少女たちに魅せられて

主にプリキュアとラブライブの感想や考察を挙げていきます

虹学考察〜三船栞子と決意の光

2021-03-29 22:01:57 | 虹学感想

先日虹学のユニットシングル第二弾の

リリースが決定しました

もちろんかすみさん推しで

かつ鬼頭さん推しである私は

QU4RTZの楽曲は非常に楽しみです

しかしながら同時に

あのキャラクターの声が聴けないことを

残念に感じている自分もいます

三船栞子です

 

 

現在彼女の楽曲は3rdアルバム収録の

「決意の光」のみ

アニメにも出番はありませんでした

そしてユニットにも所属していないため

今回のユニットシングルでも

彼女の声を聴くことはできないのです

 

 

とはいえ決意の光は個人的に

3rdアルバムの中でも1、2を争う楽曲

だと思います

そこで今回は決意の光から

三船栞子という人物について考えていきます

 

 

まず忘れてはならないのはこの3rdアルバムが

彼女にとっては1stアルバムであることです

虹学の1stアルバムといえばそれぞれの

キャラとしての個性が前面に出た

楽曲が多いことが特徴です

特に「ダイヤモンド」や

「眠れる森に行きたいな」は

キャラの性格がそのまま歌になった

ような歌詞になっています

 

少し話がそれますが

3rdアルバム以前の虹学のソロ曲で

私が最も気に入っていたのはかなたさんの

「My Own Fairy-Tale」です

その天使ボイスに私は魅了され

鬼頭明里という声の素晴らしさに

初めて気づくことができました

 

 

もちろん眠れる森に行きたいなは

まさにかなたさんの曲であり

キャラソンとしては完璧な歌です

しかしかすみさん推しである私は

かなたさんの歌の裏にある

鬼頭明里という魅力に気づけなかった

その意味で2ndアルバムは私が

鬼頭さんに出会った最初の楽曲なのです

 

 

これを踏まえると決意の光は

曲としての良さだけでなく

三船栞子について考える上では

最適な楽曲と言えるでしょう

そんなわけで楽曲について見ていきます

 

「誰もが幸せになれる世界探して

出会った期待不安すべてが歌に変わった」

 

二番の冒頭の歌詞ですが

栞子さんがスクールアイドルをする意味は

ここに凝縮されているように思います

 

 

彼女はもともと各々の「適正」を

最も重視する人物でした

皆が自らの適正に合った選択をすることが

幸せな世界だと考えていたからです

だからこそ初めは適正よりも

自分たちの大好きを追求する

スクールアイドルを理解しなかった

 

 

もちろん同好会との関わりの中で

スクールアイドルに対する考え方も

徐々に変化していきましたが

それでもやはり自らの適性は

裏方にあると考えていました

そんな彼女がスクールアイドルとして

ステージに立つ決意を後押ししたのは

あゆむさんのこんな言葉でした

 

「向いてる向いてないじゃないんだよ、栞子ちゃん!大切なのはやりたいかどうか。やりたいって気持ちがあるんだったら、その気持ちに嘘をついても辛いだけ。栞子ちゃん、私にそう言ってくれたよね。だから一緒にやろうよ!栞子ちゃんのやりたいことを、夢を、私たちと一緒に叶えよう!」

 

彼女が自分の気持ちに正直になったとき

スクールアイドルという道が開けました

誰もが幸せになれる世界探した彼女の想いは

まさに歌に変わったのです

 

 

したがって彼女は曲の中でも

他者の力になることを歌います

その一方で

 

「たとえ今はまだ遥か遠い場所にいても

 人知れず涙こぼす誰かに届くまで」

 

「ひらひらり空を舞う蝶のように

 僅かでも風を起こして

 やがて誰かの背中を押す日まで」

 

などというようにそれがまだ

遠い目標であることも認めています

彼女の「適正」という概念は

ある意味夢への近道を得るための手段でした

しかしスクールアイドルとしての彼女は

むしろ遠回りな他者への貢献を目指すのです

 

 

この構図はスクスタでの部と同好会の関係

にも類似しています

以前にも書きましたがつまり

パフォーマンスの高さと独自性の関係です

部が目指すのは効率の良い上達ですが

同好会はまず自分たちの大好き

すなわち独自性を重要視するのです

 

 

23〜24章の感想でも書いたとおり

いくらよいパフォーマンスをしようとも

独自性が欠けていれば

観客を引きつけることはできません

技術の向上は近道のように見えて

それだけでは不十分なのです

 

 

栞子さんについても同じことが言えます

適正の発見は確かに上達に貢献しますが

それだけで幸せを得ることはできません

自分たちの好きがあって初めて

何かに打ち込むことができるからです

あゆむさんの言うように

向いてるかどうかではなく

やりたいかどうかなのです

 

 

