。」

 

これは部の中にも独自性があることを意味します

つまりランジュさんはステージ上でも

わがままという自分らしさをもつのです

それに加えて絶対的パフォーマンスがある

逆に言えば自分らしさは模倣不可能ですから

どれほど努力しようともランジュさんには

追いつけません

むしろ彼女の色に染まることは

自分らしさの喪失ですらあります

だからこそしずくさんは部を離れ

ミアさんは自分で歌うことを決めたのです

 

 

今回かりんさんがかすみさんに

完敗した原因もここにあるように思えます

つまりかりんさんが模倣できると感じたのは

ランジュのパフォーマンスの部分だけ

彼女の圧倒的パフォーマンスに魅了され

その背後にある彼女の自分らしさには

気がついていなかった

だからこそ彼女はエマさんの言うように

ランジュの背中を追う中で彼女の魅力、

すなわち自分らしさを失ってしまったのです

 

 

彼女が自分らしさを取り戻した時

果たしてどんな選択をするのでしょうか

そして同好会に戻る日は来るのでしょうか