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朴大統領の中国訪問の裏事情:朝鮮半島の膠着打開し平和模索の実現性が急浮上?

2015-09-08 14:44:22 | 日記

東北アジア外交が大きな変化を見せ始めたようだ。きっかけは朴大統領が中国の戦勝記念70周年記念に出席したことだった。中国の呼びかけに、朴大統領はアメリカに気遣いながらも出席した。中国は当然朴大統領を厚遇した。ここまでは中国外交の狙い通りと言えるだろう。米韓に大きくないながら楔を打ち込んだからだ。日本政がしたことといえばは嫌がらせ、難癖をつけただけだった。何の積極的意味も持たない、悪くいえば他人のお祭りをやっかんでいるようにしか聞こえなかった。一方、米は静観を保った。内心は不快感はあったろうが表に出すほど子供じみた振る舞いはしなかった。事前に、新聞記者の言う「仁義を切ってくれれば」。メンツを立ててくれれば良しとしたのだろう。
●軍事パレード出席以来、親密度を飛躍的に増した中韓外交
それから数日経って、報道を見ていると、その後の中韓関係が密度を増しているのはこれまでと全く違う地平に入ったことを印象付ける。
まだ、冷めやらぬ北と韓国の衝突では中国が裏で積極的な動きをしたことが窺える。日本が朴大統領の訪中に嫌がらせじみた発言をしたのに対して「日本は何をしたのか、今回の北との合意では中国の貢献は大きい」と報じている。どんな内容化は分からないが、中国が動いたのは確かだろう。中国は今、内政、経済問題で追われていて外交での紛糾は避けたいはずだからだ。
●朝鮮半島は歴史的に東北アジアの火薬庫
今更言うまでもないことだが、明治以来、歴史的に朝鮮半島の平和は東北アジアの平和そのものだ。日本の東北アジア植民地化は朝鮮併合から始まっている。古来、朝鮮半島と日本列島は密度が濃い。私は日本の安定に朝鮮半島の安定は不可欠だと確信しているが、日本の安定のために朝鮮半島を支配すべきだとは思わない。そのような議論は、「過剰防衛」だと思っているし、日本がやったことは過剰防衛以上に、防衛の必要性があるのかどうかも疑わしいと思っている。日本の教科書や司馬遼太郎の歴史認識とは全く違った認識を持っている。いずれにしても朝鮮半島は東北アジアの火薬庫に擬せられてきた。
ところが、このところの報道を見ると、中国を仲介に韓国と北が協議の席に着かせる、半島統一の動きが窺え始めたのだ。まず、2015年9月7日付け朝鮮日報だ。「朴槿恵政権発足以降、韓中両国間では▲青瓦台国家安全保障室長と中国国務委員(外交担当)との対話▲両国の外交、国防官庁の局長クラスが出席する2プラス2外交・安保対話▲国策シンクタンクによる合同戦略対話▲政党間の政策対話ーーという4つの戦略対話ルートが存在する」として、
●中韓最高レベルでの朝鮮半島の安定政策を模索か
 「このうち、最高レベルとなる青瓦台国家安全保障室長と中国国務委員のルートの再稼働が期待されている。実現すれば高いレベルでの協議が可能になる」と韓国の朝鮮日報は期待する。また「2日に北京で開かれた韓中首脳会談と特別夕食会で朴大統領と習近平国家主席は韓半島の統一に関する突っ込んだ話し合いを長時間行ったとされる」とも報道している。朴大統領も中国に仲介のみ求めているのではない。「朴大統領は自身が提案した北朝鮮開発に向けた「北東アジア開発銀行」構想と習主席の「一帯一路」構想の連携を提案した」という。さらに「チェ・ギョンファン経済副首相は4日、トルコで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で中国の楼継偉財政相と会談し、北東アジア開発銀行構想について、「中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にとって補完的だ」と中国の威信を掛けたAIIBの成功に繋がると中国の奥の狙いに応じて、中国を誘った。投資し甲斐のある未開発の東北アジア開発に先鞭をつけよう、そのことで北を平和協議の席に着かせて最大の問題である核放棄を迫ろうーーと。
また7日付け朝鮮日報は「韓国外交部(省に相当)の趙太庸(チョ・テヨン)第1次官は『今後韓国と米国、中国、日本など北東アジアの首脳間で北朝鮮の非核化を働きかけるための高度な戦略的協議が行われる』と述べた」と断定している。
●外交問題評議会のスナイダー上席研究員の視点に窺えるもの
⑩米外交問題評議会(CFR)のスコット・スナイダー上級研究員は2015年9月7日付け朝鮮日報で朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が中国の軍事パレードに出席したことについて、「韓半島(朝鮮半島)の統一に対する中国の支持を得られる重要な一歩を踏み出した」と指摘した。外交評議会(Council on Foreign Relations)は、アメリカ合衆国のシンクタンクで、外交問題・世界情勢を分析・研究する非営利の会員制超党派組織であり、外交誌『フォーリン・アフェアーズ』の刊行し、アメリカの対外政策決定に対して著しい影響力を持っている。
⑪朴外交が大きな成功を収めるかもしれない局面に入った。少なくとも、米中韓が協議を始めているのだ。北の核放棄を巡る外交戦は日本を置いてけ堀に進展する気配が濃厚だ。
●東北アジアの外交戦線は全く違い地平に 中国は半身で乗るだろう。アメリカは韓国の意思を無視できない
中国は恐らく半身で乗るだろう。なぜ半身か? 北が乗りやすいように考えているからだ。固定しない方が北が乗りやすいし、中国としても全面的に北に頭を下げるのは避け、出来るなら北が中国に懇願する形を取りたい。アメリカがキーマンだがアメリカはこれまで、北には手を焼きどおしだった。中国が積極的ならひとまずはお手並み拝見だろう。また、アメリカは韓国の意思を無視できない。白紙回答は出来ない。何らかの形で応じなければならない。意外に進展する可能性があるのだ。朴大統領は今回の統一工作に政権を掛けているかに見える。まっしぐらに進むだろう。韓国のメディアも支持している。東北アジアの外交戦線はこれまでと急速に転換している。
●日本外交は膝元の大転換を把握しきれない水準 カネでは買えない立ち位置
日本の外交はどうか?拉致問題をどう解決するか?当然、後から協議に参加して日本の立ち位置を強めることは出来ない。今のままのような、朴大統領の訪中に難癖をつける外交水準では日本は重要な席を設けられない。そうなったら、またカネで席を買おうというのか?朴大統領の外交戦略の基本を塾考すべきだ。
●半未開の東北アジア経済圏と言う市場の創出の可能性秘める
韓国経済も半未開の東北アジア経済圏開発で大きな市場を創出したいに違いない。それは朝鮮半島の1000年の夢だった。日本も1000年来の市場が出現することになる。日本経済界も諸手を上げて賛成するだろう。日本海経済圏が再興するなら日本海の諸都市再生にも大きく寄与するに違いない。アメリカ財界も遅れてはならじと枠組み作りをリードするかもしれない。もちろんロシアも載って切る。後発発展地域に脚光が集まることになる。実に500年の事業になるだろう。余談だが、これに先鞭をつけるなら習均平はノーベル平和賞の最有力候補だろう。
過程が極めて複雑な目標の話が、飛躍しすぎた。しかし大きな夢を抱かせる東北アジア経済圏だ。


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