正直まだ三船栞子という人物に

十分スポットが当たっているとは言えません

せめてどこかのユニットに

混ぜてあげてほしいものですが

そうすると「A・ZU・NA・KO」とか

「QU5RTZ」とかになってしまい

あまり語呂もよくありません

そんな不遇な彼女ですが

早いうちに決意の光を超える

新たな素晴らしい楽曲が

生まれることを願っています


スクスタ23章〜24章感想

2021-03-07 08:22:22 | 虹学感想

「でもね、アタシ、本気でみんなと勝負してみたいんだよ。勝負して、勝ちたい。」

 

ということで愛さんの提案により

部と同好会のトーナメント方式による

対決が決定しました

…なぜトーナメントなのでしょう

2回戦以降部同士とか同好会同士で

当たる可能性が高い気がします

まあ組み合わせ見た時点で

決勝戦以外の勝ち負けは

容易に想像できるのですが

 

 

本番前のプチ合宿にて

かりんさんはこんなことを言っていました

 

「そうね、お手本はランジュの方かしら。ランジュは私にとっての完成形だから。果てしなく遠い道のりだけど、努力を続ければいつかは手が届く存在…私ランジュには追いつけると思うの。そのくらいの自信は持ってるわ。でもせつ菜は違うのよ。(中略)私はきっとああはなれない。だから理想。」

 

ランジュには届いてもせつなには届かない

それが彼女の解答です

 

 

20章の感想を書いた際

私は同好会にしかないものを

それぞれの独自性だとしました

しかしミアさんはランジュさんについて

次のように語ります

 

「そう、ランジュは性格通り、ステージ上でもわがままを貫くのさ。」

 

これは部の中にも独自性があることを意味します

つまりランジュさんはステージ上でも

わがままという自分らしさをもつのです

それに加えて絶対的パフォーマンスがある

逆に言えば自分らしさは模倣不可能ですから

どれほど努力しようともランジュさんには

追いつけません

むしろ彼女の色に染まることは

自分らしさの喪失ですらあります

だからこそしずくさんは部を離れ

ミアさんは自分で歌うことを決めたのです

 

 

今回かりんさんがかすみさんに

完敗した原因もここにあるように思えます

つまりかりんさんが模倣できると感じたのは

ランジュのパフォーマンスの部分だけ

彼女の圧倒的パフォーマンスに魅了され

その背後にある彼女の自分らしさには

気がついていなかった

だからこそ彼女はエマさんの言うように

ランジュの背中を追う中で彼女の魅力、

すなわち自分らしさを失ってしまったのです

 

 

彼女が自分らしさを取り戻した時

果たしてどんな選択をするのでしょうか

そして同好会に戻る日は来るのでしょうか


虹学アニメの振り返り〜朝香果林とVIVID WORLD

2021-01-27 22:23:50 | 虹学感想

白か黒 そう Yes or No

そんなに単純じゃないなら

答えなんて誰も知らない

自由に未来創ろう

 

 

第9話かりんさんの挿入歌「VIVID WORLD」です

この曲は「Rainbow Colors」という言葉にも

現れているように様々な個性を持った仲間たちを

肯定する歌であると感じます

自分に与えられたキャラが正解だと思い込み

一人それに縛られスクールアイドルへと

踏み出せなかった彼女の心の変化が伝わります

 

「エマのために同好会のこと手伝うようになって

 そしたら、楽しかった

          (中略)

 でも私は、朝香果林はそんなキャラじゃない

 クールでかっこつけて、大人ぶって

 それが私なの」 (5話)

 

求められているキャラこそが自分

そう考えていた彼女でしたが

エマさんや同好会のみんなと出会い

その考えは変わりました

答えなんて周りはおろか、自分だって

はっきりとはわからないのです

だからこそ自分の思った道を

信じたように進まなくてはいけない

そんな想いが歌詞から伝わってきます

 

 

もう一つの彼女の心境が変化した場面は

ダイバーフェスでした

ステージに立つ一人を決めかねる

メンバーに対して彼女は言います

 

「衝突を恐がるのはわかるけど

 それが足かせになるんじゃ意味ないわ

 それで本当にソロアイドルとして

 成長したと言えるの?」(9話)

 

9話の感想でも書きましたが

これは自分も含めたメンバーへの問題提起です

かりんさん自身迷いがあったのでしょう

メンバーのことを想いすぎることは

自分自身の成長にはマイナスなのではないかと

 

 

でも結果的にそれは違った

プレッシャーに潰されそうになった時

彼女の支えになったのは

他でもなく仲間たちだったから

 

「仲間だけどライバル、ライバルだけど仲間!」

 

自分は仲間に頼りすぎてるんじゃないか

一人の方がもっと早く進めたんじゃないか

そんな迷いが彼女にあったのかもしれない

でも彼女はこう歌います

 

「Find a way キミとだったら

 迷子だって悪くはないね

 正解も輝きもひとつじゃないから

 Just like a Rainbow Colors…」

 

