ＧＧニュースウォッチ31日：杜撰なリニア計画で、破綻の付けは国民に20兆円規模？

［　主張/リニア新幹線事業/立ち止まらないと禍根を残す  2015年12月30日 9時22分 しんぶん赤旗   
　ＪＲ東海が２０２７年開業をめざすリニア中央新幹線事業（東京・品川―名古屋）のうち、南アルプストンネル工事に向けた「起工式」が今月中旬、山梨県内で行われました。実際の掘削は来年以降ですが、自然豊かな山岳地帯に大穴を開けることに地元住民をはじめ自然保護団体などから不安と懸念・批判の声が相次いでいます。それにもかかわらず、ひたすら事業を推し進めるＪＲ東海の独善的な姿勢が問われています。
「掘らぬと分からぬ」
　ＪＲ東海は１８日、南アルプスのふもと山梨県早川町でトンネル「起工式」を行いました。リニア事業は昨年１０月に国土交通省が認可、昨年１２月に品川と名古屋で駅工事などが始動しています。トンネル工事に向けた具体的準備作業は、実験線以外では今回が初めてです。当面は資材置き場を整え、来年３月に「非常口」用掘削に入り、秋にトンネル本体工事を行うことをもくろんでいます。
　リニア事業は品川―名古屋間２８６キロのうち地下部分が８６％を占めるなど超巨大開発事業です。地下構造や地質などは事前に詳しく分からず手探りで掘り進めるのが実態です。掘削で発生する大量の残土の置き場もほとんどは決まっていないなど、沿線の自然や観光、暮らしに深刻な被害を与えることに不安と懸念が広がっています。
　とりわけ南アルプストンネルは、リニア事業のなかでも自然を壊す被害の深刻さ、事業の危険性について強く警告されている区間です。この一帯の豊かな生物多様性は国際的に注目され、昨年はユネスコ（国連教育科学文化機関）のエコパーク（生物圏保存地域）にも指定されました。数少ない自然の宝庫に長大トンネルで大穴を開けることは、世界的な自然保護の流れにも完全に逆らうものです。
　ＪＲ東海も南アルプストンネル予定地を水源とする大井川への影響を認め、水量が毎秒２トン減少すると試算しています。下流域に住む６５万人の生活・産業用水の取水量に匹敵する膨大な量です。ＪＲは導水路やポンプで水を川に戻すと説明しますが、水質や水量が保てる保証はまったくありません。
　地表から最大１４００メートルの深さを掘る南アルプストンネルは前例のない「最難関」工事です。地層や水脈も複雑に重なっているため、突然の出水や岩盤崩落の危険も指摘されています。ＪＲ東海自身が「掘らないと分からない」と認めるほどの危うさです。難工事で行き詰まり、現在１０年とされる工期が長引き、ＪＲ東海の対応が行き詰まった場合、巨額な税金が投じられかねません。「建設ありき」で突き進むのはあまりに無謀です。
根本から問い直すとき
　リニア中央新幹線への疑問は深まるばかりです。人口減少に向かう時代に最終的に９兆円（品川―大阪）もかける大型開発はお荷物にならないのか。トンネル内の不測の事故への対応は可能なのか。膨大な電力を消費するリニアは省エネルギーに逆行しないのか。
　いま求められるのは、国民の異論や疑問に耳を傾け、事業の是非を根本から問い直すことです。リニアを「国家プロジェクト」としてＪＲ東海を後押しする安倍晋三政権の姿勢は国民の願いに反します。将来にとって「負の遺産」になりかねないリニア事業は凍結・中止することこそ必要です。（以下略）］

●元ＪＲ東海葛西社長ですら「ペイしない」と本音
(GG：ＪＲ東海の葛西元社長ですら「ペイしない」と吐露しており、事業化調査も満足にしていないで、環境影響評価もおざなりにすませ、日程だけ先行する。9兆円の投資で終わる筈がないのは、誰しも否定しえないだろう。恐らく20兆円程度かかるかもしれない。巨大ゼネコン事業を沿線住民の反対や自然保護団体の反対を抑え込んで強行するのはどう考えても理に合わない。関心を持って知れば知るほどイカガワしさにぶち当たる開発事業だ。イカガワシサの内容は限りないが、総じていうなら大成建設などゼネコンと国土交通省とＪＲ東海の合作だ。断言する。ＪＲ東海の事業規模を遥かに超えている巨大開発事業は、完遂することが出来ず、ＪＲ東海から政府と関連自治体に事業は引き継がれることになり、巨額と自然破壊の負の遺産を受け継ぐことになるーーのは容易く想像できる。

●原発や東京オリンピックと同じ、国策事業に利権がひしめき、国民は反対しないと高を括る
こんなデタラメな計画が罷り通るのは、原発事業の電源事業をはじめ東京五輪・パラリンピックなど国策ハコモノ事業に巨額を投じることへの反省が生まれる前の計画だったからだ。原発の危険性と不採算性、東京五輪の浪費性への国民の視線は厳しく変わっている。当然のことではあるが厳しくもない、通常の事業化調査ならこの計画はパスしない。こんな杜撰な計画を立てる企業なら企業の将来は危ないと金融機関は投資に二の足を踏むだろう。乗客需要が人口減少のあおりを受けるのは明らかだ。駅舎施工費など半分を負担する地元自治体も財政は吹っ飛ぶだろう。自然破壊の規模は想像を超える。

●「日本をとりもどせ」と叫びながらウラでは故郷の自然破壊
個人的なことに話が及ぶのをお許し願えれば、ＧＧの故郷の山川は見るも無残な姿にかわってしまうことになる。ＧＧの故郷の町を通過するからだ。山梨は甲斐の国で山峡の国だ。私たちは子供の時から武田節に詠われるように「祖霊おはしますこの山河…」と、特別な思いで故郷の山川を望んで育った。「兎追いし…」などと牧歌的ではなく、厳しい自然のなかで激しく愛してきた。その山川が、「日本をとりもどせ」と叫びながら破壊し尽くす安倍首相と国土交通省官僚の利権に塗れた手が付けられるのは、個人的にも許せないのだ。

●巨大ゼネコンと国土交通省と利権政治屋の合作
巨大ゼネコントである大成建設と国土交通省官僚それから利権政治屋の巨額利権疑獄がうたがわれるに十分な国庫投資を当てにした事業なのだ。これまであまり光を当てられなかったこの手のハコモノ事業が厳しくチェックされなければならない。財政を壊しておいて、財政再建が聞いて呆れる)