ナナタニッキ

ナナタニのニッキだからナナタニッキです。

人間失格

2009年02月10日 | ミル ←(・ω・。) ジーッ
太宰治の恥の多い生涯のお話です

太宰作品、とくにこの話は10代の頃に読むといいと言われています

でも、30代で読んだ私には、とにかく暗くて重い話でした
どんだけ周りの人を不幸にしてるの
この人が身内だったら、すっごく迷惑だろうなぁと思うだけでした

主人公の葉蔵はとにかく弱い人間なんですよ。
周りに流されるだけの、自分勝手でワガママな子供なんですよ。
しかも、実家がお金持ちだから金銭感覚がズレすぎなんですよ
人に借金してまでお酒や麻薬を買うなんて、本当にバカバカしい

でも、ここまで自分のダメダメっぷりを文章にできることが素晴らしいです。
自分はどうしてダメダメなのかその経緯がとても細かく書いてあります。
自分のダメダメなことを認め、隠すことなく淡々と書いてあります。

そのダメなことが、残念なことに共感してしまうんですよ
人の気持ちが理解できないけど嫌われたくない。
自分の繊細な心や本心を知られたくないため、道化の仮面を被る・・・

この本を読んだ人はみんな「これは私のことだっ!」と思うらしいです。
その意味は分かりますね。


とても衝撃的なお話です。葉蔵にイラッときながらも、どんどん読んでしまいました。
60年以上前の作品ですが、とても読みやすい文章なので一度は読んでみるといいですよ
だた、気分が沈んでいるときは読まないほうがいいかもしれません


実は新潮さんのを読んだのだけど写真は集英さんのものです