ちょっとくらい迷ったっていい

自分らしさも進むべき道も一つじゃなくて

虹色みたいにいろんな輝きがある

だから大丈夫

自分の弱さを認め、仲間を信じることで

朝香果林はさらに強くなったのでした


虹学アニメの振り返り〜近江彼方とButterfly

2021-01-20 20:27:36 | 虹学感想

一人きりじゃ もう

両手いっぱい広げても まだ

足りないほどに大きな Dreams 今

一緒に抱きしめよう

 

 

第7話のかなたさんの挿入歌「Butterfly」です

私は虹学の声優さんの中では

かなたさんの声をやっている

鬼頭明里さんが最もお気に入りです

彼女は地声は意外と低くてイケボなんですけど

歌になるとものすごい天使ボイスになるんです

すごすぎます

虹学の2ndアルバムに収録されている

「My Own Fairy-Tale」は特におすすめです

ぜひ聴いてみてください 

 

話がそれましたが本題に入っていきます

冒頭に挙げた「Butterfly」の歌詞ですが

劇中の場面とかなりリンクしています

エマさんにスクールアイドルをやめることは

本当にやりたいことなのかと問われた

かなたさんはこう答えました

 

「違う、かなたちゃんの望みは

 ずっと探してた夢は、ここにある

     (中略)

 でもはるかちゃんの幸せも守りたいの

 そんなの、わがままだよね」(7話)

 

はるかさんがスクールアイドルをやめるのか

それともかなたさんがやめるのか

この時のかなたさんにどちらの夢も諦めない

という選択肢は浮かんできませんでした

なぜなら姉妹でスクールアイドルをすることは

もはや一人きりでは「両手いっぱい広げても」

支えきれないほど大きな夢になっていたからです

 

 

Butterflyという曲名にも注目したいと思います

この曲は「We can fly!」という歌詞にあるように

飛ぶこともテーマになっていますが

それならば蝶よりもむしろ鳥のほうが

適しているように思われます

しかしこの曲名はButterflyなのです

これはつまり彼女たちの新しい自分への

変身を意味します

これまでの彼女たちはサナギだった

でも今は蝶になった

自分たちの殻を破ったのです

 

 

かなたさんは大きな夢を「一緒に抱きしめよう」

と歌います

一人では夢を抱えきれなくなった

姉妹の出した結論は二人で力を合わせて

夢を叶えようというものでした

お互いを想う気持ちを相互に理解し合い

姉妹は真の絆で結ばれたのです

こうして二匹の蝶は共に羽ばたいたのでした


虹学アニメの振り返り〜桜坂しずくとSolitude Rain

2021-01-08 21:32:40 | 虹学感想

雷鳴が胸に鳴り響いて

閉じ込めていた感情が溢れだしていく

もう見失ったりしない

私だけの思いを

 

 

しずくさんのソロ曲「Solitude Rain」の

出だしの部分のセリフです

本来私の推しはかすみさんであり

声優の方の推しは鬼頭さんなのですが

虹学のアニメで心に残った回を問われれば

しずくさんの回である第8話を挙げます

 

 

なぜ私がこんなにもこの回に惹かれたのか

それは彼女の不器用さ、繊細さに

他のどの人物よりも共感を覚えたからです

彼女は演技についてこう語りました

 

「私、小さい頃からずっと

 昔の映画や小説が好きだったの

 でもそんな子は私しかいなかったから不安だった

       (中略)

 そのうち他のことでも

 人から違うなって思われることが怖くなって

 だから演技を始めたの」

 

自分の心を守るための手段

それが彼女の演技についての考えです

では彼女は演劇を否定したのでしょうか

いえ、そうではありません

彼女が否定したのは演じる自分じゃない

好きを隠して怯える自分なのです

 

 

とはいえ彼女が演技をやめ

ありのままの自分をさらけ出すと

決めたことは事実です

それは彼女の成長でもあります

しかし演劇を続ける以上

演じるのをやめることはできません

 

 

その矛盾がこそがこの回のおもしろさでもあります

すなわちこれは結果は同じでも

そこに至る過程の違いには大きな意味がある

ことを示唆しているのです

 

 

しずくさんは自らの演技の

負の側面を発見している

その点で彼女は演劇の良さにしか

気がついていない人よりも

演劇への想いが強いのです

普段はその差異が現前することはありません

しかしひとたび試練が訪れた時

演劇に踏みとどまる力が強いのは

間違いなくしずくさんです

演劇に限らず対象から遠ざかる

という心の動きはそこから戻ったとき

その対象への想いをいっそう強くするのです

 

 

Solitude Rainで彼女は歌いました

 

「天から舞い落ちる雨粒が

 ぽつりぽつり頬伝って

 知らないうちに心覆ってた仮面を

 そっと洗い流していくの」

 

雨が彼女の心を覆う仮面を流しても

彼女は演劇を失わない

彼女の心の奥にはかつての映画や小説が

好きだった自分が残ってるから

だから彼女はより強い決意で

再び舞台に立ちます

誰かのヒロインになるだけではなく

自分だけの大好きを届けるために